子育て頑張り過ぎなくても大丈夫!パパに薦めたいアドラー式自己受容

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子育て頑張り過ぎなくても大丈夫!パパに薦めたいアドラー式自己受容

子育てをついつい頑張り過ぎてしまうパパ、結構いるのではないでしょうか?

子どもや周囲に対してほめたり、ポジティブな声をかけるのは大事なことです。

でも、自分の調子が悪い時だと余計疲れてしまいますよね...

今回もそんなパパしるべ読者さんからの質問に対して、アドラー心理学を基にした子育てメソッドを広めているアドラー式子育ての熊野英一さんに、どうしたらいいのか?教えていただきました!

ポジティブを意識しすぎるパパが陥りがちなトラップ

ポジティブを意識しすぎるパパが陥りがちなトラップ

質問者
小学校1年生の長女と、保育園に通う5歳の長男、二児のパパです。

子育てにも興味をもち、色々と本を読んだり、ネットで調べたり、オンラインのセミナーに参加したりと積極的に「イケてるパパ」を目指して頑張っています。

「子どもはほめて伸ばそう」というメッセージが刺さり、妻も含めて家族みんなにポジティブな言葉をかけるようにしているのですが、最近、いつもポジティブでいることに疲れてきてしまいました。

ポジティブでいようと思ったら、ストレスを感じるって、本末転倒ですよね?

自分の心を整える何か良い方法はありますか?

ネガティブな言葉がけは、人の心をむしばんでいくことは誰でも知っていますね。

でも、それが良くないことだとわかっているのに、自分で自分に「呪いの言葉」をかける「おかしなクセ」を持っている人は、意外に多いものです。

ここでいう「呪いの言葉」とは、例えば次のようなものです。

  • やっぱり、自分はダメなやつだ。
  • あ〜、またうまく行かなかった。
  • 誰も助けてくれないんだから、自分がしっかりしなきゃ。
  • どうせ、自分が悪いんだ。

こうして自分で自分をディスるクセを持っている人は、本来持っているはずの勇気を自分でくじいてしまっていますので、やがて、周囲の他者にも、同じようにネガティブな言葉をかけ、他者の勇気もくじいてしまうようになります。

「子どもはほめて伸ばそう」というようなメッセージは、こうした「ダメ出し」「ネガティブな呪いの言葉」の悪影響を排除して、逆に「ポジティブなほめ言葉」を自分にも、他者にもたくさん投げかけていきましょう、という提案ですから、取り入れるに値するものではありますが、実は、そこには注意すべきトラップがあります。

ご質問のパパは、「ポジティブな言葉がけをすると、むしろ自分は疲れてしまう」と訴えていることから、このトラップにはまってしまった可能性があると見受けました。

子育ては頑張れない時もある

子育ては頑張れない時もある

人間は不完全な生き物です。

ポジティブの裏には常にネガティブがあります。

人生、いい時も悪い時もあります。

良い部分も悪い部分もあわせ持っているのが、私たち、人間なのです。

そして、その両方を受け止め、受け入れることが大切なのです。

これをアドラー心理学では「自己受容(ありのままの自分を受け容れること。不完全な自分を認める勇気を持つこと)」と言います。

それは、私たちが幸福を感じるための「幸福の3条件(自己受容・他者信頼・他者貢献)」の1番目にあげられるものです。

しかしながら、私たちは自分の一部であるネガティブを「いけないもの」と捉え、それを否定しようとする、つまり、自己受容ではなく自己否定してしまう、というトラップにはまるのです。

例えば、自分のネガティブな部分を否定し、他者にもネガティブであることを許さず、自分にも他者にも、ずっと次のような言葉を投げかけ続けてみましょう。

  • 常にポジティブでなければいけないよ
  • 毎日、毎時間、前向きでいよう!
  • やれば、できる!頑張れば、夢は必ず叶う!
  • ちゃんとできるよね!最後まで頑張れるよね!
  • 負けるな!自分の弱い心に打ち勝て!

書いているだけで、私は疲れてきてしまいました(笑)。

頑張れる時もありますが、そうでない時もあります。

自分の素直な気持ちよりも、「ポジティブであり続けろ、ネガティブになってはいけない」と正義・正論を押しつけられたら、そりゃ、むしろ、勇気がくじけてくるっていうものですよ。

「子どもはほめて伸ばそう」というメッセージには、もしかしたら「子どもをこちらの思い通り『いつもポジティブな子』に育てたい」という、親の側の身勝手な期待、子どもをまるで操り人形のように操作したくなる下心が隠れてはいないでしょうか?

アドラー心理学に基づく子育てでは、「子どもを、ほめたり、叱ったり、こちらの期待に応えるように仕向ける、操作的な関わりは、子どもの勇気をくじくことになる」と考えます。

「こんな日もある」と結果にこだわらない

「こんな日もある」と結果にこだわらない

すべての人間は、一人残らず、誰かに無理矢理操作されなくたって「もっと良くなりたい」「理想の自分に近づきたい」という向上心を持っているものだ、という前提に立つのがアドラー心理学のステキなところだと思います。

ご質問のパパは、「イケてるパパになりたい」という理想の自分を持っています。

素晴らしい目標だと思います。

でも、だからと言って、目標に到達する前の今の自分を自己否定しないでください。

そして、

  • ちゃんとした父親にならなければ、ダメだ
  • いつも優しいパパ・夫でなければいけない
  • ポジティブな言葉がけで家族のモチベーションをあげなければ!

という謎の呪いをかけることのないようにしてください。

では、どうすれば、良いのか?

一番大切なことは、「結果」にこだわらない、ということです。

できても、できなくても、どっちでも良いのです。

そして、「結果」につながりやすい「行動」や、その行動の原動力となる自分の「持ち味(強み)」を意識してください。

日米で大活躍した野球のイチロー選手だって「全打席でヒットを打たなければダメだ!」なんて思っていたら、あんなに長く活躍し、結果を出すことはできなかったはずです。

もし、結果ばかりを気にしていたら、きっと、「こんなに細い体じゃダメだ」「ホームランが打てない自分はダメだ」「6割以上失敗する自分は失格だ」と、自分責めに苦しみ、早々にプロ野球選手を続けることを諦めていたかもしれません。

それよりも「こんな日もある」「自分ではコントロールできないことはある」と、現状をありのままに受け入れたうえで、「じゃ、今できることはなんだろうか?」と結果を出すために必要な行動(例えば、素振りやランニングなどの基礎練習を続けること)を振り返り、「次の一歩を踏み出すために、自分が持っている持ち味はなんだろうか?」と、自分らしさ(例えば、コツコツ練習する忍耐力や、気分を切り替えるリフレッシュ力、誰かにサポートしてもらう依頼力など)を活用することに目を向けたのではないでしょうか。

あ!また「自分はイチローみたいにはなれないよ!」と他者と自分を比べて、自己否定に陥っていませんか?(笑)。

自分の持ち味(強み)を自分で見つけることが難しければ、家族みんなで「お互いの持ち味を伝え合う会」を開催してみましょう。

妻や子どもが、思いもよらぬ自分の持ち味を教えてくれるかもしれません。

その持ち味を活かすことで、あなたは自然と自分を勇気づけることができるようになっているでしょう。


熊野さん、ありがとうございました!

ポイント

  • ネガティブも自分の一部と受け容れる
  • 理想を持つことは大事だけど、届かない自分を責めない
  • 「結果」にこだわらない
  • イチロー選手と比べない(笑)自分の持ち味を意識する

参考になりましたでしょうか?

熊野さんのアドラー式子育ての講座では、親子、夫婦だけでなく、様々なシチュエーションで役立つコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

気になった方はぜひチェックしてみてください!

また、このように調べてほしい!聞いてほしい!という質問や悩みがある方は、パパしるべの問い合わせフォームからメッセージを送ってください。

熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
小中高生のくつろぎスペース(フリースクール)ビリーバーズ広尾 リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える勇気づけのプロフェッショナル。

代表取締役を務める株式会社子育て支援では企業主導型保育所、児童館、子育て支援センターなどの受託運営、アドラー心理学に基づく企業向け研修など法人向けサービスを展開。

個人向けサービスは「ボン・ヴォヤージュ有栖川」ブランドで、ベビーシッター・サービス提供やアドラー式カウンセリング、アドラー心理学に基づくセミナー・講座などを実施。

個人としてこれまで6冊の本を上梓。著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。
2021年は、小中高生の不登校支援の新サービス「ビリーバーズ広尾」を立ち上げ、コロナで不安定さを増す世の中でも、子どもたちが希望を持って、主体的に幸せを見つけられるような環境づくりに奔走。

 

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