家族のダイバーシティが広がる中、家族を連れて3学期だけ移住し雪山生活を送ることを決意。
都会と雪山というデュアルライフ(二拠点生活)をしている、You Tubeチャンネル「とうちゃんはテンネンパーマ」を運営する動画クリエイター“イケさん”こと池辺政人さん。
子育て世代として気になるのは、子どもたちは小学校どうしているの?
今回はその辺りをイケさんに聞きました!
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子どもの「生きる力」を育てたい!-首都圏&雪山の二拠点デュアルライフのススメ その1-
家族の暮らし方の多様性が進んでいます。 そんな中で、首都圏と地方を行き来しながら暮らす「二拠点生活」が注目を浴びていますが、そんな二拠点生活をさらに家族のスタイルに合わせてカスタマイズ。 3学期だけ家 ...
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まずは校長先生に直談判!
パパコミをご覧のみなさん、こんにちは!
「とうちゃんはテンネンパーマ」のイケさんです!
千葉県松戸市在住ですが、「自分だけの子育てがしたい」「自由に働きたい」そんな思いのもと、冬の間だけ新潟県の湯沢町に来て家族全員で暮らすという二拠点生活(デュアルライフ)を敢行。
滞在中は湯沢町で子育てをしている様子をYou Tubeで発信しながら、ほぼ毎日楽しくスキーやスノーボードを楽しむ生活をしています。
仕事は動画クリエイター。
妻と一緒に立ち上げた、映像とWeb&グラフィックツール制作の会社をやっています。
リモートワークがしやすい職業柄、私たちは千葉にいた時に近い状況で働くことができていますが、よく心配されるのが、小学生の子どもたちの学校はどうしているのか?ということ。
実際に二拠点生活を計画した時に「最大の課題」だと思っていました。
そこで、最初に子どもたちが普段通っている小学校の校長先生に、自分たちがやろうとしていることを相談してみました。
すると校長先生からはこんな返事が返ってきました。
俺の教師人生の中で様々な相談を受けてきたけど、そんな相談事は初めてだ。
第一声は戸惑い100%(笑)。
でも我々の試みを面白いと仰ってくださって、全面的に協力していただけることになりました。
ただし、今までそういった前例は無いとのこと。
そして、どこの小学校へ通うのかという問題は教育委員会の範疇になるということで、判断は教育委員会へ委ねられたのです。
校長先生への相談と並行して、二拠点生活先の新潟県湯沢町の町役場の移住課に事情を話すと、すぐに町役場から湯沢町の教育委員会へ話を上げてくれました。
そして、私たちが住んでいる松戸市の教育委員会と湯沢町の教育委員会で話し合いをすることに。
その結果、住民票を移さずに短期の就学許可が下りることになったのです。
これは後で知りましたが、「区域外就学」という制度があったからなのです。
住民票がないところでも学校に通える制度がある!
「区域外就学」という言葉を聞いたことがある方は少ないと思いますが、文部科学省のサイトにこのように記載されています。
市町村教育委員会は、いじめへの対応、通学の利便性、部活動等学校独自の活動等の理由により、保護者が他の市町村の学校に就学させようとする場合、住所の存する市町村教育委員会との協議に基づき、他の市町村の教育委員会が受け入れを承諾した場合は、就学すべき学校を変更することが可能です(区域外就学)。
聞いた話では、その昔は全国を旅して公演をする旅芸人やサーカスなどに関係している子どもがこのような制度を利用していたということもあったようです。
そして平成28年12月の閣議によって、地方への移住が増えている状況を受けて、移住や二拠点生活に関しても区域外就学制度が活用できることが明記されたのです。
地方への一時的な移住や二地域に居住するような場合も教育上の影響等に留意しつつ、この区域外就学の手続きを活用すれば、就学指定校と他市町村の学校との間を行き来するようなことも可能です。
引用:文部科学省Webサイト
まさに私たちが適用されたのが、この部分です!
移住や二拠点生活のブームに伴い、今回の恩恵を受けることができました。
ただし、教育委員会によって「区域外就学制度」の申請理由は異なるようです。
いじめや不登校、身体的な理由などを挙げている所は多いですが、二拠点生活をWebサイトに明記している自治体の教育委員会はほぼなく、この辺りは相談があった場合に判断するといった感じです。
二拠点生活を理由に、区域外の学校へ就学するという事例が少ないからかもしれません。
新潟県の湯沢町は、そもそも移住に対して前向きで、子どもをスキー&スノーボードの選手に養成するために、冬季間だけ湯沢町に移住する家族が古くから多くいると聞きました。
そのため、私たちの希望に柔軟に対応してくれたのではないかと思います。
実際、小学校の3学期から転入する子供は8名もいて、そのうち5名(我が子2名を含む)の生徒が冬季間限定の転入生で、これには本当に驚きました!!
ぜひ二拠点生活にチャレンジしてみたいという方は、まずは教育委員会に相談してみることをお勧めします!
とうちゃんスキーとかつれてってくれてありがとう
冬の間、我が家の子どもたちが通っている小学校は、少子化により近隣の小学校4校が統合して、5年前に建て替えられました。
校舎はびっくりするほど設備が豪華で、我が家の子どもたちもお気に入りです!
現地の子どもたちはみんな人懐っこく、「こんにちはー!」と元気に声を掛けてくれます。
そしてこの小学校には、雪国ならではの「スキー授業」があります。高学年になると「クロスカントリースキー」の授業もあるんです!
僕は自ら志願して、スキー授業のボランティアスタッフをやりました。
以前、シーズン最後のスキー授業が終わった直後、僕の受け持った生徒たち全員が「すごい楽しかったー!」ってハグしてくれたんです!!!
嬉しすぎて泣きそうになっちゃいました(笑)。
では、そんな学校に通っている我が家の子どもたちはどう感じているのか?
日々何となくそう考えていた時、息子からのメッセージが机に置いてありました。
「いきなりどうした?」って聞いたら、照れながらこう言いました。
「ここに来てからいっぱいスキーができて嬉しい」
もうこの言葉だけで十分です。
僕が子どもたちに体験させたかったこと、一緒にやりたかったこと、そのすべてを受け入れてくれて、初めてのことに戸惑いながらも一緒に楽しんでくれた。
息子からもらったメッセージは短文だけど、その想いは十分に伝わりました。
そして娘も同じくして、ここ湯沢町での生活を心から楽しんでくれています。
湯沢にいる時は、毎晩家族一緒に夕食を食べます。毎晩一緒にお風呂に入ります。
千葉で暮らしていた時には、こんなに毎日たくさんの時間を一緒に過ごすことなんてありませんでした。
父親は、夜遅くまで仕事して帰宅するのが当たり前だと思っていました。
父親は、週末だけの”スペシャルな存在”がちょうどいいと思っていました。
住む環境を変えたことで、「今までの当たり前」がそうでなくなり、より子どもたちのことを深く知れるようになりました。
家族と過ごす時間のありがたみ、大切さに気づくことができました。
経験者の話を聞いたり、本で読んだりしただけでは、この大切さには気づきませんでした。
実際にやってみて体験しないとわからないもんです。
実は子育てって期限があるんです。
つまり終わりが来るんです。
とうちゃんが子どもたちのボスでいられるのは、彼らの人生のほんのわずかな時間。
その限られた時間を、最高で最愛のボスになるためとうちゃんはまだまだこれからも奮闘するのです!
ちなみにスキー授業の前には自主的にコースチェックしたりしています。
その動画がこちらです!
どうです?
この冬、雪山に住みたくなりましたか?