シリーズ「産後うつ」第2弾 男性がなることも!?対策法は?

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シリーズ「産後うつ」第2弾 男性がなることも!?対策法は?

最近耳にする機会が増えている「産後うつ」。

第1弾では、その基礎知識を紹介しました。

今回、第2弾では予防することはできるのか?なってしまった時の対応について、「すべての家族に産後ケア」を目指して、産後ケア普及の活動をしているNPO法人マドレボニータのファウンダー、吉岡マコさんに聞きました。

シリーズ「産後うつ」第1弾 パパにも知っておいてほしい基礎知識
シリーズ「産後うつ」第1弾 パパにも知っておいてほしい基礎知識

まさかうちのパートナーは大丈夫だろうと思っていても、誰にでもなる可能性があるという「産後うつ」。 ちゃんと知っておく必要がありますよね。 今回はシリーズ第1弾としてそんな産後うつの基本情報について「す ...

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情報はパパも共有してください

情報はパパも共有してください

今回もマドレボニータが2016年に出産を経験した女性1,000人以上を対象に行ったアンケート調査の結果を基にお話しを伺いました。

5人に4人の産後女性がなんらかの症状を感じてしまうという産後うつ。

何か予防する方法はないのでしょうか?

正直なところ、100%予防することは難しいと思います。

出産前の性格が社交的だったり内向的だったりという性格も関係ないようです。

出産して親になることで、心境的にも感覚的にも、そして価値観も大きく変化することはよくあります。

そんな中で予防に繋がる、もしくは産後うつになっても早めに対処し、重篤化させないためにはまず、出産前にしっかりと知識を得ることが重要です。

様々な症状がありますが、もしかしたら自分もなってしまう可能性があるということやそうなってしまった時に、受け入れることに繋がります。

また、これは出産する女性自身だけでなくそのパートナーや双方の両親、兄弟姉妹、職場の関係者など、身近な人も含めて知ることが重要です。

産後うつになってしまった本人はわかってはいても自分で感情などをコントロールできないことがあるので、その状況になった時には比較的冷静でいることができる周囲の理解がとても重要です。

産後うつを経験した女性の声を聞くと、苦しい時にパートナーや両親からかけられた無神経な言葉や行動でより辛くなったというケースがたくさんあります。

パートナーから『ホルモンの関係でしょ?』と軽く流されたことに落胆したり、家にこもっている自分に比べて楽しそうに仕事をしている姿に嫉妬したり、子どもの扱い方が雑でイライラしたり、中には『夫に子どもを触らせたくない、写真も見せたくないと思った』という声も。

自分だけが家事や育児をしているという不公平感が募ったり、辛さや苦しさを共感してもらえないことにイライラして当たってしまうということが多いようです。

また、親たちからは『あなたの子育ては間違っている』と言われて落ち込んだというものがありました。

産後うつという概念がなかった頃に子育てをしてきた世代とのギャップもまた、追い詰められてしまう要因になります。

 

集まることが難しい今は機会が少ないかもしれませんが、自治体などが行っている両親学級などは情報を知るためにいい機会です。

またインターネットを使って調べることもできます。

ただしネットには正確ではない情報や極端な体験談もあって不安になってしまうことも考えられます。

できれば夫婦で協力して、いろいろな情報を集めながら、自分たちに必要なものを精査して取り入れるようにしてください。

そして、もうひとつ。

どんなに情報を集めていても、産後うつになることはあります。

それだけは忘れないようにしておいてください。

男性も10人に1人が産後うつを経験

男性も10人に1人が産後うつを経験

パートナーが産後うつになってしまったとき、夫はどうすればいいのでしょうか?

産後うつになった人に、どんな支障が出たかを聞きました。

最も多かった答えが、パートナー、つまりパパとの関係に支障が出たというものです。

とにかく夫にイライラした、当たってしまった、という声は本当に多いのですが、夫としても辛いところだと思います。

一番近くにいるからこそ、なんとかしたいと考えるものの、うまくいかないし、むしろ当たられてしまい、精神的にも辛い。

加えて仕事をしながら、育児もできる限り手伝おうと努力すると、体力的にもキツくなってきます。

その結果、男性の方もオーバーワークと睡眠不足が重なり、産後うつになってしまうケースもあるのです。

ある調査では男性も10人に1人くらいが産後うつの症状を経験しているそうです。

では、そんな状況の中で産後うつになってしまった産後女性たちはどのようなきっかけで回復に向かうのかというと、アンケートでは、環境に慣れたことが最も多く、ついで、周囲とのコミュニケーションが充実してきたことが挙がりました。

産後うつの回復のきっかけはどのようなことでしたか

コミュニケーションは身近なパートナーに限ったものではなく、産後ケア教室などで同じ葛藤を抱える仲間に出会うことや、とにかく話のできる人を増やすことが回復に大きな影響があると思います。

ただ、そういう機会を作るためにはパートナーの協力が必要です。

物理的に子育てにコミットしてサポートする形もありますが、もしもそれができない場合でもマネージメントをするといった面でできることはあります。

例えば、夫婦で話し合って、ヘルパーさんを頼もうか、となったときに、来てもらえるヘルパーを探して予約することや、細かい連絡や支払いなどをパートナーが担う。

それだけでも産後の心が不安定な女性にとっては相当負担が減ります。

できれば産後しばらくの間のケアの体制をどういう風にしようか?と、出産前にしっかり二人で話し合って、方針が決まったら、パパとなる男性が主導して妻の要望を聞きながら構築するといいです。

また、家庭内でのコミュニケーションにおいて注意して欲しいことは、とにかく産後の女性をねぎらい、自由にしゃべらせてあげること。

そして善悪の判断をせず、否定をしないであげましょう。

たとえ、不満や愚痴のオンパレードだったとしても。

体も心もボロボロの状況のママは、『子どもがかわいいと思えない』『もう育てたくない』など、時としてビックリするようなことを言ったりしますが、追い詰められた状況だからこそ出てしまっているもので、本心ではないこともたくさんあります。

その言葉を否定してしまうと、さらに追い込んでしまうのであくまで一過性のものだと思って、寄り添ってあげてください。

産後うつは、人によっては比較的長く続くこともありますが、多くは、体力の回復、周りとのコミュニケーションの充実、子育てに慣れてきたこ、などが重なっていくことで、徐々によくなっていくものです。

夫婦ともに辛い状況の時はなかなか先にことは考えられないと思いますが、適切に対処することができれば、終りがあると思って根気よく付き合っていってください。

出産した女性だけでなく、それを支える男性もまたなることがある産後うつ。

決して他人事ではないですよね。

備えるためにはまず知ることから。

なってしまったら、寄り添っていくこと。

できるだけ多くの家族が笑顔で過ごせるように、ぜひ共有していきましょう。

取材協力・資料提供 NPO法人マドレボニータ

1998年にファウンダー、吉岡が出産後の体調の著しい変化を体験したことをきっかけに、産後女性を対象とした心身の健康管理の取り組みや、産後の健康に対する知識体系がないことに問題意識を感じ同年9月に設立。

広く一般市民に対して、産後ケアの重要性を啓蒙するとともに、産前・産後の女性に向けた、産前・産後のボディケア&フィットネスプログラムを開発・研究・普及し、プログラム提供者の養成を行うことで、母となった女性が子育ての導入期を健やかに過ごし、子どもの健全な育成、虐待の予防、夫婦不和の予防、地域の活性化、女性の再チャレンジとエンパワメント、少子化への歯止めに寄与することを目的として活動中。

※マドレボニータとはスペイン語で「美しい母」という意味。

https://www.madrebonita.com/

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