仕事行きたくない時はどうする!?アドラー専門家が伝える3つの対処法

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仕事行きたくない時はどうする!?アドラー専門家が伝える3つの対処法

「ほぼ毎日仕事に行きたくない人が約半数」「行きたくないと思っていても休む確率0%が約半数」。

先日のパパのホンネアンケート「仕事に行きたくない時」でわかった衝撃の結果。

パパたちの厳しい現状について、何か対処法は無いかどうか。

アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんに、この現状の問題点と少しでも状況を変えるための心構えなどアドバイスを聞きました。

▼アンケート結果はこちら

仕事に行きたくなくなるパパの深層心理にあるもの

仕事に行きたくなくなるパパの深層心理にあるもの

アドラー式子育ての熊野です。

今回のアンケート結果にはとても驚きました。こんなにもパパたちは追い込まれている状態なのかと感じています。しかし、アドラー心理学は未来志向。現状を憂うのではなく「じゃあここからどうするか?」を前向きに考えていきます。今回はそのために必要な要素としてアドラー心理学が示す「幸せの3条件」

幸せの3条件

  1. 他者信頼
  2. 他者貢献
  3. 自己受容

と今回のアンケート結果をすり合わせてお伝えしていきます。

「他者信頼」で「忙しすぎる」を軽減

パパたちの「会社に行きたくない理由」で1位だった「仕事が憂鬱なとき」の中で、具体的な理由として最も多かったのが

「忙しすぎる」

でした。

この「忙しすぎる」は言い換えると「自分らしいペースでできていない」ということだと思います。

仕事に限らず人は自分らしくいられないこと、つまり無理をしている状態はストレスになります。

反対に言えば、どんなに仕事が多くても自分らしくいられていると感じられればあまりストレスになりません。

なので、この状況は仕事の量を自分でコントロールすることが出来ずに「振り回されている」と感じているのではないかと思います。

多くの人が関わり、会社の事情や方向性など仕事には複雑な要素があるので、コントロールが難しいことがたくさんあるものです。

ただ、コントロールすることが絶対不可能か?というと、そうではないケースもあると思います。

単純に業務の量がキャパオーバーであれば、他の人に頼むことも選択肢のひとつですし、そもそも振られた時点でこれ以上は難しいと伝えることもできるはずではあります。

しかし、それはあくまで理論上の話で「周りの人も忙しそう」「できないといったらみんな困るはず」と察してしまい、できないと判断することも多いでしょう。

とはいえだからといって、全てを抱え込んでしまうことはいつか続かなくなってしまう恐れがあります。

幸せの3条件その1

アドラーが示す幸せの3条件のひとつ「他者信頼」は「周りの人を不信の目で見ずに、人は自分の仲間であると無条件に信じること」としています。

自分がキャパオーバーな状況で精神的にも辛いのであれば、まずは周りの人を信じて頼ることをやってみてはどうでしょうか?

もちろん、そのことで必ず負担が軽減できるかはわかりませんが、少なくとも察しているだけの状態は、「きっと断られる」「頼ってはいけない」という思い込みの範疇を越えません。

もしかしたら少しだけでも引き取ってもらえるかもしれませんし、例え断られたとしても、事実として納得した上で進むこととなれば精神的には違うと思います。

モチベーションに繋がる「他者貢献」の重要性

事が憂鬱な具体的な理由として「忙しすぎる」に次いで多かったのが

「やりがいを感じない」

でした。

言うまでもなく「やりがい」は生きていくために重要なものですが、仕事においてはこれが退職理由の上位に常に入るほど大きな要素となっています。

幸せの3条件その2

幸せの3条件のひとつ「他者貢献」は、「誰かの役に立っていることを感じ、自らの価値を実感すること。ただし自己犠牲ではない」としています。

つまり「やりがい」というのは「自己肯定感」や「自己有用感」(自分が役に立っているという感覚)に繋がるもの。

だからこそ「やりがいがない」「意味がないことをしている」ということは自分そのものの価値を疑ってしまうことに繋がってしまうのです。

そんな状況でできることは何か?と考えると、「やりがいを作る」「意味がないことを意味があることにする」というのはどうでしょうか?

例えば「こんなことは誰にでもできる」と思いやりがいを感じない業務があったとしたら、同じことでも「誰よりも早く」とか「誰よりも正確に」といった、業務の内容ではなく質を上げることを考えると、途端に自分がやる意味が出てくると思います。

そうすることでやりがいがうまれることも充分に考えられますよね。

また、どうしても無駄だと感じるものであれば「これは意味がないからやめて、その代わりにこうしたらどうか?」と提案すること、または実践することで、会社に貢献するということもあり得ます。

この場合、批判するだけでなく、改善策を考えることがポイント。

批判だけでは何も生まれないので。

「これはやりがいがないものだ」と決めつけずに、自分がいるからこそできることは人のせいにする前に自分で探してみる、そんなスタンスでもう一度、今の仕事を見てみてはどうでしょうか?

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誰だって完璧に仕事はできない。ありのままの自分を受け入れる

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できないことも「自己受容」

今回のアンケート結果でもうひとつ気になったのは「行きたくないと思ったら休みにする確率は?」という問いに対して、「0%」と答えた人が約半数もいたことです。

言い換えれば「半分の人はどんなに休みたいと思っても100%絶対に行く」ということです。

「休みたい」と感じることは、少なくとも健全な状態ではないので、仕事を休む理由としては真っ当で、熱があるといった体調不良と変わりないことだと思います。

だけど、そもそも休むという選択を持たないというのが「0%」という回答でしょう。

それを「我慢強い」「ストイック」と捉えることもできますが、極端に言うと「自分の人生をコントロールすることを放棄している」とも捉えられると感じます。

もちろん、仕事は多くの人が関わり、力を合わせていることなので、簡単に休まれてしまったら困ります。

特に日本は規律を重んじ、周囲との調和を大事にすることが世界的にも評価されるポイントかもしれません。

ただだからといって人が壊れるまで働くということは決していいこととは思えません。

「休みたくても休めない」ということは当たり前ではないのです。

だから、最初から「0%」と言い切ってしまうことはどうかと思うのです。

きっと、その背景にあるのは「周りの人も頑張っているから」という同調圧力もあると思いますし、さらには「ここで休んだらダメだと思われる」「ちゃんと全てこなせないとダメだ」という思い込みもあるのではないでしょうか?

幸せの3条件その3

幸せの3条件のひとつ「自己受容」は、言葉だけを見れば「自分を受け容れる」ということですが、ポイントは「どんな自分も受け容れる」というところにあります。

誰しも得手不得手、体調や精神的なアップダウンがあります。

「いい状態」だけでなく「悪い状態」も「自分」です。

その両方、ありのままを受け容れるのが「自己受容」です。

数字としての成果や他人からの評価だけを考えると「悪い状態」の自分は受け容れがたく、24時間365日常に100%でいなければいけないと思うかもしれません。

ただ、それはやっぱり難しいものです。

エンゼルスの大谷選手の打率だって3割、バスケ日本代表のスリーポイント成功率だって目標4割。どんなにスゴい人たちだって、100%を目指したってそのくらいなんです。

休みたくても休んではいけない、休む確率は0%と決めつけるのではなく、せめてもう少し休んだ方がいいかと検討する余白はもってもらえたらと思います。

すべては子どもに影響する

今回、全体的に感じたことは「こうでなければいけない」「こうするべきだ」という思い込みにとらわれているのではないかということです。

だからこそ、自分らしくいることができず、余裕がない状況だと思います。

その状態で、子どもや家族と接することはどうでしょう。

また、自身が思い込みの中で無理をして頑張っている姿を見て子どもはどう感じるでしょうか?

完璧を目指すことは悪いことではないですが、完璧でなければいけないということは精神的にも辛いことです。

その辛さを目の当たりにしていては、失敗を恐れずに挑戦することは難しくなってしまいかねません。

自分のためだけでなく、家族や子どものためにも、これを機に自分を後回しにしないでしっかりと向き合うことについてもう一度考えてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 「他者信頼」忙しすぎるキャパ―オーバーな時は周りの人を信じて頼ってみる
  • 「他者貢献」やりがいが感じられない仕事の中でも自分だからできることを探してみる
  • 「自己受容」全部を完璧にできない自分も受け容れて休むことも検討してみる
  • 自らコントロールして自分らしくいることは家族にも影響する

頭では理解していてもなかなかできないことはたくさんあると思います。

今回、熊野さんが伝えてくれたこともそうかもしれません。

すぐに全部できなくてもいいと思います。

ほんの少しずつでもいいので「自分を大切にすること」を考えてくれれば、きっともう少し楽になれるのではないでしょうか。

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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