つい子どもを叩いてしまったパパは約5割!恐怖は問題解決にならない

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つい子どもを叩いてしまったパパは約5割!恐怖は問題解決にならない

子育てをしている20代〜50代のパパ200人に、LINE参加型アンケートコミュティ「パパしるべ総研」で毎週アンケートを実施。パパたちのリアルな声を見てみましょう!

日本では、2020年4月に子ども虐待防止の強化を目的とした児童福祉法、児童虐待防止の改正法案が施行され、親などによる体罰は法律で禁止されています。

しかしながら、子育てをしている中では、感情が抑えられないこともあるかもしれません。

今回はパパしるべ総研で行ったアンケートでわかった、パパたちの実情も含め、児童虐待に詳しい認定子育てアドバイザーの高祖常子さんにお話を伺いました。

パパの約半分が叩いた経験アリ

パパの約半分が叩いた経験アリ

まずはどのくらいのパパが、子どもを叩いてしまった経験があるのか聞きました。

  • ある:53.3%
  • ない:46.7%

 

叩いてしまった経験がある方が半数よりやや多い、という結果でした。

この結果は、高祖さんから見てどうでしょうか?

虐待や子どもへの暴力に関するアンケートは、ネガティブな回答をしにくいこともあってなかなか難しいのですが、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが2021年1月に行った調査の結果にある“叩いたことがある”と答えたのが55.4%だったので、ほぼ同じくらいですね。

体罰は法律でも禁止されましたが、子どもにはどんな悪影響があるのか?改めて聞きました。

まず、子どもの脳にダメージがあるなど成長・発達に悪い影響があります。

これは実際に暴力を振るわなくても、大きな声で怒鳴りつけたりすることでも同じです。

また、体罰などの虐待を受けた子どもは大人になってから反社会的な行動をとることが多く、攻撃性が高くなる傾向にある、さらに親子関係がネガティブになるという研究があります。

さらに、国の調査(20213月)では、体罰を行った親の約9割が“しなければよかった”と後悔した経験があると回答しています。

結局のところ、体罰は子どもにとってだけでなく、親にとっても苦しいものであるので、だったら子どもをぶったりしないで、親子ともにハッピーに過ごす方法を考えた方がいいですよね。

親の体罰は子どもの将来に影響する

親の体罰は子どもの将来に影響する

続いて、子どもに手を上げたことがある人に、叩いた回数を聞いたところ、このような結果になりました。

  • 1回だけ:12.0%
  • 5回未満:56.0%
  • 10回未満:8.0%
  • 10回以上:24.0%

7割近くの人は1~5回とそれほど多くない結果となっていますが、一方で10回以上という人が24%というのは思ったよりも多い印象があります。

10回以上と答えた人は、体罰が常態化しているとみることができると思います。

実はここが大きな問題です。

そもそもこの人たちは“子どものために必要なので体罰をしている”というように、体罰自体を肯定的に受け止めている可能性があります。

改めてセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査をみると、2017年の調査に比べて、体罰を容認する人は減ってきていますが、それでも“お尻を叩く”“手の甲を叩く”といった行為についてはいまだに約半数が容認しています。

そういった人たちは、痛みや恐怖で子どもをコントロールするという手法で、子どもをしつけようとしていると考えられますが、これは子ども自身が自分で考え、解決しようとする力を育てていないことにもなります。

例えば、パパ世代のみなさんも、遅刻して廊下に立たされた、宿題をしなくてぶたれたという経験があるかもしれません。

立たされれば遅刻しないようになりますか? 

ぶたれたから宿題をするようになるでしょうか。

痛みや恐怖は問題解決の方法を教えていないし、考えさせていないということです。

しかも、”ぶたれる”ことを避けるために、嘘をつく等して子どもなりに回避しようとするかもしれません。

こういった経験をしていると、大人になってからも怖い上司や先輩の顔色を見ながら生きていくことになったり、自分の意見を言うことができなくなってしまうということも考えられます。

要は怖い人に怒られないように、怖い人の正解を探しながら生きていくことになるということです。

本当にそれでいいのでしょうか?

ぶって言うことを聞かせることは、子どもの自主性や積極性を奪っていると気づくでしょう。

自分の体調が悪い、または仕事で嫌なことがあったなど余裕がないときには、反射的に感情を抑えられず手を上げてしまいそうになることもあるかもしれませんが、それは自分自身の怒りの爆発です。

子どもが大きくなった時にどのような人になっていて欲しいのか?

長い目で考えてみてください。

親自身も怒りを収め、子どもと向き合う練習をする必要があります。

皆さんに答えていただいたアンケートにはまだ続きがあります。

次回はその回答を含めてさらに深く、高祖さんにお話を伺っていきます。

アンケートにご協力いただきありがとうございました。


さて!

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<高祖常子>

認定子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。資格は保育士、幼稚園教諭2種、社会教育主事(任用)ほか。

NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、NPO法人子どもすこやかサポートネット副代表、認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人タイガーマスク基金理事ほか。子育て支援を中心とした編集・執筆や、叩かない子育て講座ほか、子ども虐待防止や家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。

著書は『男の子に厳しいしつけは必要ありません!』(WADOKAWA)、『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか、編著は『新しいパパの教科書』(学研)、『ママの仕事復帰のためにパパも会社も知っておきたい46のアイディア』(労働調査会)ほか。3児の母。

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