小さい子どもたちの定番の遊び方といえば「手遊び」。
でも、これを全力でやるのが恥ずかしいという人も結構多いはず。
今回は「手遊び」が苦手だけど、子どもに求められ悩んでいるパパからのご相談です。
アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、苦手なことにどうやって対応したら良いかアドバイスをお伝えします。
やっぱり子どものためには、「恥ずかしい」という気持ちは乗り越えなくちゃいけないものなのでしょうか?
手遊びって実はみんな恥ずかしかったりする
3歳の息子はこういう遊びが好きなのですが、なぜか恥ずかしくて。
これは乗り越えなくてはいけないことなんでしょうか?
手遊びだけでなく、人前で歌ったり、話したりすることって結構勇気が必要ですよね。
今回はその勇気が出ないという人に向けて、もう少し視野が広がるような話が伝えられたらと思います。
勇気を出してやるか、苦手だからやらないか
できる人からみれば「なんで?」と思うかもしれませんが、できない人からすれば「どうしても無理」というものって、世の中にたくさんあると思います。
子どもとの手遊びもそのひとつ。
きっとあなたが保育園に行ったときに、周りのパパやママは普通にやっているように見えたかもしれません。
しかしおそらくその中には、あなたのように「恥ずかしい」と思いながらやっていた人も結構いたはずです。
子どもと同じようにテンションを上げて遊んだり、歌ったりすることを、得意、楽しいと思える人の方が少数派だと思います。
そういう意味ではあなたは決して特別ではないと思います。
ただ、中には「子どものため」とか「恥ずかしがっている姿を見せるのはよくない」などと考えて、思い切ってやる選択をした人もいます。
それはそれで勇気を出したという意味で素晴らしいことではありますが、やっぱり恥ずかしいからやらないというのも選択の一つであり、そっちが悪いということではないのです。
なので、必要以上に無理をして合わせないといけないと、自分を追い込むことはやめましょう。
自分にはこれができない、苦手であると「不完全な自分」を受容することも大切です。
恥ずかしさを無理に克服しなくてもいい
恥ずかしい理由はいろいろとあると思います。
うまくできないとカッコ悪い、人前で子どもっぽくふるまうのはみっともない、テンションの高い姿を人に見られたくない、失敗して笑われた経験があるなど...。
その理由は様々ですが、正直理由がわかったところで解決できる可能性は決して高くないと思います。
「男性はプライドが高いから」と決めつける人もいますが、きっとそんな単純なものではないはず。
女性だって苦手な人もいます。
確かに女性の方が子どもに合わせてテンションを上げられるような人が多いような気もしますが、それはもしかしたら子育ての現場に女性が多いからかもしれません。
なので、恥ずかしさを無理に克服しないでもいい方法を考えてみるのもひとつだと思います。
苦手なものを「苦手」と言えることは大事なこと
得意なことで発揮する
子どもと遊ぶ方法は手遊びや歌だけではありません。
公園で体を動かしたり、一緒に工作をしたり、ゲームをしたり、あなたが得意な遊び方だってあるはずです。
そういう、別のことで発揮することだって充分じゃないですか?
団体スポーツにポジションがあるように、全員が同じことができる必要はありません。
仕事でもそうですが、その人のストロングポイントを活かす考え方を家の中でも持てばいいと思います。
ただ、目的は「子どもと楽しい時間を過ごすこと」であることを忘れてはいけません。
自分だけがやりたいことをやって子どもは退屈なだけ、となっては本末転倒。
あくまで、自分の得意なことで子どもと楽しめるものを探すという努力は必要です。
苦手を学ぶチャンス
ただ、自身の子どもが手遊びや歌が大好きで、「パパもやろうよ」としつこく迫ってくる場合もあるでしょう。
そんな時には「君がこの遊びが好きなのはわかるんだけど」と共感した上で、「パパはこれが恥ずかしくてどうしても苦手なんだ」と伝えていきましょう。
最初のうちは「えーなんでー」と言われるかもしれませんが、徐々にわかってくれるようになると思います。
この時、わかってくれるまで根気は必要かもしれません。
でも決して「うるさいな!苦手だって言ってるだろ!」なんて声を荒らげることなく、伝えていきましょう。
そうすることで子どもは「人にはそれぞれ苦手なことがある」「苦手なものは苦手だと言っていい」という、生きていく上で大切なことを学んでいくはずです。
苦手なものを我慢してストレスをため込みがちな大人も多いと思いますが、それが本当にいいことではないはずです。
また、自分で苦手であることを伝えて理解してもらうのであれば、子どもの苦手なこともちゃんと受け止めてあげましょう。
苦手なことを無理やりやらないといけないプレッシャーに苦しんだあなたであれば、子どもの気持ちもきっとわかるはずです。
もちろん、子どもだけでなく妻も同じく苦手なことがあります。
それもまた受け容れる。
家族みんながそれぞれの苦手なことを無理強いすることなく受け容れる関係は、ありのままでいられる安心できる空間には必須だと思います。
苦手でも取り組む姿もまた大事
一方で、苦手なものは全部やらなくていい、というのも短絡的です。
今まで生きてきた中で、苦手でもやらないといけないことにぶつかった経験はありますよね。
時にはそういうこともあるので、苦手なことをやる工夫もあなた自身が取り組む姿勢を見せることも、また必要だと思います。
例えば、手遊びの場合。
人前が恥ずかしいのなら家の中で子どもと二人だけの時に試してみたり、最初から全力は無理でもちょっとずつテンションを上げていったり。
また、失敗しないようにママと夜な夜なこっそり練習したり、いろいろな方法はあると思います。
これ自体が子どもに対して、苦手なことでも工夫はしてみる大切さを伝えることになるでしょう。
また、時にはうまくできるようになったらハマってしまうこともありますよね。
それは苦手だと決めつけないでやってみると、新しい楽しさに出会える可能性があるという学びにもなるはずです。
さあ、そう考えたらあとはどういう行動を選択するか?それはあなた次第です。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 手遊びや歌が苦手な自分を受け容れる
- 得意なことで発揮することを考える
- 家族みんなで苦手なこととの向き合い方を考えるチャンス、と考えてみる
最近は「苦手なことより得意なことを伸ばす」という風潮があるように感じますが、そこまで単純に割り切っていいということでもなさそうですよね。
「苦手だからいいや」と開き直るだけでなく、もう少し深く向き合ってみる必要はありそうですね。
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