カルシウムなどの栄養が豊富で、子どもも大好き!子育て世代の食卓に欠かせないチーズ。
たくさん種類がある中から、子どもにおすすめのチーズはどんなものがあるのでしょう?
今回は東京都目黒区で20年以上の歴史を持つチーズ専門店『Euro Art』(ユーロアール)の鈴木荒太さんに、100種類以上あるお店のチーズの中から、特に子どもにオススメしたいものを3つ選んでいただきました。
子どもが小さいうちに本格的なチーズを!
きっとチーズを食べ始めるのは2歳くらいからだと思いますが、このくらいの時期は、子どもの味覚の基本が作られるとき。
つまり、その後の食生活に大きく影響を与える時期です。
テレビのレポーターのように詳しく味を解説することはできませんが、味はしっかりわかっています。
だからこそ手を抜かず、できるだけ本格的なものを体験させてあげたいですよね。
また、チーズの中にはクセが強くて食べにくいものもあります。
大人になると事前にその情報を知った上で食べるので、食べる前から抵抗を持ってしまっている場合があります。
小さい子どもの場合、その先入観がないので、シンプルにおいしいかどうかの判断ができます。
子どもによっては大人でも苦手な人が多いような、とてもクセが強いチーズを好きになる子もいます。
うちのお店でも、クセが強いことでも有名なブルーチーズの一つ『ロックフォール』が大好きな子どもがいて、いつもショーケースの前に貼り付いています(笑)。
チーズには本当にたくさんの種類があって、好みもそれぞれなので、基本的には適材適所で何を選んでも構いません。
よくスーパーでみかける大手メーカーの『プロセスチーズ』は専門家から見ても完成度の高い一品なので、そういったチーズを楽しむだけでも充分です。
しかし今回はせっかくなので、おうちのチーズのラインナップに加えてほしいナチュラルチーズを紹介します。
【おすすめ1】フランスで幅広い世代に圧倒的人気のチーズ
日本では、カマンベールチーズやモッツァレラチーズなどが特に人気が高いように感じますが、フランスで圧倒的な消費量ナンバーワンを誇るチーズが「コンテ」です。
「コンテ」は冬の寒さが厳しいフランス東部、スイスとの国境地帯であるフランシュ・コンテ地方のジュラ山脈一帯で産まれた、保存性の高い大型ハードタイプチーズ。
とにかくクセがなく幅広い世代に人気。
それが消費量ナンバーワンの背景にあります。
スライスしてサラダにかけたり、サンドイッチに挟んだりとオールマイティに使えますが、子どものいる家庭におすすめしたい食べ方は、ただキューブ状にカットするだけ。
これをオヤツにぜひ食べて欲しいです。
栄養もたっぷりありますし、チーズは腹持ちがいいので、お菓子でおなかいっぱい、ということを防ぐことができると思います。
【おすすめ2】栄養たっぷりで朝ごはんに食べたいチーズ
スイスを代表するハードタイプのチーズ「エメンタル」。
長期間にわたって熟成させる間にできる「チーズアイ」と呼ばれる穴がある見た目が特徴的。
チーズのイラストなどでよく穴のあいたものを見ますが、それはだいたいこの「エメンタル」を描いたものがわかりやすいからです。
そもそもカルシウムが豊富の中でも、成分が凝縮するハードタイプは、特にカルシウムが多いのが特徴。
そういう意味では子どもにもたくさん食べさせたいですよね。
香りや塩気にクセが少ない「エメンタル」は、なめらかに溶けるのでチーズフォンデュに使うことが多いチーズです。
あとはグラタンなどでも使うこともありますね。
ただ、家ではなかなかそこまでしないと思うのでホットサンドやバゲットにハムと乗せて焼くと、簡単でおいしく、朝ごはんにはピッタリじゃないでしょうか?
【おすすめ3】香りを楽しめる、かけるチーズといえばコレ!
“イタリアンチーズの王様”とも呼ばれ、800年以上前からほぼ同じ品質で作られている「パルミジャーノ・レッジャーノ」。
厳格な基準をクリアしないとこの名前を使うことはできません。
日本でもイタリア料理のお店などでよくみかけますが、スーパーなどで売っている「パルメザンチーズ」はアメリカで「パルミジャーノ・レッジャーノ」に似せて作ったものなので産地や製法が違います。
味も香りもやはり違いますよね。
チーズの中でも特に硬い、超ハードタイプ。
それだけ硬いということは、より凝縮されているわけで、先ほどの「エメンタル」をしのぐカルシウムの多さが特徴。
使い方は、もちろん削っていろいろなものにかけるという方法がほとんど。
サラダやミートソース、ピザ、トースト、ご飯など、もう何にかけてもOKです!
そして、削ってかけるからこそ、香りがふわっと広がりやすく、チーズ特有の香りを楽しみやすいです。
最近では、街のスーパーなどでもチーズのラインナップが増えています。
今日伝えた3つのチーズを手に取ったことがない人もいると思いますが、どれも使いやすく、またやっぱりおいしいので、ぜひ試してみてください!
取材協力:人形町ぱちぱち