仕事と子育てで余裕ゼロのパパママへ。頑張りすぎを手放すアドラー流の考え方

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仕事と子育てで余裕ゼロのパパママへ。頑張りすぎを手放すアドラー流の考え方

毎日仕事に追われ、子育てもこなしているのに「自分は何をしているんだろう」と感じる瞬間、ありませんか?

共働きが当たり前の今、パパもママも忙しすぎて余裕をなくしがちです。

今回は、仕事も子育ても頑張りすぎて疲れたパパに向けて、アドラー心理学の視点から“肩の力を抜く”ヒントをお届けします。

仕事と子育てで毎日が忙しすぎる…その原因を見直してみよう

仕事と子育てで毎日が忙しすぎる…その原因を見直してみよう
質問者
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このご時世でもありがたいことに仕事が忙しく、子どもにも恵まれました。

ただ、両方ちゃんとやろうとすると、時間に追われ忙しすぎる毎日で、ふと「自分は何をしているんだろう?」と思うことがあります。

自分のキャパが小さすぎるのでしょうか?

まずは毎日お疲れ様です。

そして、自分がわからなくなるほど真剣に仕事にも子育てにも取り組んでいる姿には頭が下がります。

でも、今の状況が続くと、きっとどこかで限界が来ると思うので、少しでも余裕が生まれるようにどうしたらいいのか?

落ち着いて一緒に考えていきましょう。

あなたが忙しすぎる“目的”は何か?

今回はまずアドラーの言葉をお伝えします。

アドラー心理学のポイント

「人間の精神は、常に目標を追い続ける。幼いころに抱いた世界観や理想がその人生を導く」

この言葉の裏側にあるのは、アドラー心理学の特徴的な考え方のひとつ「目的論」です。

目的論は「私たちの行動や選択は、過去の経験や環境ではなく、未来の目標や理想によって導かれる」というもの。

言葉にすると「なんでこれをするのか?」というより、「なんのためにこれをするか?」ということになるでしょう。

つまりあなたが自分のことを見失うほど忙しく過ごしていることにも、あなたの「目標」が関係しているのかもしれません。

生き方を見直すいいチャンスかも

あなたの目標はなんでしょうか?といっても、すぐに答えることができないかもしれません。

もしかしたら、自分でも自覚していないことのようにも感じます。

あくまで推測ではありますが、質問を見る限り、あなたの目標は「仕事も子育ても全て完璧にこなすこと」や「仕事も子育てもなんでもできるすごいパパ」のように思いますがどうでしょうか?

もしもそれが目標になっているようであれば、現状にも合点がいくと思います。

ただ、仕事については頑張ってなんとかなったかもしれませんが、子育てはあまりに想定外の連続でついていけないことも多いわけで、その両方が相まったことで限界がきているのかもしれません。

冒頭でもお伝えした通り、少なくとも今のままで進んでいくのは限界を超えてパンクしてしまう可能性は高いので、今回は今の生き方を見直すいい機会になったのかもしれません。

限界を教えてくれた子どもに感謝ですね。

仕事と子育ての両立に疲れた時は、自分の心の声に耳を傾けて

仕事と子育ての両立に疲れた時は、自分の心の声に耳を傾けて

幼いころに作られたライフスタイル

アドラー心理学では、その人の性格や価値観を「ライフスタイル」と言い、だいたい10歳くらいの頃におおむね出来上がると考えられています。

この「ライフスタイル」は先ほどのアドラーの言葉にもあった「幼いころに抱いた世界観や理想」に繋がるものです。

ちょっと振り返ってみてほしいのですが、もしかしたらあなた自身子どものころから、「失敗してはいけない」「完璧を目指すべき」「人を頼らず自分で頑張るべき」と思ってきたところはないでしょうか?

あなたの親御さんは自立を願って、良かれと思って言ってきたものかもしれませんが、それに過剰に応えようとしていた可能性もあります。

また、社会的にもそういう人は素晴らしいという風潮があったり、実際に人に頼らず完璧を目指してうまくいったりした経験もあるかもしれません。

だからこそ、なんでもできるパパを目標とすることに至ったのかもしれません。

そのこと自体は決して悪いことではありませんし、むしろあなたのいいところだと思います。

ただ、今はそれが限界にきている。

であれば、親の言うことや社会の風潮はちょっと横に置いて、あなた自身の心の声に耳を傾けて、何かを少し変えてみてはどうでしょうか?

ひとつひとつのハードルを下げてみる

例えば、

  • 「失敗してはいけない」⇒「時には失敗してもいい」
  • 「完璧を目指すべき」⇒「時には完璧じゃなくてもいい」
  • 「人を頼らず自分で頑張るべき」⇒「時には人を頼ってもい」

という具合です。

「いつでも」ではなく、あくまで「時には」。

あなたの価値観も大事ですが、疲れているとき、時間がないときなど、仕方ない時もありますよね。

また、いきなり全部を変えるのは難しいかもしれないので、まずは一回全部やってみてほしいと思います。

やってみたら意外と気にならなかったとかうまくいったという、新しい景色が見えるかもしれません。

限界が見えるところまで頑張ったあなたはとても素晴らしいです。

でも、長く続けていくためには少しだけハードルを下げることも必要。

肩の力を抜いて、楽しんでいきましょう!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 忙しすぎるのはあなた自身が設定した目標に向かっているから
  • 幼いころに培った価値観を振り返ってみる
  • こだわっていた価値観のハードルを下げて、実際にやってみる

「もう少し手を抜いてもいいんだよ」と言われても、実際はなかなか手が抜けないものだと思います。

ただ、自分で限界を感じたときは少しだけ周りの言葉に耳を傾けることもきっと必要だと思います。

これをきっかけに改めて自分の目標やハードルについて考えてみてください。

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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