温かくておいしい寒い季節にピッタリのおでん。
大人から子どもまで幅広く楽しめるメニューをおうちで作る時に、もっとおいしくするための作り方のコツはどんなものなのでしょうか?
今回は、葛飾区立石で人気の「おでん二毛作」の日高寿博さんに教えていただきました。
おでんのだしを美味しくするのは「塩」と「酒」
家でおでんを作っても、おでん屋さんで食べたり、テイクアウトしたものにはなかなか及びません。
いったいどんなところに差があるのでしょうか?
おでんは、ダシとおでん種の2つだけしか使わないとてもシンプルなメニューです。
そのため、おいしくするコツは、ダシとおでん種をどう扱うか?というところになります。
まずはダシ。
お店では昆布と鰹節でダシを取り、塩とお酒で調えたものを使っていますが、多くの家庭では市販の“おでんダシの素”などを使う方が多いと思います。
いくつか味見したことがありますが、ちょっと甘みが強いものが多いと感じました。
そこで、少しだけ塩と酒を足してみることをオススメします。
好みにもよりますが、キリッとしたさっぱり目の味わいになります。
ダシは沸騰すると濁ってしまい、見た目も味も落ちます。
なので、絶対に沸騰させないようにしてください。
また、火を入れすぎると、どんどん濃くなってしまいます。
ダシの量が少なくなったら水やダシを足して味を調えてください。
このダシの管理が大切です。
お鍋の問題もありますが、家庭では、お店に比べて圧倒的にダシの量が少ないです。
おでん種がぎゅうぎゅうに詰まった状態で煮ると、味が均一に入りませんし、取り分けるときに崩れる恐れもあります。
お鍋をいくつかに分けて作るか、おでん種を一気に入れないで、減ったら足していくようにすると、ずっとおいしく食べられます。
大根は二度下ゆでするのがポイント!
一方で、おでん種についてはどんな工夫ができるのでしょうか?
まず、用意したおでん種を、全部一気に煮ることはしません。
いろいろな種から出た旨味が味を深めてくれるというところもありますが、具材によって水分や油が流れ出たり、匂いが移ったりしてしまうことで、味を落としてしまうことがあります。
そうならないように、おでん種によっては下処理が必要です。
例えば、おでん種の定番である大根は、おでん鍋に入れる前に2度ゆでます。
1度目は普通のお湯で下ゆで。これで独特の匂いがとれて、水分も出なくなります。
2度目は下ゆでした大根を別の鍋に入れてダシで煮ます。
これで奥まで味を染みこませます。
そこまでしたものをお店のおでん鍋に入れています。
また、これも人気のじゃがいもですが、家庭によっては煮崩れすることを考えて、入れない人も結構いると思います。
でも、煮崩れしないコツがあるんです。
それは、一度蒸して火を通し、柔らかくなったジャガイモを、いったん冷やしてからおでん鍋にいれるのです。
これで煮崩れることがなくなります。
他には、油で揚げている練り物は一度熱湯にくぐらせて、油を抜いてから。
匂いが出るこんにゃくも一回熱湯を潜らせて匂いをとってから入れています。
おでん種それぞれの特徴に合わせた下処理が、よりおでんがおいしくなるコツです。
親子でおうちおでんを楽しむコツ
日高さんのお店で人気なのが「トマト」。
おでん屋さんでも見かけることが少ない変わり種ですが、トマトの酸味とダシの味が相まって絶品です。
でも、さすがにこれは家では難しいですよね?
トマトは家庭では大変ですかね。
身が崩れやすいので、おでん鍋で一緒に煮ることが出来ず、これだけ別の鍋で煮ているので。
もし家庭で作るとしたら、プチトマトを湯むきして巾着に入れるといいかもしれません。
そうすれば身が流れ出すこともないので。
パパが作るのであれば、巾着を使う方法はいいと思いますよ。
子どもと一緒に好きなモノを入れて作れば、かなり面白いモノができるのではないでしょうか?
例えば、巾着にウインナーやチーズを入れたりするのもアリですね。
匂いが強い食材や、色が出てしまう食材でなければバリエーションは広がると思いますよ。
自身も2児のパパである日高さん。
最後は親子で楽しむコツも教えてくれました。
日高さん曰く「下処理をするのはなかなか大変ですが、一手間かけた分だけおいしくなるので、試してみて欲しい」とのこと。
どれも高い料理スキルが必要なわけではないので、ぜひ挑戦してみてください!
取材協力:おでん二毛作