ウチの子、飲み過ぎ?新生児&乳児の母乳やミルクの量の目安

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ウチの子、飲み過ぎ?新生児&乳児の母乳やミルクの量の目安

人目の赤ちゃんの時ってわからないことだらけですよね。

例えば母乳やミルクの量については、難しいところ。

そこで今回はインターネットツールを使ったオンライン母親教室や妊娠、出産、育児の相談を受け付けている「エミリオット助産院」の助産師、河井恵美さんに目安について教えていただきました。

心配な時は体重をチェック

心配な時は体重をチェック

河井さんのところには、赤ちゃんに関する様々な相談が届くそうですが、ミルクの量に関するものも多いと言います。

そんな時、河井さんはどのように答えているのでしょうか?

母乳やミルクをあまり飲まない、もしくはたくさん飲む、という相談はよくありますが、個人差もあれば、子どもの体調などの波もありますので、正しい量はこれです!とハッキリは言えません。

これまでたくさんの赤ちゃんを見てきた助産師でも個人差が大きく戸惑うことがあるので、あまり心配しすぎないようにしてください。

例えば、飲む量が少なくても、しっかり寝ていて、排泄も順調。

起きているときに足をバタバタさせるなどご機嫌な様子だったら、それほど心配しないでよいケースが多いです。

どうも様子がおかしいことがわかるように、日々観察して変化に気づけるように心がけてください。

また、少し長い目で見ることも大事です。

今日は飲む量が少なかったから大丈夫かしら?と思っても、次の日はいつも通りなら大丈夫、などちょっとスパンを設けて大きな変化がないかをチェックした方がいいと思います。

成長の目安として、よく『体重が順調に増えていれば大丈夫』と言われますが、『順調にってどのくらい?』と思うこともありますよね。

具体的に言うと、一般的に生後0~3か月では1日25~30gほど増えるとよいとされます。

心配になったときは体重を測って、生後の日数から計算してみることで、目安と比べてみてください。

ちなみに、経験から言うと生後2週間未満は母乳だけでは1日30gに満たないケースも多いですが、1日20~25gくらい増えていれば、経過をみてもよいと思います。

細かく変わっていく母乳とミルクの量の目安

細かく変わっていく母乳とミルクの量の目安

では、河井さんに教えていただいた母乳やミルクの量の目安をお伝えします。

ただし、これは赤ちゃんの出生体重や個性が考慮されていない参考値です。

また、母乳とミルクの混合の場合は、きっちりとした量が測れないこともあります。

【生後1日目から7日目】

1回の授乳の量は「生後日数×10ml(+10ml)」が目安になります。

なので、1日目なら、「1(生後日数)×10ml(+10ml)=10(〜20ml)」です。

【生後2~3週間目から3か月くらい】

1回の授乳の量は、100ml前後です。赤ちゃんの様子によって違いがあります。

ミルクだけの場合やミルクと母乳の混合の場合は、生後1週間目のときの量よりも少しずつ増やしてみてください。

【生後3か月くらい】

赤ちゃんの1回の母乳やミルクの量は、160~200ml程度。

1日に5~6回与えることを考えると、1日のトータル量は、800~1200mlほどになります。

【生後5か月くらい】

1回の母乳やミルクの1回の量は200〜220ml程度。

1日5~6回の授乳で、トータル量は1000〜1320mlくらいになります。

3ヵ月とそれほど変わらないように感じますが、この頃になると離乳食がスタートするため、母乳やミルクの量が増えなくても問題はありません。

【生後7ヶ月くらい】

より離乳食の比重が高くなります。

だいたい1日2回くらいは食べる時期です。

この頃は、母乳やミルクから約60%、離乳食から約40%の栄養を摂ると言われます。

離乳食を1日2回食べると想定した場合、生後7ヶ月の母乳やミルクの1回の量は200ml程度。

これを1日4〜5回あげるので、1日のトータル量は800〜1000mlくらいと少し減ります。

もちろんこれはあくまで目安です。さっき授乳したばかりなのにまた欲しがる、といった場合は赤ちゃんの様子を見て母乳やミルクを与えても問題はありません。

また、よく寝るのはいいことですが、赤ちゃんによってはよく寝過ぎて、飲むことを忘れてしまう子もいるので、目安よりも極端に授乳の量や回数が少ないようでしたら、ちょっと起こして飲むように促してみてください。

ちなみに、哺乳びんでミルクをあげるときには量に注意してください。

母乳の場合、赤ちゃん自身が飲もうとしないと出て来ないので、飲み過ぎることは少ないですが、哺乳びんの場合、飲もうとしていなくてもミルクが出てきて、反射的に飲んでしまうので、気がついたら飲み過ぎてしまっていたというケースがあります。

大事なことは相談すること

大事なことは相談すること

最後に河井さんから小さい赤ちゃんを育てている人たちに伝えたいことを伺いました。

母乳やミルクのこともそうですが、特に赤ちゃんが生後一ヶ月になるまでの間は、ちょっとでも気になったことがあったら、相談してほしいと思います。

親になったばかりの頃は、『こんなことで相談しても』『たいしたことじゃなかったらどうしよう』など、相談を躊躇する人が本当に多いと感じます。

しかし、気にしながら育児をするよりは、ひとつずつ解決した上で育児をしていく方が、精神的には圧倒的にラクだと思います。

相談先は、一番しやすいところでいいです。

赤ちゃんを産んだ産院や産婦人科。

小児科や地域の保健センターでも構いません。

どこに電話しても決して邪険に扱われるようなことはありません。

時には、別のところに連絡して欲しいといわれるかもしれませんが、たらい回しにしているわけではなく、解決するための最善策を伝えているだけです。

ぜひ、安心して相談してください。

出産後のママは、わが子をしっかりと育てなければいけないという責任感もあって、なかなか周囲に助けを求めたり、相談したりするのをためらってしまいがちです。

でも、悩んでいても解決はできないので、ぜひ一緒に相談してあげましょう!

宮川めぐみ

助産師
特定非営利活動法人だっことおんぶの研究所認定 ベビーウェアリングコンシェルジュ

産科病棟にて約12年間助産師として勤務し、多くの妊産婦、褥婦、新生児のケアに関わる。
2013年に退職後パリで数カ月過ごし、自分自身と向き合う。
大切にしていきたいことなどに気づいて「lier」を立ち上げ、個人の活動を開始する。
一児の母、現在母乳育児相談を中心に助産院において妊産褥婦新生児のケアに携わる。

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