在宅勤務でオンオフの切り替えが難しい!アドラー式で考える意外な原因

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在宅勤務でオンオフの切り替えが難しい!アドラー式で考える意外な原因

在宅勤務をする人が増えてしばらく経ちますが、いまだにオンオフの切り替えは難しいものです。

そんなときはどのように考えたらいいのでしょうか?

アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスをもらいました。

オンオフの切り替えは「自己決定」している

オンオフの切り替えは「自己決定」している

質問者
新型コロナの影響で在宅勤務が増えました。

子どもたちと過ごす時間が増えたのはうれしいのですが、いまだに仕事とプライベートがうまく切り替えられないと感じていて困っています。

何かコツはありますか?

多くの人も同じだと思いますが、通勤している生活の方が長かったこともあり、自宅で自らオンとオフを切り替えることには慣れていなかったと思います。

確かに、物理的に場所を移動するなど環境を変えられた方が気持ちは切り替えやすいもの。

移動時間を使って徐々に切り替えることもできるかもしれません。

しかし、全員が切り替えられないというわけではありません。

また一方で通勤をしたとしてもオンオフを切り替えられないという人もいます。

ちょっと乱暴な言い方をすると、つまりはその人次第、質問をしてくれたパパ自身の問題です。

アドラー心理学では、人の行動は全て自分で決めたもの=自己決定であると考えます。

なので、よくみなさんが口にする「○○できない」ということは、自分が「○○しない」と決めていると考えるのです。

例えば、「やせたいのにダイエットできない」「転職できない」「夜のお菓子がやめられない」そのようなケースがあると思います。

しかしよくよく考えてみれば、「ダイエット」も「転職」も「夜のお菓子をやめること」も絶対にできないことではありません。

成功した人も少なくありませんよね。

ただ、いずれにしても「変える」ということは勇気もいりますし、努力も必要で、ぶっちゃけ「変えない方がラク」だったりすることが多いと思います。

その考え方に当てはめてみると、「オンオフを切り替えられない」ではなく「オンオフを切り替えない」と自ら決めていると考えられます。

そして、その背景には何かしらの目的で「切り替えたくない」もしくは「切り替えない方がラク」という思いがあるかもしれません。

あくまで推測ですが、もしかしたら仕事を終えて家庭のことに切り替えなければいけないとき、「もっと仕事したい」とか「キリのいいところまで終わらせたい」と考えていることはありませんか?

そうなってくると、在宅勤務かどうかはあまり関係の無いことで、もはや言い訳のようにも感じられます。

残業に慣れていると切り替えが難しい

残業に慣れていると切り替えが難しい

育休を取得した経験がある男性から、「仕事の効率が上がった」という話を聞くことがあります。

その理由として「時間までに終わらせるクセがついた」と言っていました。

育休だけでなく、保育園のお迎えを担当している人は、パパでもママでも必ず時間までに行かなければいけません。

小学生であれば、習い事に帰ってくるまでに夕食を準備しないといけないということもあるでしょう。

家庭の流れの多くは自分以外の誰かの都合に合わせることが多々あって、時間優先で動くことが基本です。

一方で仕事の場合は、もちろん定時はあるものの、どちらかというとその手がけている業務を終わらせることが優先されます。

今まで残業することが当たり前だったのであれば、その考え方は習慣的になっている可能性があります。

もしかしたら、考え方の中に「時間」よりも「業務」を優先する残業的な指向が残っているのかもしれません。

そして、時間によって最後まで仕事ができないことにモヤモヤしていたり、納得できていないところああったりするのかもしれません。

また、ちょっと厳しい見方をすると、家事育児についてどこかで「パートナーがやってくれる」もしくは「やってくれてもいいんじゃないか」と思っていることも想像できます。

もしも本当にその時間までに終わらせて取り組むべきものだと感じていたら、まずは時間までに終わらせる努力をしますし、終わらなくてもいったん手を止めて家事育児をするはずです。

そんなことはできないよ・・・という方もいますが、実は他のことだったら出来ている人が多いのです。

例えば、大事な会議があるとき、出張で明日からいないときなど、仕事の中で重要なことがあると、それまでに終わらせて、次のことに切り替えられると思いませんか?

仕事ではできているのであれば、家事育児でそれが出来ないというのは、向き合い方に差があると感じられても仕方ないこと。

「切り替える」ということを自己決定するには意志と覚悟が必要です。

もう一度、自分のオンとオフへの向き合い方、やり方をセルフチェックしてみてください。

ただ、時にはどうしても今やらなくてはいけない仕事がある場合もありますよね。

そんなときは、周りの人の助けを求めるのも方法の一つです。

仕事を部下や同僚に任せるのでもいいいですし、家事育児をパートナーに任せるのもいいと思います。

大切なのはそれを自己決定して、任せる人に対して、丁寧に伝えることだと思います。

家庭のことをやっていても仕事のことが思い浮かぶのは、仕事を頑張っている証拠でもあり、それ自体が悪い事ではありません。

なので、思い詰めずにうまく付き合っていく方法を考えてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • オンオフの切り替えは「出来ない」のではなく「していない」のかもしれない。
  • 仕事でできるなら、家事育児でもできるはず。
  • 家事育児と仕事、同じような向き合い方ができているか考えてみる。

今回は気持ちの切り替えに関する考え方でしたが、スパッと決めてできるかというとなかなか難しいという人もいるかもしれません。

個人的には、在宅勤務だとしても、家庭モードに切り替えるためにほんのちょっと散歩してみたりするような行動をとるのもいいのかもしれないと思います。

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また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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