夫婦喧嘩で仲直りができない..関係修復に欠かせない一言とは?

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夫婦喧嘩で仲直りができない..関係修復に欠かせない一言とは?

夫婦は一番近い存在だからこそ、些細なことで喧嘩に発展してしまう。

考え方や価値観の違いから夫婦喧嘩になってしまうのは仕方ないとしても、できればなるべく早く仲直りして納めたいですよね。

とはいえ、素直に謝れない・きっかけが作れなかったりと、仲直りが苦手な人もいます。

今回はそんな仲直りの方法に悩むパパに、アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、仲直りするために必要なことを聞きました。

夫婦喧嘩のあと、自分で「仲直りしない」と決めてませんか?

夫婦喧嘩のあと、自分で「仲直りしない」と決めてませんか?

質問者
それほど多くはないと思うのですが、時々妻と激しい夫婦喧嘩をしてしまいます。

困るのは私は仲直りができないタイプなので、喧嘩するたびに長引いてしまうことです。

何かいい仲直りの方法はないでしょうか?

今回は結論から言いましょう。

確実に「仲直りする方法」は残念ながらありません。

原因も様々であれば、喧嘩をしている夫婦の性格も価値観も様々なので特効薬はないのです。

であれば、「方法」という「やり方」にフォーカスするよりも、喧嘩うんぬんではなく自分や夫婦の「あり方」について考えてみてはどうでしょうか?

そうしたら仲直りに繋がるヒントはきっと見つかると思います。

仲直りできない=仲直りしない

アドラー心理学では自分の行動は自分で決めている「自己決定」が前提だと考えます。

そうなると「○○できない」ということは「○○しない」と自分で決めているのと同じです。

もちろん「180キロの剛速球を投げることができない」といった物理的にできないこともあるかもしれませんが、そんな人間離れしたことではないことで考えてみてください。

「ダイエットできない」「禁煙できない」そんな声を聞くことはたくさんありますが、世の中には「ダイエットできた人」「禁煙できた人」は山ほどいます。

本当に100%不可能かと言われたら、結論はそうではないはず。

同じように考えると「仲直りはできる」のです。

仲直りしないワケ

ではなぜ「仲直りをしない」という行動を選択しているのでしょうか?

多くの場合「その方が楽だから」です。

もちろん険悪な雰囲気の中で過ごすのは決して楽しいことではないはずです。

ただ、仲直りをするためにはそれなりに自分の行動を何か変えたり、アプローチをする必要があって、それをするのが面倒だったり、気持ち的に嫌だったり。

だったらこの険悪な雰囲気で過ごす方が楽だ、という深層心理があると考えられます。

他にも、自分の非を認めて謝ったりするのはプライドが許さない。

負けや間違いを認めたことになると考える人もいるでしょう。

それもまたやりたくない、やらない方が楽だと感じますよね。

時には「相手が謝ってくれればいいのに」「相手がいつものテンションで来てくれたらこっちもおさまるのに」といった具合に、相手の行動に勝手な期待を抱いていることもあるかもしれません。

その上で相手がこちらの思ったように行動しないからさらにイライラ。

なんだか不毛なことをしているように感じるのは私だけでしょうか?

本当に仲直りがしたいなら、何ができるか考えて行動してみませんか?

仲直りに必要なのはルールと本音

仲直りに必要なのはルールと本音

夫婦喧嘩はゼロにならない

夫婦に限らず、コミュニケーションは「わかってほしい」のせめぎ合い。

でも、それぞれ考えも価値観も違うからことそれが通じなくてもめてしまいます。

そう考えると、喧嘩自体を無くすことはほぼ無理。

特に夫婦は最も近い関係だからこそ、お互いに「わかってくれるはず」と考えがち。

だからこそ、ちょっと違うだけで「なんでわかってくれないの!」とぶつかりやすい。

しかも、わかってくれる前提なので、そもそもちゃんとお互いの考えを丁寧に伝えていないことも多くなります。

じゃあ、どうするのか?

ルールを決める、ただし注意が必要

ひとつは事前にルールを決めておくという方法があります。

例えば「どんな喧嘩も次の日には水に流す」といった喧嘩の期間、過去のことや人格を否定することは言わないことなど。

ただし、ここでも注意しないといけないのは、ルールを完璧に守れる人はいないということ。

ルールを決めると、それを破った時に喧嘩の種になることも少なくありません。

相手がルールを破ると腹が立つと思いますが、自分がルールを破ることだって長い目で見ればあるはずなので、ルールにとらわれすぎない柔軟さも大事にした方がよいと思います。

またルールをどうしても守れないことが続く場合は、そのルールが合っていないことも考えられます。

ルールは変えてはいけない、という思い込みは捨てて適宜見直していく柔軟さも持っていきましょう。

一番大事なのは本音を話せる関係性

ルールを決めるためには話し合うことが必要です。

この時に、互いにちゃんと言いたいことを言っていないと、どちらかが納得していないルールができてしまうなど、ガマンしないといけない状況になってしまいます。

ストレスをため込んだ上で爆発した夫婦喧嘩ほど厄介なものはありませんよね(汗)。

だからこそ、本音を言える環境が大事なのです。

ただ、本音を言うのは勇気が必要です。

もし本音を言って怒らせてしまったり、悲しませてしまったりしたらどうしよう。

また本音を否定されてしまったら、それは誰でも凹みますよね。

それでもやっぱりいい関係を築くためには、怖くても一歩を踏み出す必要があるんだと思います。

仲直りしたいなら言うことはひとつ

夫婦喧嘩の状態が続いている時、あなたが思っている本音はなんでしょうか?

その本音を言うだけで状況はきっと変わるはずです。

「仲直りがしたいです」

そう言われた相手はどう思うでしょう?

もしかしたら、相手も仲直りがしたいと思っているかもしれません。

そうであれば仲直りはスムーズです。

また、多少納得していない場合も、一緒に協力して仲直りする方法を考えるきっかけとなる可能性もあります。

もちろん「何よ!」など言い返される場合もあると思いますが、それは仕方ないこと。

それでも、相手に引き続き文句を言ったり、何も言わずに黙り込むよりはマシではないでしょうか?

仲直りをお願いするなんて喧嘩に負けたみたいじゃないか!と思う人もいるかもしれませんが、「喧嘩に勝つこと」と「夫婦で仲良く過ごすこと」、あなたが心から望む本音はどっちかよく考えてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 行動は全て自己決定。「できない」のではなく「しない」を選択している。
  • 楽だから「しない」。でもそれでは何も変わらない。
  • 事前にルールを決めるのも仲直りに有効。
  • とにかく本音を話すことが大事。仲直りしたいなら「仲直りしたい」と伝える。

言われてみれば簡単なことではあるのですが、なかなかできないですよね…。

あ、「できない」のではなく「していない」だけということですよね。

気持ち的には厳しいですが、夫婦で仲良く過ごせるのであれば、どんな結果になろうと、まずはやってみましょう!

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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