自分の時間がない

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子育て中でも「自分の時間が欲しい」!ママが言ったらどうすればいい?

小さい子どもはママやパパがお世話をしなければいけません。

そう、わかっていてもずっとかかりきりになってしまうと、時には開放される時間が欲しいという方はたくさんいると思います。

では、もしママが「自分の時間が欲しい」と言ったら、どうしたらいいのでしょうか?

全国で子育てセミナーに登壇してたくさんのママやパパの悩みを聞いてきた、認定子育てアドバイザーの高祖常子さんに伺いました。

自分でアンテナを下げることは難しい

自分でアンテナを下げることは難しい

「自分の時間が欲しい」という悩みはたくさんのママから聞きます。

特に新生児のうちは授乳もオムツ替えも頻繁。

寝ている時間も短いので休まるヒマがありません。

赤ちゃんと言葉でコミュニケーションを取ることができないストレスもあります。

赤ちゃんという未熟な生命を守るためだとわかっているからこそ、24時間休むことなく万が一に備えている状況です。

いわば、ずっと感度のいいアンテナが立っている状況が続いているのです。

たとえ寝ている間でも変わりません。

赤ちゃんのちょっとした動きや息づかいの変化に反応してしまいます。

だからこそ、寝ても疲れが取れないということになります。

客観的に見れば、成長とともにペースはゆるやかになっていくことですが、真っただ中にいると気づくことは難しく、それが延々と続いてしまうような感覚にも陥ります。

アンテナの下ろし方については、はっきりこうすればいいということはありません。

なぜなら人によって違いますし、その方法は家族の状況や子どもの成長によって変わっていくこともあるからです。

まずは誰かに赤ちゃんを託して、物理的に赤ちゃんと離れる時間を作ってみましょう。

やはり同じ部屋や近くにいるとどうしても気になりますから、場所を完全に隔てることが効果的だと感じています。

ただし、ひとつ大切な条件があります。

それはママが安心して赤ちゃんを任せられる人がいることです。

これがとても難しいのです。

物理的に離れる方法はいろいろあります。

おばあちゃんおじいちゃんやママ友たちを頼ること、一時保育やファミリーサポートを利用することなど。

しかし、心から安心していないと、離れていてもずっと心配でアンテナは下がりません。

また、ママ自身が「ママなんだからちゃんとやらないといけない」という気持ちが強いと任せることはとても難しいし、預けていることに罪悪感を抱いてしまいます。

周りから「もっと気楽に」と言われても、そう簡単にできることではなく、「どう気楽にしたらいいのか」とより追い詰められてしまうこともあります。

自分の時間とはなんなのか?

自分の時間とはなんなのか?

家庭によって事情は異なるでしょうが、そんなときはやはりまずパパが協力してほしいと思います。

それは今、協力して乗り越えることが、これから一緒に子育てをしていく上で夫婦や家族をいい関係にしていくことに繋がるからです。

また、パパからは夜泣きでママが大変な時に寝ていて怒られたという話もよく聞きます。

女性脳の方が男性脳よりも、赤ちゃんの泣き声により敏感に反応するという研究データもあります。

また、パパの中には家に帰っても仕事のことが頭から離れない、つまり仕事のアンテナがなかなか下がらなかったり、わかってはいるけど子育てのアンテナが上がらなくて、ママに申し訳ないと感じている人もいます。

アンテナの上げ方や下ろし方に悩んでいるのはママだけではないケースもあるのです。

二人でして欲しいことは3つ。

  1. 話すこと
  2. 試すこと
  3. 変えること

まずどんな話をするか?

これは今の気持ちや辛さを共有することはもちろんですが、そもそも「自分自身の時間とは何か?」ということです。

先ほども言ったように、アンテナを下ろしてリセットする方法は人それぞれ違います。

一人で出かけること、映画やドラマを見ること、運動すること、友だちと話すことという場合もあります。

どのくらい時間が必要かも人によって違います。

30分で済む人もいれば半日かけても難しい人もいます。

これを二人で共有してみましょう。

このとき大事なのは、ママやパパがそれぞれ自分のやり方を相手に押しつけないことです。

自分はこうしたらリセットできるという考え方はまず置いておいておきましょう。

なんとなくでも自分の時間がわかってきたら、次は実際に試してみましょう。

ママが「一人になりたい」というから子どもを連れて出かけたのに、帰ってきたらママが不機嫌なんて話もよく聞きます。

これは「一人の時間がほしい」とは言ったものの、いざ一人になったら何もする気がおきなかったり、おいて行かれたような寂しい気分になったり、思うようにリセットできない場合があるからです。

それぞれが、自分の心地よいリセット方法をわかっていないこともよくあるものす。

トライ&エラーを繰り返しながら自分たちが求めている「自分の時間」を見つけてみましょう。

そして、ようやく見つけたはずの「自分の時間」も変わることがあるからやっかいです。

でも、それを受け入れましょう。

この間は映画を見たらリセットできたのに、今回はできなかったということもよくあります。

その時にせっかく時間を作ってくれたのだからと、モヤモヤを胸の内にしまうのではなく、「映画見たけど、ひとりじゃつまらなかった」と積極的に共有することも大事です。

子育てには正解がありません。

子どもがぐずってる今はどうすべきかなど、常に微妙な判断が次々と求められます、しかもずっと続いていきます。

疲れていると精神的にも体力的にも疲弊しますし、余裕がなくなると判断力も低下してしまいます。

だからこそ、夫婦で共有しながら、お互いの心を満たしたりリフレッシュさせておくことが大事です。

ぜひ、3つのことを繰り返し、摺り合わせていくことで家族ぞれぞれがお互いに余裕を持って楽しく暮らせるように工夫していってみましょう。

<高祖常子>

認定子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。資格は保育士、幼稚園教諭2種、社会教育主事(任用)ほか。

NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、NPO法人子どもすこやかサポートネット副代表、認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人タイガーマスク基金理事ほか。子育て支援を中心とした編集・執筆や、叩かない子育て講座ほか、子ども虐待防止や家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。

著書は『男の子に厳しいしつけは必要ありません!』(WADOKAWA)、『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか、編著は『新しいパパの教科書』(学研)、『ママの仕事復帰のためにパパも会社も知っておきたい46のアイディア』(労働調査会)ほか。3児の母。

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