子どものツメ噛みをやめさせるには

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子どものツメ噛みをやめさせるには

時々、ツメを噛む子どもを見かけることがありますよね。

ツメなんておいしいはずないし、衛生的にも気になるところです。

これってどんな意味があるのでしょうか?

Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみの大阪教育大学、小崎先生!ぜひ教えてください!

ツメを噛むのは愛情不足!?

ツメを噛むのは愛情不足!?

時々、ママさんたちから

「子どもがツメをかむ癖は、愛情不足だからですか?」

と聞かれます。

これが本当なのかどうかもそうですが、小さな子どもがふとする癖は果たして直したほうがいいのでしょうか?

昔から「無くて七癖」という言葉がありますが、何もないように思っていても、人にはそれぞれに独特の行動、つまり「癖」が存在するということわざです。

ちなみにこの後に続く言葉ご存知ですか?

「無くて七癖、有って四十八癖」面白い表現ですね。

「ツメを噛む」という行動は比較的よくみられるものだと思います。

また子どもだけではなく、大人になってもしている人もいますね。

一つ一つの癖や行動に対して、良い癖・悪い癖という判断を行う事はとても難しいです。

しかし、親として、子どもたちの何気ない行動や癖が気になる事はあります。

それだけきちんと普段の子どもの様子をわかっている、という意味ではとても素敵なことだと思います。

口を使うことは大事なこと

口を使うことは大事なこと

子どもたちに関わるこのような癖の相談を受けることが結構たくさんありますが、ツメを噛むと同じぐらい相談があるのは「指すい・指しゃぶりがやめられない」ということです。

この二つの行為は、とてもよく似ているものです。

まずは使用する箇所が同じ。

「指」と「口」の二つを使った行為です。

ポイントは「口」を使うということです。

子どもの発達から考えて、この口の持つ機能と役割は非常に重要です。

赤ちゃんが生まれて初めてする行為は口を使ったものです。

息をする、泣く、おっぱいを飲む、というように口をうまく使うことにより、生きることができると言ってもいいほど重要なのです。

その事は、単に行動面だけではなく、精神面においても重要であると言われています。

赤ちゃんの精神的な発達は、この「口」の感覚からスタートしていると考えられます。

この時期を特別に「口唇期」と呼びます。

そのように考えてみると、ツメ噛みや指吸いはとてもわかりやすい行為であると言えます。

その行為自体に、いろいろな解釈や意味づけはできます。

例えば「退屈である」「不安がある」「落ち着かない」「嫌なことから逃避している」「気分を紛らわしている」などです。

もちろんこれらが当てはまることもありますし、全く関係のない時もあります。

だから単に「愛情不足だからツメを噛む」という短絡的なものではないのです。

もう少し言うと、している本人もどうしてそれをしているのか、どうしたらやめられるのか?などもわからないのです。

ツメ噛みは注意しない

ツメ噛みは注意しない

子どもの行為自体は、子どもの自己意思がいつも働いていると言うわけではなく、子ども自身の無意識な行動も多くあるのです。

その行為自体をやらざるを得ない状況にある、と言うように考えて欲しいです。

だから無理やりやめさせようとしたり、その姿を怒ったり、注意したりしてもあまり意味がないと言えます。

本人は無意識ですから。

そんな時はその行為の意味を少し考えながらも、行動面に注目すると言うことも一つの方法です。

ツメ噛みをしている状況をよくみてください。

もしかしたら少し退屈している、もしくは何をしていいかわからない場面などではないでしょうか?

そんな時は一緒に何かの遊びや活動に誘うなど、共に遊んでみてはどうでしょうか?

例えば手をつないでみるとか、絵本を読んでもらうとかが良いです。

手を繋ぐとツメを噛む事はできませんし、絵本を子どもが読む場合、手は絵本をめくるなどに使われるので爪には行きません。

行動の変化を親が作るのです。

つまり無理やり意識をさせやめさせるのではなく、自然な活動の中でそれらから少しずつ離れていくと言うイメージです。

まずそんな緩やかな関わりから始めてみましょう。

小崎恭弘

大阪教育大学教育学部教授
NPO法人ファザーリング・ジャパン顧問

1990年聖和大学教育学部卒業。91年西宮市市役所初の男性保育士として採用、西宮市授産所「名神あけぼの園」に配属。その後、様々な大学で教鞭を振るう一方、NPO法人ファザーリング・ジャパンの立ち上げに携わり、男性の育児に関する啓蒙などに努める。NHKEテレ「すくすく子育て」などメディアでも活躍し、「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」をはじめ男の子の育て方に関する書籍がベストセラーに。

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