子育てに大切な自己肯定感。低いと感じる人の原因に実は誤解があった!?

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子育てに大切な自己肯定感。低いと感じる人の原因に実は誤解があった!?

先日パパしるべで行ったアンケートで、パパたちの実に7割以上が「自己肯定感が低い」と感じていることがわかりました。

なぜ自己肯定感は低くなりがちなのでしょうか?

アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんに分析してもらったところ、多くの人が自己肯定感が低いと感じる、意外な原因が見えてきました。

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自己肯定感が高いってどんな状態?

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質問者
子どもの頃から自己肯定感が低くてネガティブ志向なことに悩んできました。

子育てをするようになって、これが子どもにも影響するのではないかと心配です。

周りにいる自己肯定感が高い人が羨ましくて仕方ない今日この頃です。

様々な調査の中で、日本人は自己肯定感が低い人が多いことは知られています。

なので、同じような悩みを持っている人はきっとたくさんいると思います。

ただ、そもそもみんな本当に自己肯定感が低いかというところにはちょっと疑問があります。

改めて自己肯定感とはどんなものか?一緒に考えていきましょう。

イチローさんは自己肯定感を「気持ち悪い言葉」と表現

以前、テレビ番組である芸人さんがこんなことを言っていました。

「自己肯定感が高い人が作るものはクオリティが低い。自己肯定感が低い人の方が不安を減らすために突き詰めるからクオリティは上がる」

また、メジャーリーグでも活躍したイチローさんはインタビューの中で

「自己肯定感って自分としては気持ち悪い言葉だと思う。自分を肯定するのはものすごく抵抗があり、いつも自分がしていることに疑問符をつけている」

「今の風潮だと、自己肯定感の高い人たちは明かにダメなのに否定されない。そうなると、自分でも振り返らない、良いことしか考えない。第三者からも厳しい言葉を言われないのでいいことだと思えない」

という趣旨の発言をしています。

両者とも概ね近いニュアンスの事を言っていますが、おそらくこれらの発言を聞いて、なるほど、と思う人もたくさんいると思います。

ただ、両者の発言について言えば「自己肯定感が高い」ということを誤解されているように感じます。

“肯定=自分が正しい”ではない

自己肯定感が高い人は自分が正しい、間違っていないと感じていて、それを押し付けてくる、また周りから間違いを指摘されても認めない、そんなイメージもあるかもしれません。

ある種、言葉のあやというものかもしれませんが、「肯定」というと、「正しいと考える」ように捉えるかもしれませんが、本来の意味としては「認める」というニュアンスに近いものです。

「自分を認める」ということは、決して優れている状態だけに使うのではありません。

苦手なことがあったり、うまくいかないことがあったりしても、自分のありのままの現状にちゃんと向き合い「それが自分である」ことを認めること。

ただ、そういうと「結局自分はダメだけどそれが自分なので仕方ない」と諦めるような感じで受け止める人もいると思います。

芸人さんやイチローさんの発言はまさにそういう受け止め方で、向上心が欠けているイメージだと思いますが、そういうことでもありません。

「自分はこんなにできる!」「自分はこんなに正しい!」と独りよがりに勘違いしないでありのままの自分を認めた上で、「自分ならできる」「やってみよう」と行動することができる人こそが「自己肯定感が高い」ということ。

つまり、向上心はむしろ高く、ワクワクしている状態なんです。

比べる相手は「なりたい自分」と「昨日の自分」

比べる相手は「なりたい自分」と「昨日の自分」

自己肯定感が低いと感じている人の傾向

あなたの自己肯定感が高い人のイメージってどんなものでしょうか?

「自分大好き」「いつもポジティブ」「なんでもできる」「キラキラしている」etc…

きっとこんな人が浮かぶでしょう。

そして、そんな人と比べたら自分はダメだ、劣っていると感じてその結果、自己肯定感が低いと感じているのではないでしょうか?

でも、考えてみればこれは「自己肯定感」というより、「劣等感」に近いように感じます。

皆さんご存じの通り、何か関して自分よりもできる人、優れている人はたくさんいるものです。

そして、その結果、自分ではその人に追いつけない「どうせ自分なんて」と感じ、失敗を恐れてチャレンジをしないことを選ぶ人こそ、本当の意味で「自己肯定感が低い」と思います。

自己肯定感を高めるには

とはいえ、人は比べてしまうものです。

大人になるまでにテストやスポーツなどの成績で比べられることも多かったはずなので、なおさらそうなりがちです。

であれば、比べる相手を変えてみてはどうでしょう。

どこかにいる誰かと比べるのではなく、「自分」と比べるのです。

まずは「なりたい自分」と比べること。

これは理想を考えた時に、今の自分は何が足りなか?その理想に近づくためにはどうしたらいいか?と足りない自分を諦めずに取り組んでみましょう。

そして、もう一つ比べていいと思うのは「昨日の自分」です。

理想に掲げたなりたい自分になるのはそんなに簡単なことではありません。

それでも、前向きに取り組んでいくためには、ほんの少しでも昨日の自分よりも進めたと感じられることが大切です。

目指すは毎日自己ベスト!たとえ、ほんの少しであっても、続けていくと時間が経って振り返った時にいつの間にかものすごく進んでいることになります。

失敗してもOK!

「自己肯定感を高める=ありのままの自分を認める」

ということを考えられるようになると、失敗への恐怖は軽くなると思います。

なぜなら、できない自分も認めることができるようになるからです。

「できないからやめる」のではなく、「できるようになるためにやってみる」。

アドラー心理学で言うところの「勇気」がある状態です。

そして、パパやママが「できないことを憂う」のではなく、いつもワクワクしながらやってみようと取り組んでいたら、その姿を見て育つ子どもはきっとなんでもワクワク挑戦するクセがついていくと思います。

改めて、本当に自分は自己肯定感が低いのか?

見直してみた上で、ありのままの自分を認めて、なりたい自分に向かって進んでみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 自己肯定感は、自分は正しい、自分はできると独りよがりに肯定することではない
  • 他者と比べて、自分はダメだと感じることは自己肯定感が低いのではなく劣等感が強い
  • なりたい自分」「昨日の自分」と比べるのはOK!少しずつ進んでいきましょう!

世の中で考えられている「自己肯定感」には、いろいろな誤解があることがわかったと思います。

そう考えると先日のアンケートで「自己肯定感が低い」と答えた人の中には、実はそんなに低くない人もいるかもしれません。

「自己肯定感」という言葉の意味をぜひもう一度考えてみてください。

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