朝起きない子供にイライラ。解決策は親が子供を起こさないこと...!?

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朝起きない子供にイライラ。解決策は親が子供を起こさないこと...!?

どんなに眠くても朝起きなきゃ...!

これは親も子供も一緒です。

自分は頑張って起きたのに、なかなか起きてくれない子供にイライラしてしまったことはありませんか?

今回はそんな子育てでよく起きる朝の問題について、親としてどう向き合ったら良いのか。

アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。

「子どもの朝起きない問題」に悩む人にある共通点

「子どもの朝起きない問題」に悩む人にある共通点

質問者
春から小学校に行く息子のことで困っています。

とにかく朝起きません。

こちらも会社に行く準備があるのでバタバタしているので、スムーズに起きてくれないと本当にイライラします。

どうしたらちゃんと起きてくれるでしょうか?

朝は朝食もあれば着替えもあるし、場合によっては前の日に出来なかった家事もあったり、とにかく時間がないものです。

そんな時に起こしても起こしても起きてこない子どもがいると、それはもうイライラする気持ちは十分に理解できます。

寝坊は大きくなったら治るわけではない

大前提として、まずは生活習慣を見直すことは必要です。

夜、遅くまで起きていることが当たり前になってしまい、シンプルに睡眠が足りなくて起きられないというケースもあると思います。

その場合は、早く寝ることを習慣にするなど生活リズムを整えることが必要でしょう。

また、充分な睡眠時間にはある程度個人差があるので、その部分も考慮する必要はあるかもしれませんし、体質などで難しいこともある程度考えられます。

ただ、一方で体質的に問題がなく、どんなに早く寝ても起きないというケースもあります。

今回はそういったケースについて考えていきましょう。

質問してくれたパパのお子さんは、これから小学校ということなので、未就学児。

まだ、小さいうちは仕方ない、そう思う人もいるかもしれませんが、人によっては年齢を重ねても変わらないことがあります。

中学生や高校生、いや社会人になっても起きないことがあって、頭を抱えている親はきっと日本中にいるでしょう。

どうやら単純に年を重ねることで治るというものではないようです。

なぜ、親は悩むのか?

とはいえ、日本中全ての親がこの問題を抱えているか?というとそうではありません。

考えてみれば当たり前のことですが、時間通りに起きる人もいます。

というか、むしろその方が多いはずです。

実は、この「朝、子どもが起こしても起きない問題」で悩んでいる親には、子どもの年齢にかかわらず共通点があります。

それは「親が毎朝子どもを起こしている」ということ。

これもまた当たり前のことですが、そもそも朝起こさなければ、悩むこともありません。

しかし、起こさないと保育園や学校に遅刻してしまうし、遅刻が多いのはいいことではないし、子どものためにと考えるとやっぱり起こさないといけないと考える人が多いでしょう。

その結果、子ども自身は「自分で頑張って起きなくても、結局親が起こしてくれる」と、甘えてしまっている可能性は十分に考えられます。

特にある程度自分のことができる小学生以上の場合は、かなり可能性が高いでしょう。

そこに本人の自覚があるかどうかは別として、少なくとも「自分で時間通りに朝起きる」ということに対してのプライオリティは低いはずです。

じゃあ、どうしたらいいのでしょうか?

子どもを「起こす」以外の方法はないか?

子どもを「起こす」以外の方法はないか?

悩みたくなければ起こすことをやめてみるのが、もっともシンプルな方法だと思います。

遅刻して困るのは子ども自身

アドラー心理学では、何か課題があるときに、それは誰の課題であるかを分けて考える「課題の分離」という考え方があります。

「子どもが起きなくて遅刻してしまう」という課題は、それで困るのが子ども自身なので、「子どもの課題」です。

自立が子育ての目的だと考えるアドラー心理学では、子ども自身が自分の課題を解決できるようになることを目指すので、そもそも朝起きられない課題は子ども自身がなんとかしないといけないもの。

それに対して、親が朝起こしてしまうというのは「子どもの課題」に親が足を踏み入れてしまっている状況だと考えます。

とはいっても「子どもの成績が下がってしまうことなどが心配」と考えるのは「親の課題」。

親自身の心配を払拭するために子どもの課題に入っていいということではありません。

なぜなら結果的に子どもの課題が解決されないからです。

また、親が「子どもを起こすことが自分の役割」と思い込んでいるケースもあります。

もちろん、子どもが健康な生活を送るためにサポートすることは親として大切なことかもしれません。

ただ親は子どもの目覚まし時計ではありません。

自ら努力や工夫をして起きられるようになることが自立だと考えるのであれば、「子どもを起こすこと」ではなく「自分で起きられるようにすること」が親の役割ではないでしょうか?

同じ目的に向かって話し合ってみる

課題を親と子で分離したら、もう一切サポートしないかというと、そういうことではありません。

それぞれの課題を理解した上で「共同の課題」を考えて、一緒に取り組んでいくことはOKです。

なので、まずは親子でこの朝起きられない問題について話し合ってみることをオススメします。

その時に大事なのは、子ども自身が「朝起きられるようになりたい」と思っているか?

つまり本人が改善を望んでいることが前提です。

その上で、親に対してサポートしてほしいと言った場合に、共同の課題として取り組むことがスタートします。

そうでないと、結局起きられなかった時に親のせいになってしまうことが考えられるからです。

また、親がサポートする方法が「朝起こす」ということでは、まったく前に進んでいません。

例えば、「子どもの財力では買うことができない大音量の目覚まし時計を買ってあげる」とか「夜、決めた寝る時間になったら家の電気を暗くする」といった協力の仕方もあるでしょう。

方法はどんなものでもいいですが、「子どもの課題」を「子ども自身が解決する」ためのサポートであることを考えてみてください。

もしかしたら改善するまでに時間がかかるかもしれませんし、おそらくそんなに簡単にできるようにならないことの方が多いと思います。

それでも粘り強く続けてみてください。

すべては子どもが自立するためだと思って。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 朝、子どもが起きないと悩んでいる親は、子どもの課題に踏み込んでいる
  • 朝起こすことをやめたら、悩むことはなくなる
  • 子どもと話し合って、一緒に解決するための「共同の課題」として考える

正直なところ、親だってもっと寝ていたいと思うことはたくさんありますよね。

そんな中で頑張って起きているからこそ、起きない子どもにイライラしちゃうのかもしれません。

課題を分離することで少し客観的にみられるようになると、そこ部分は少し余裕ができるかもしれませんね。

また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

パンク町田

1968年 東京生まれ。NPO法人生物行動進化研究センター 理事長
アジア動物医療研究センター センター長

昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったありとあらゆる生物を扱える動物の専門家であり、動物作家。
野生動物の生態を探るため世界中に探索へ行った経験を持ち、3,000種以上の飼育技術と治療の習得を生かした執筆はベストセラーを生み出す原動力となっている。
また、オールラウンドな犬種を扱うことができる犬の訓練士でもあり、愛玩犬のしつけから、猟犬、バンドッグの訓練も行う。独特のキャラクターでテレビ出演も多数こなす。
その他、動物関連での講演、執筆など多方面で活躍中。

パンク町田オフィシャルサイト:https://ultimateanimalcity.info/

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