子どもにはビシッと強い言い方は必要!?恐怖心を与えることのリスクとは

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子どもにはビシッと強い言い方は必要!?恐怖心を与えることのリスクとは

子育てをしている中では、時に子どもに対して注意をしないといけないことがあります。

そんな時、どんな言い方をしたらいいのでしょうか?

今回は子どもが言うことを聞かない時には、強い言い方も必要だと考えるパパからのご相談です。

子育てにおいてキツい言い方は本当に必要なのか?

アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、アドバイスをお伝えします。

強い言い方で言うことを聞く場合もある

強い言い方で言うことを聞く場合もある

質問者
3歳と5歳の動きっぱなしの男子2人を育てています。

もう毎日戦場ですが、妻は子どもたちが何をしても怒らず、優しく伝えるばかり。

時には強くビシッと言わないと子どもたちには全然伝わらないと思うのですが、どうでしょうか?

ビシッと言いたくなる気持ち、とてもよくわかります。

男子って本当に大変ですよね。

でも、本当にそれがベターな方法なんでしょうか?ちょっと考えてみましょう。

アメとムチ理論が減っているのはなぜか?

極論を言うと、子どもに何かを伝えたり教えたりする方法はいろいろあって、明確な正解はありません。

それぞれが自分で方法を選べばいいのです。

ただ、アドラー心理学においては「動物を調教するようにアメ(報酬)とムチ(恐怖)を使って育てることはベストではない」と、はっきりと示されています。

質問したパパはおそらく自分の経験の中に「怖い先生の言うことはみんな聞いた」とか、実際に自分が強い言い方をした時に子どもが言うことを聞いた、というケースがあるかもしれません。

確かに短期的に見たら効果があるのかもしれませんが、もしもそれが子育てをする上で本当に必要だとしたら、誰もがムチをふるい続けているはずです。

ところが広く世界を見渡しても、ムチなどの恐怖で子どもを支配した方がいいという人は多くないでしょう。

そうやって淘汰されてきた歴史からも、どうやらその方法がベストではないことが証明されているように感じます。

恐怖は勇気をくじく

いつも恐怖で子どもをコントロールする癖がつくことには、デメリットがあります。

何かをするたびに怒られているうちに、子どもは「どうしたら怒られないか?」を考え始めるのです。

いわゆる忖度ですね。

これは、本来やるべきことが何か?どうしたらもっといい方法か?といった本質ではありません。

結果的に子どもたちは自分で考えることをやめていくのです。

これは新しいことや自分で考えたことをやってみようという挑戦する勇気がくじかれた状態です。

我が子が「自分がやりたいことよりも、怒られずに済むことを選ぶ」という状況を、あなたは望んでいるでしょうか?

恐怖や懲罰でコントロールすることには、他にもデメリットがあります。

怒られると子どもは不適切な行動をとりやすい

怒られると子どもは不適切な行動をとりやすい

不適切な行動の目的はいろいろ

子どもが不適切な行動をとることがありますが、その目的はひとつではありません。

よくあるのは、親など大切な人の注目を集めたいとき。

「見て見て!」というのと同じです。

何か適切な行動をしているのに、親が反応してくれない時、その寂しさや不安などの理由で親の注目を集める方法として、子どもは親が怒りそうなことをすることがあります。

わざと誰かを叩いたり、暴れたりするような感じですね。

この場合の対応としては、「そんなことをしなくても見ているよ」と子どもに感じてもらうことだと思います。

適切な行動に対しても、ちゃんと注目していることを伝えるコミュニケーションをすれば、だんだんとおさまっていくと思います。

一方で、そうではない場合のひとつが、この恐怖や懲罰でコントロールされているケースです。

例えば、モノを壊してしまった、ジュースをこぼしてしまったなど失敗をした場合に「このままでは怒られる」という恐怖が思い浮かぶと、隠そうとしたり、ウソをついたりします。

この時の目的は、自分を守るためだと考えられます。

これって大人でも同じですよね。

企業の不祥事などでも、上司などに怒られると思って隠ぺいしてしまい、のちのち大変なことになっているニュースをよく見ませんか。

わが子にそうなってほしいと思いますか?

“時には”など程度の問題ではない

子育ての目的として、自分で考えて判断して適切な行動をとったり、挑戦したりできるような自立をサポートすることだとアドラーは考えています。

そう考えた時に、本当に強い言い方を使って恐怖で覚えさせるということが必要かは明白だと思います。

また、今回の質問で“時には”とされているのも気になります。

虐待などのアンケートでは、「叩いてはいけない」としながら「おしりくらいは」など程度が軽いものであればいいと考える人も少なくありません。

しかし、その程度はあくまでする側の感覚なので、される側としては許容できない場合もあります。

また、その程度に慣れていくうちにエスカレートする恐れもあります。

「子どものためになることをしてあげたい」という思いは間違っていないと思います。

ただ、短期的に言うことを聞かせるために、たまにではあっても強い言い方をするという対応を選ぶことが必要かどうか?

いろいろ踏まえた上で、ぜひもう一度考えてみてほしいです。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 恐怖で人をコントロールすることが減ってきていることからもベストではない
  • 恐怖でコントロールしようとすると、自分で考えることができなくなる
  • 恐怖から逃れるために不正をする子どもになってしまう恐れがある
  • 子どもの自立を目指すために強い言葉が必要か、もう一度考えてみよう

頭の中ではわかっていても、なかなかできず感情的になってしまうという人もいると思います。

特に余裕がない時は抑えられないことも多いと思うので、まずは自分に余裕を持てるように、日々深呼吸していきましょう。

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