子育てを始める前に知りたかったことってたくさんありませんか?
地域の保健センターや産院などでプレパパプレママ向けに開催される両親学級もありますが、そこではどんなことを学ぶのでしょう?
子育て中の父親たちが、実際に両親学級に参加して感じたメリットは何か?
逆に実際に子どもが生まれて思った、早く教えてほしかったことはどんなことなんでしょう?
公式LINE「パパしるべ総研」のパパたちに率直な声を聞いてみました。
両親学級に行って良かった父親は6割以上
以前から子どもが産まれる前にいろいろな情報を得ることは大事だと言われながら、両親学級はなかなか開催が増えてきませんでした。
その状況はコロナ禍で開催が減ったことでさらに厳しくなっているように感じています。
そこで今回は、その実態とどんな両親学級が求められているのかを知るためにアンケートを実施しました。
まずは、実際に両親学級にはどのくらいのパパが参加しているのかを聞きました。
両親学級に行きましたか?
- 行った:75.7%
- 行ってない:24.3%
今回は4人に3人は行っている状況で、かなり割合は高かったです。
「行ってない」と答えた人の中でも理由を見ると「スケジュールが合わなかった」「予約がとれなかった」「そもそも実施がなかった」がほとんどでした。
ただそれは、こういったアンケートに答えてくれるくらいの子育てに前向きなパパが回答者の中心であることに少なからず関連があって、きっと一般的なパパの全体論ではないかもしれません。
では、そんな前向きパパたちは、どのくらい「行って良かった」と思っているのでしょうか?
行って良かったと思いますか?
- 大変良かった:42.9%
- 良かった:25.0%
- どちらでもない:21.4%
- 良くなかった:7.1%
- 全然良くなかった:3.6%
両親学級に行って「良かった」以上が7割以上。
その理由を見てみるとこんな声がありました。
大変良かった・良かった
- 産後のママの愛情曲線を知ることができたこと
- コロナ禍で中々開催がない中、コンビが主催した両親学級に行きました。お着替えやおむつの交換、沐浴、ベビーカーに触れるなど、オンラインでは得られない実体験がよかったです。
- (産院での両親学級です)妻と足並み揃えて、出産について、子どもとの向き合い方を詳しく知ることができたため。
- 一つ一つの体験もそうですが、父親になる自覚をするステップとして良い機会だと思います。
- 沐浴のやり方や、妊娠している奥さんへの気遣いや子育ての考え方を教えてくれたから、とても勉強になりました。
- 意識が高まったと思います。また妻にも安心感を与えられたかもしれません。
- 自分の知らない世界を、事前に知ることができた。
- 予防接種に計画が必要と新発見したので。
- 沐浴のやり方、妻の妊娠中の身体について知ることができたから
どこまでも前向きな声が並びます。
一方で「どちらでもない」以下の人たちのコメントを見てみると…
どちらでもない
- 基本的に既知の情報が多い。
- コロナ禍だったこともあり、おむつの変え方や沐浴の仕方などをオンラインで見ただけでした。結局実家から妻が帰ってきた際に妻に教えてもらったので今思うとあまり参考にならなかった気がします。
- 知識として学べたのは良かったが、出産前なので実感が伴わなかった。
良くなかった・全然良くなかった
- コロナの影響で講義形式のみの開催で交流もなかったため。
- 実際に産まれた後に産後クライシスや夫婦の役割分担など知らずに困ることが多かった。
「既知の情報が多い」という声については、前向きなパパだからこその感想かもしれません。
また、昨今のコロナ禍もまた満足度が上がらなかった要因の一つのようです。
そして、「どちらでもない」以下のコメントについては多かった声がありました。
- パパ目線の言葉がほとんどなかった。(良くなかった)
- ママ向けの内容なんだなと思いました(どちらでもない)
- 妊産期を体験しない男性に特化したプログラムや、男性だからこその主体的育児についてのアドバイスが不足していた。講師も女性だけだった。(どちらでもない)
開催した施設にもよりますが、そもそも出産の当事者である女性に向けた情報が多くなりがちであることは否めないようです。
僕(編集長)は以前、自治体の両親学級で講師をしていましたが、男性の講師であることに驚かれたこともあったり、職員の方も「珍しいですね」と言われたりすることが多かったです。
情報の内容に差がなくてもその目線が、男性と女性では少し違う部分もあると思うので、そういった部分は配慮が必要なように感じます。
両親学級に参加したメリットと、もっと知りたかったこととは?
もう少し詳しく内容についてみていきましょう。
まずは、参加したパパが教えてもらって良かったことはどんなことだったのでしょう。
両親学級で教えてもらって良かったことはなんですか?
- 1位:妻の体調の変化
- 2位:沐浴など実技指導
- 3位:出産がいかに大変か
- 4位:妊婦体験
- 5位:妻の精神的な変化
- 6位:産まれた赤ちゃんの体のこと
- 6位(同率):産前にパパがした方がいいこと
- 8位:新生児の子育てのスケジュール
- 9位:新生児の子育ての注意点
- 10位:出産前に準備するグッズについて
- 11位:育休などの制度について
やはり男性から見て、体調、精神的ともに出産する妻の変化を客観的に知ることをよかったと感じる人が多いのは納得のところでしょう。
また、沐浴については、生まれた直後から必要な情報であり、先輩パパたちがこれだけ上位にあげていることからも実際に役に立ったというケースが多いのだと思います。
ちなみに、その他にはこんな声がありました。
- パパ自身のメンタルケアやママが里帰り中にパパができること。
- 赤ちゃんの泣き声をラジカセで聞かせてくれて、「想像以上に泣き声は大きいのでびっくりしないでね」と言ってくれたこと。
- 一般的な妊娠・出産の経過について。
赤ちゃんの泣き声!録音とは言え実際に聞かせてもらうのはリアルさが伝わることでしょう。
「一般的な妊娠・出産の経過」に関しては、おそらく保健体育などで一度は習っているのかもしれませんが、やはり学生時代では自分事とは思いにくいこともあって、こういったタイミングで改めて学ぶ必要はありそうです。
一方、もっと教えてほしかったことにはどんなことがあるのでしょうか?
両親学級で教えてほしかったこと
- 1位:産前にパパがした方がいいこと
- 1位(同率):妻の精神的な変化
- 3位:新生児の子育てのスケジュール
- 3位(同率):育休などの制度について
- 5位:新生児の子育ての注意点
- 6位:出産がいかに大変か
- 7位:妻の体調の変化
- 8位:出産前に準備するグッズについて
- 9位:産まれた赤ちゃんの体のこと
- 10位:妊婦体験
- 10位(同率):沐浴などの実技指導
前出の教えてもらってよかったものとはだいぶ順位が違います。
印象的なのは、やはりパパがアンケートの対象だったこともあり「産前にパパがした方がいいこと」が1位だったこと。
つまりはそれだけパパに向けた情報が足りないと感じている人が多いということだと思います。
また3位の「新生児の子育てスケジュール」は産後のサポートにはとても重要なことで、その後子育てに直面した時に必要になった情報だと思います。
すぐに使うという意味では「沐浴」に通じますが、その情報が足りなかったということでしょうね。
同じく3位の「育休などの制度について」は新しい制度が施行されたばかりの今を象徴しているように感じますが、企業ごとの状況にもかなり寄ってくるのが両親学級でどこまで伝えられるかが難しい部分かもしれません。
その他にはこんなコメントがありました。
- こんにちは赤ちゃん訪問やxか月診断の説明。
- 産前産後1年のことは、一生覚えていること。
- 出産、産後の必要が情報をインプットした上で、夫婦でどのような子育て、仕事の仕方をしていくのかを夫婦で話し合うことの重要性について(育休の取得要否を含めて)。
- おすすめのアプリ、サイト。
「産前産後1年のことは、一生覚えていること」これは本当にそうだと思います。
人は大変な時ほど印象に残るそうですが、産後の妻にとっては体力的にも物理的にもかなりきつい期間なので、パパよりもきっとよく覚えていることだと思います。
もちろん、男女ともに子育てという新たな体験であり、しかも新生児の成長スピードの早さもあるので、この1年の濃さについて、事前に伝えておきたいですし、知っておきたいですよね。
またその他に多かったのがこのような声。
- リアルなナマの声。
- 可能であれば人形ではなく実際に先輩パパママとその赤ちゃんも一緒に参加してもらって、実際に触れる体験や生の声があると良かった。
- 教わる、という一方的な関係ではなく、交流型の学びの場であってほしい。
今のご時世ではなかなか難しい部分もあるかもしれませんが、リアルは大事ですよね。
先輩パパママがでもるケースとして参加できるシステムがうまくできたら本当に有益なものになりそうです。
続いて、良くも悪くも印象に残っていることについてのコメントです。
まずはいい印象の方から。
- 生命の大切さ、妊娠の大変さ、神秘さを学びました。死産だけれども自然分娩を選択された方の出産、写真は笑顔でした。生まれてくるのは当たり前ではない、そして、どんな形でも生まれてくることは幸せなんだと感じました。
- 予定日とは何か、妊娠何週ぐらいで出産する人が多いか、陣痛が来てから生まれるまで一般的にどのぐらいかかるかといったことを病院のデータをもとに説明してもらったのが分かりやすくて印象に残っています。
- 両親学級で知り合ったひとといまだに年賀状が続いている。
- 沐浴体験で参加していた男性がすごく手馴れていてかっこいいと思った
ここからはちょっとネガティブな印象。
- ひと通り教えてもらったような気がするが、妊婦体験以外ほぼ印象にない。
- もう5年前なので覚えていない
- 実際の内容はほとんど今となっては思い出せないです(-_-;)
元講師としてはすごく悲しいことですが、やっぱりそうなんでしょう…。
そして、ここでもパパ少ない問題が。
- パパが自分だけ。
- パパ参加は少なくて、ちょっと場違い感があったこと。
- 何しろ居心地が悪かった。
地域や主催によって変わると思いますが、夫婦両方参加がマストなものもある中で、自由参加になるとパパが少なくなるケースもあるのかもしれませんね。
また、積極的に参加したにも関わらずこんな経験をした人も。
- 重りをつけて買い物袋を両手に持たされ踏み台を何度も登り降りをさせられ、「奥さんの気持ちわかった?どう?大変でしょう?」と強く詰められた事。
- お腹の重さを体験するだけの妊婦体験は良くない気がする。妊婦の大変さはそれだけじゃないし、それだけで分かった気にさせてもいけない。そもそもあんな一瞬じゃ何が大変かよく分からなかった……。
実は、僕の周りにも両親学級に関して嫌だった思い出を持っている人は少なくはなく、その多くがこのようなことが印象に残っていることでした。
この辺りは次の「両親学級への要望」にも通じています。
男性から聞きたい!パパたちの両親学級への幅広い要望
では、内容だけにとどまらないパパたちの要望についても見ていきましょう。
両親学級への要望
- パパのリアルを知りたい。出産してもパパはスイッチが入りにくい、父親のOSをいれてしまうなども伝えてほしい。既存の両親学級はママがどれだけ大変かしか伝えてないので知識で終わってしまうのでパパのリアルな感情をいれたい。
- パパへの正しい情報のインプット、企業内での父親学級(就業時間内に企業が行うことで父親が参加しやすい)夫婦が丁寧な対話で物事を解決することの大切さを説いて欲しい。
- ボロボロ建物の保健センターで開催していた記憶があります。音声の再生はラジカセ、使っている機械も古く、プログラムも昭和の時代から変わっていないんじゃないかな・・・と感じていました。もう変わっているかもしれませんが。また、男性が参加することが珍しかったのか、非常に入りにくい雰囲気でした。先輩パパが居てくれたら良いなとは思いました。
- 育休を取った経験があるパパが講師としていたら良いと思う。
- 開催時間などを考慮しながらも、父親の受講を義務とか強い推奨にすれば良いと思います。
- 男性へのあたりをもっと優しくしてもいいかと感じました。
パパのリアルな感情、幸い僕は入れさせてもらってきましたが、やはりそこは男性講師が増えないと難しいのかもしれません。
しかもその男性講師がパパだともっと経験を伝えることができるので、そこは課題でしょう。
- 夫婦関係について、産後のママの変化もふまえて教えてほしい
- 妻の事をもっと好きになれる。子供を持つことに希望が持てる内容。
- 妻側と夫側で、双方の考え方や意見などのギャップを感じられる会。
- 子育てが楽になる考え方。発育とかあまり神経質にならなくていいよ、というよう
- 両親学級の中に、家族同士の座談会があれば子どもが同学年なので仲良くなれるかも。
夫婦に関する情報や心構えへの要望もかなり多かったですね。
きっと先輩パパたちはここでも苦労したということなんでしょう。
- ネットに情報が溢れているので、正確で根拠のある情報を教えてほしい。
- 育休制度の解説と啓蒙が必要だと思います。
- 急な怪我、事故、病気に対しての応急処置や人工蘇生、嚥下障害処置など、乳児だけでなく家族を守るための実技講習。
- 土日開催、オンライン開催があれば参加しやすいです
- 平日と休日の両方で開催するなど参加しやすい日時設定。
他にはこんな声が届きました。
やはり土日開催への要望は強いですね。
男性だけでなく産休に入る前の女性にとっても、平日は正直厳しいところだと思うのでここはもっと増やしてほしいですよね。
最後に、ちょっと遊び心のつもりでこんな質問を入れました。
こんな両親学級はイヤだ
すると、こんなコメントが…
- この設問、ボケを期待されてるのか、両親学級の良くない点の本音を聞きたいのか意図が分かりません。
言葉足らずでごめんなさい。実際は大喜利方向での質問でした。
そして、大喜利的な回答もいただきました。
- お互いの両親も一緒に参加(ある意味アリかも)
- 講師が実は家庭では育児に非積極的。
- 授乳四十八手をマスターしないと帰れない
- 新生児が講師な両親学級。
- 先生が最後にチップを要求してくる。
意図をくんでくれた皆さんありがとうございます。
一方で、リアルにこんなのはイヤ!というものもたくさん届きました。
- お父さんも手伝ってね、的なやつ。あとパパ向けの内容はペラペラとか。
- ママのことしか話さない。パパが参加したら「いいパパですね」と言われる。
- ママへの配慮が足りないとパパと責めまくる両親学級
- 事務的に講義される。男性はやらない体で語られる。
- みんな何とかなってる!大丈夫!としか言わない講師。
- なんとなく正解を押し付けられる感のある両親学級
- 価値観押し付け。きびしい。
- 理想の押しつけ
- 子育てとはこうあるべきだ!と強制させられる雰囲気
うーん、これは本当にイヤですよね…
パパに対しての扱いもそうですが、何よりこれからスタートするこの段階で「押しつけ」は本当に困りますが、実際はそういう経験をした方も結構いるのかもしれせん。
皆さんのご協力のおかげで、様々な課題が浮き彫りになってきたように感じます。
とにかくパパに向けたパパ目線の両親学級が少ないことはよくわかりました。
子育てに関わるパパはこれから今以上に増えてくることが考えられる中では、そこをフォローできる両親学級のニーズは高まるのではないでしょうか。
今回もご協力いただき、本当にありがとうございました!
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