妻や夫の不機嫌が限界...!夫婦の不機嫌ハラスメントの対処法とは?

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妻の不機嫌に限界...!夫婦の「不機嫌ハラスメント」の理由や対処法とは?

長い時間をともに過ごす夫婦。

そりゃ互いに気持ちのアップダウンはあるものです。

でも、家庭の中に不機嫌な人がいると空気も特に悪くなるし、なんとかしたいですよね。

今社会問題にもなっている、「不機嫌ハラスメント」の理由と対処法について、アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。

ポイントは不機嫌になる前段階にあるようです。

妻だけが不機嫌なわけではない

妻だけが不機嫌なわけではない

質問者
とにかく妻が不機嫌になりがちで困っています。

指摘すると「あなたも不機嫌じゃん!」と逆ギレされる始末。

こっちは妻が不機嫌だから、腹が立っているだけなのに。

もはやこれは「不機嫌ハラスメント」じゃないでしょうか?

何か対策できることはあるのでしょうか?

まずはいろいろお疲れ様です。

感情の起伏と付き合っていくことは、夫婦だけでなく人間関係の課題。

ただ、お互い人間である以上、逃れることができないものですから、上手な付き合い方を考えていきましょう。

以前は不機嫌な夫に妻が気を遣っていた

「不機嫌ハラスメント=フキハラ」という言葉は、最近よく聞かれるようになった言葉です。

理由も言わず、不機嫌になることで周りの人たちに気を遣わせるなど、その場の空気を悪くするハラスメントのことを指すようです。

もともとは職場など仕事関連で注目され、それが家庭内にもあると言われるようになりました。

家庭内に目を向けた時、メディアなどで取り上げられることが多いのは「妻の不機嫌」

実際に、家族社会学の山田昌弘教授が行った夫婦の家庭生活における「パートナーの親密関係の変容に関する実証研究」によると、「相手が不機嫌になった時、自分が謝ったり、ご機嫌をとったりする」と答えたのは、25~34歳の夫が最多で43%

全体的に見ると「不機嫌になる」と自認している割合は夫より妻が多いようです。

またパートナーが不機嫌になった時の対応は、若い世代ほど、妻より夫の方が謝ったりご機嫌を取ったりするケースが多いということです。

「夫婦喧嘩は夫が謝る方が波風が立たない」という感覚は今やデフォルトという印象です。

しかし、ちょっと前の時代を振り返ってみると、高度成長期など妻が一歩下がって夫を支えることが美徳だったころは、不機嫌な夫に気を遣う妻の姿が多いものでした。

そこから夫婦どちらかが我慢するのは健全ではないという風潮から、その状況は変わってきましたが、いつの間にかパワーバランスが逆転し、いまや「不機嫌な妻、その機嫌を取る夫」という構図が出来上がってきたようです。

不機嫌になることは夫婦ともに自然なこと

以前もパパしるべでお伝えしましたが、まったく感情の起伏がない人はいません。

それは妻も自分も子どもたちも。

だとすると、不機嫌になること自体をどうにかしようとしてもあまり意味がありません。

いわば妻も自分も「大自然」のようなもの。

天気が崩れたときに文句を言っても仕方ないので、傘をさすなどの対策をすることが大事です。

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今回の質問でも、まるでママの方だけが機嫌が悪いような言い方になってしまっています。

それに対して、そっちも機嫌が悪いと返されていますが、まさに原因はどうあれ、お互いに機嫌が悪い状況です。

そのうえで、「どっちのせいか?」とか「どっちの方が機嫌が悪いか?」という戦いほど意味のないことはないでしょう。

自覚があるかどうかは別として、少なくとも人間である以上、ある程度の不機嫌は仕方ないところだとお互いに認識する必要はあると思います。

つまり、この問題は「妻の不機嫌をなんとかしたい」という夫の悩みを解決するというよりも、「いかにして夫婦ともにご機嫌で過ごし、どちらかが不機嫌モードに入ってしまったときはどう対応するか?」というスタンスで考えましょう。

夫婦の不機嫌に対応するために必要な2つ

夫婦の不機嫌に対応するために必要な2つ

その1:機嫌がいい時に対策を練る

今、おそらく皆さんがこの記事を読んでいるときは、この夫婦の不機嫌争いを冷静に考えることができると思います。

ただ、それが当事者となり、その現場ではできないもの。

だからこそ、不機嫌になってからどうにかしようとするのではなく、お互いに不機嫌になってしまったときはどうしょうかと話し合っておくことをオススメします。

ちょっと散歩に出る、違う部屋で一人になる、お風呂に入る、おいしいものを食べる、などなど少しでも気をそらすことができる方法はいろいろありますが、効果的なものは人それぞれ。

ただ、それをお互いに把握しているケースは少ないと思います。

また、気をそらす方法はひとつではなく、第3候補くらいまで用意しておくといいと思います。

日によって効果にはムラがあって、せっかく事前に決めた方法を試してもうまくいかないときに「これをしたら少しおさまるんじゃなかったの?」とまたイライラしちゃいかねないからです。

その2:不機嫌はとても効率が悪いことを認識

冷静な時はわかることですが、不機嫌になるだけで解決できることはほとんどありません。

不機嫌圧力を受けた人が、あれかこれかといろいろな方法を試してご機嫌を取ろうとして、多くの場合は失敗してより悪化するわけです。

本当のところは、不機嫌になったとしても、なぜ不機嫌なのか?どうしたらそれが収まるのか?(もしくは少し軽くなるのか?)

人の心は察することができない以上、人間が持っている最大のコミュニケーションツールである「言葉」で伝えた方が、解決は早いはず。

せっかく話しているのにこっちを見ていなかったから

やってほしいのにやってくれなかったから

やってほしくないのにやったから

などなど、不機嫌の元はたくさんあります。

でも、なぜかそれを伝えないために、ただただ全体の空気が悪化します。

「私はこうしてほしい」ということを言葉で伝えた方が、少しでも前に進むことには違いないはずです。

だからこそ、互いに相手の不機嫌ハラスメントにイライラするくらいであれば、まずは

何も言わず不機嫌になって察してもらおうとするのではなく、感じていることを伝え合おう。その方が効率はいいよね。

」と、共有しておきましょう。

結局一番大事なことは、言い合える関係

2つの方法は、いずれも機嫌がいい時に話し合うことがベースとなります。

こういう話をすると、よく言われるのが「なかなかそういう話し合いができない」という声。

そう、まずは、話し合える関係性、言いたいことを言い合える関係を築くことが第一歩なのです。

そのために必要なのは日ごろから相手の話を否定せずに聞くこと。

どうせ行っても無駄と感じさせないことです。

大事なことだけでなく、本当に何気ない雑談を重ねて、聞く習慣をつけることから始めてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 不機嫌はお互い様。誰でも不機嫌になることはあることを認識する
  • 機嫌がいい時に、不機嫌になったらどうするか考えておく
  • 機嫌がいい時に、不機嫌で訴えることは効率が悪いことを認識する
  • とにかく話し合える関係を築くために、日々話を聞くことを心掛ける

そもそも日本人は雑談が苦手だともいわれますし、それが夫婦となるとさらに苦手に感じている人も多いと思います。

でも、苦手だからといって何もしないで相手の不機嫌を憂うくらいだったら、まずはあまり考えずに無駄話を投げかけていってみてはどうでしょうか?

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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