妻が子供にブチ切れるのを何とかしたい...夫がすべきアドラー的対応

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妻が子供にブチ切れるのを何とかしたい...夫がすべきアドラー的対応

子どもってなんであんなに怒られるようなことをするのでしょうか?

妻が子どもに怒りすぎているのを見ると、「その叱り方はキツ過ぎないか?」と夫はちょっと複雑な気持ちになりますよね。

そんな時はどうしたらいいのでしょうか?

今回はアドラー心理学に基づくコミュニケーションの専門家でアドラー式子育ての熊野英一さんに、妻と子どもの両方に対する対応の仕方を教えてもらいます。

子育て悩みあるある、妻が怒りすぎる

子育て悩みあるある、妻が怒りすぎる

質問者
仕事が終わって家に帰ったら、ドアを開けると妻の怒鳴り声…。

いったい何が起こったんだろう?と考えつつも、思わず「そんなに怒らなくても」という気持ちが湧き上がります。

最近は、妻の娘に対する怒り方が強すぎると感じているのですが、妻と娘、双方に対してどのようにフォローしたらいいでしょうか?

皆さん、こんにちは!アドラー心理学に基づく子育てをお伝えしている、株式会社子育て支援の代表、熊野英一です。

今回取り上げるお悩み、まさに「子育てお悩みあるある」の代表的なものですね。

夫婦であれ、親子であれ、職場の人間関係であれ、ハッピーな対人関係を構築するには「自分の価値観を大切にしつつ、異なる他者の価値観も尊重する」ことが必須となります。

それでは、妻と娘、双方に対するフォローの仕方について考えてみましょう。

日本の戦国時代の武家や、大昔のヨーロッパにおける王家間の、当人の意向を無視した「政略結婚」ならいざ知らず、現代の夫婦は、お互いに惹かれあうところがあったからこそ、自分たちの意思に基づいて結婚することを選択したはずです。

でも、もとは他人同士の夫婦です。家族とは言え、すべての価値観がぴったり!とは、なりませんよね。

ここはひとつ、自分の正義や価値観は、そっと横において。

まずは、相手の関心に対して、自分も関心をもって、まるで幽体離脱して相手に憑依するくらいの気持ちで、妻の「怒り」を感じてみましょう。

そうです。

ブルース・リーの名言「Don’t think. Feel!(考えるな、感じろ!)」を思い出してみてください。

妻の怒りの「一次感情」を考えてみる

妻の怒りの「一次感情」を考えてみる

妻の目でその状況を見て、妻の耳で娘との対話を聴き、妻の心で感じてください。

これを、私は「共感ファースト」と名づけています。

あなたの価値観からすれば、娘にそこまで強い怒りをぶつけるという妻の行為に「同意」はできないかもしれません。

そのことは、あとで伝えれば良いのですが、まずは「共感ファースト」してみると、妻なりの正義や価値観に気づくことがあるでしょう。

  • 娘に立派に成長してもらいたいと願っている。
  • 娘に礼儀を学んでほしい。
  • 勉強や習い事などで成果をあげて達成の喜びを感じてほしい。
  • 娘が嘘をついたり言い訳したりするような人になって欲しくない。

それなのに、思い通りにならない!イライラ!

このようなイメージが脳内に湧いてきましたか?

以前もこのコラムでお伝えしましたが、怒りは「二次感情」と言われます。

つまり、怒りに至るその前に「落胆、心配、不安、寂しい」と言った「一次感情」があり、それが溢れ出た結果として「怒り」になっている、ということです。

「怒っている人」は、「一次感情をうまく伝えられずに、困っている人」と捉え直してみてください。

そうすれば、「そんなヒステリックに怒っても、しょうがないだろ!」などとダメ出しをして、事態を炎上させるような愚かな選択をしなくなります。

そして、

「どうしたの?怒りの手前の一次感情を教えてくれる?娘の言動のどんなことに困っているの?」

と「共感ファースト」をベースにした、適切なヒアリングをすることができるようになるでしょう。

このような丁寧なコミュニケーションができるようになると

「娘に成長を期待するその気持ちには共感できるよ。でもその気持ちを伝えたいなら、怒るよりも、効果的な方法があるかもね」

と伝えられます。

コミュニケーションの起点に、いつも「共感」を入れることで、その次に、自分の価値観に基づくアイデアを妻が素直に聞いてみようと思える状況を作れる可能性が広がるということです。

怒られた子どもへのフォローはどうしたらいい?

怒られた子どもへのフォローはどうしたらいい?

一方で、妻から感情的にこっぴどく叱られて、へこんでいる娘をどのようにフォローすれば良いでしょうか?

ここでもまずは「共感ファースト」を適用して、娘なりの正義や価値観に注目し、ありのままの娘の気持ちを受け入れてみましょう。

親としての評価・ジャッジは必要ありません。

まずは、インタビューに徹して、娘が充分に聴いてもらったとスッキリするまで聴き続けるのです。

その上で、満足した娘に対して

「では、今度は、ママの気持ちに共感してみたら、ママのどんな気持ちに気づく?」

と、娘が母である妻に「共感ファースト」することを提案してください。

「怒り」という感情を使って他者を操作することは、アドラー心理学では稚拙な行動であるとみなします。

「あなたがそんなことしていたら、ママが怒るのもしょうがないよね」などと、妻の怒りを正当化するような説得はオススメしません。

そんなことをしていると、やがて娘も自分の気持ちを相手に分からせるために怒りを使うことを正当化するようになります。

これでは、ハッピーな家庭は遠のくであろうことは容易に想像できるはずです。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • まずは妻に共感ファースト!
  • 怒る妻の一次感情を知る
  • 怒られた娘にも共感ファースト
  • 怒りを正当化しない

できるかな…と思う人もいるかもしれませんが、やってみましょう!

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また、熊野さんのアドラー式子育ての講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

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