言い方がきつい妻の「料理教室に行け!」どう対処したらいい?

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言い方がきつい妻の「料理教室に行け!」どう対処したらいい?

夫婦で協力していくためには、お互いのコミュニケーションをしっかりと取ることが大切です。

とはいえ、時には感情的になって「そんな言い方しなくても…」となる場合もありますよね。

今回は妻からきつい言い方をされてモヤモヤしているパパからのご相談。

こう言われた時どう対処したら良いのか?

妻の言葉の裏側に隠されている心理とは...?

アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、具体的なアドバイスをお伝えします。

妻からきつく言われる前のSOSを見逃してないか?

妻からきつく言われる前のSOSを見逃してない?

質問者
4歳の娘を夫婦共働きで育てています。

基本的に料理は妻が担当で、僕はたまにしかしていませんが、先日突然「料理教室に行け!」と言われてモヤモヤしています。

僕の作る料理がそんなにおいしくなかったのでしょうか?

また、そんなに強く言うことでしょうか?

味の好みは本当に人それぞれなので、夫婦で趣味が合わないこともあるでしょう。

ただ、言い方を含めて考えると、どうも味の話ではないような気がします。

「料理教室に行け!」という言葉にはどんな意味があったのでしょうか?

妻が困っていることはなにか?

アドラー心理学では「怒り」という感情は「2次感情」であり、本当に伝えたい「1次感情」があるものの、それがうまく伝わらないことに困り「怒り」という手法を使っていると考えます。

端的に言うと「怒っている人は困っている人」とも考えられますよね。

文面だけを見る限り、少なくとも妻は怒っていると思いますが、その1次感情はなんでしょう?

家事が大変だと感じていてそれがあなたに伝わらないことへの「落胆」、その大変さを共有できない「寂しさ」などがあるように感じます。

あくまで想像ではありますが、そこに「料理教室」という言葉があることから、きっと妻は料理をすることにストレスを感じているのではないでしょうか?

それは献立を考える大変さだったり、時間がなくて満足にできない不満だったり、なんで自分ばかりがやっているのか?という不公平感だったりするかもしれません。

いずれにしても、この言葉からは「料理が大変だからサポートしてほしい」という思いが感じられるような気がしますが、どうでしょうか?

最初からこの言い方だったか?

もうひとつ気になるのは、質問の中に「突然」と書かれているところです。

個人差はあると思いますが、いきなり「料理教室に行け!」というトップギアに入るケースはそう多くないと思います。

おそらくそれまでに何度か、料理をやってほしいという意味合いの言葉はあったのではないでしょうか?

ただ、お願いしにくいと感じていたりする場合、あまり直接的な表現ではないことも多く、気づきにくかったのかもしれません。

とはいえ、もし仮にそういうプロセスがあったと仮定すると、きつい言い方で言ったのにはそれなりに理由があり、もっと早い段階で気づいていればここまでたどり着かなかった可能性はあると思います。

「妻の言い方がきつい」と感じている人の中には、このきつくなってしまった後の言い方ばかりに注目して、そうではない言い方に注目できていないケースがよくあると感じます。

果たして、本当に突然だったのか?

ここはもう一度考えてみる必要がありそうですね。

大事なのは“料理教室に行く行かない”ではない

大事なのは“料理教室に行く行かない”ではない

妻に反発してもなにも進まない

妻がここまで言う目的を考えてみると、料理においては負担を減らすことや、あなたにも関わってもらうことではないかと想像します。

ただ、今回はたまたま料理だったかもしれませんが、おそらくいろいろなことにおいて主体性を持って一緒に考えて、一緒に取り組んでほしいという気持ちもあるのではないでしょうか?

そう考えるとあなたがした方がいいことは少なくとも「そんなの行かねーよ!」と反発することでもなければ、「OK!じゃ行ってくるよ」というノー天気な反応でもないと思います。

例えあなた自身が料理は苦手だと感じていたとしても、妻が困っているのであればきっとできることはあるはずです。

そうやって一緒に考えていくことではないでしょうか?

とはいえ全部に同意しなくてもいい

ただ、あなたに対して「行け!」と上から目線で命令することは、いろいろな背景があったとしても失礼なので、モヤモヤする気持ちはわかりますし、同意する必要はありません。

一方で、「そういう言い方はしないでほしい」と正面から言っても、余計な反発を生んでしまいかねません。

大事なのは、普段から穏やかに言いたいことを伝えられる土台を作ること。

つまりは日常的に対等なコミュニケーションを取ることです。

どっちがいいとか悪いとかジャッジするのではなく、相手の関心に関心を持ってインタビューしていくような感覚。

隣に立って同じゴールを見据えて話し合っていくことができれば、きっと現状は変わっていくと思います。

料理教室に行くかどうかは置いておいて、まずはじっくりと話を聞いてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 怒っている妻の1次感情を考えてみる
  • きつい言い方にばかり注目せず、そこに至るまでにサインは見逃してなかったか考える
  • まずは日常的に対等なコミュニケーションを心がけることから

きつい言い方をされると反発してしまうこともありますが、何より凹みますよね。

そんな時にその言い方をした相手が悪いと思うのではなく、自分の行動を見直す。

そんな器の大きさを持ちたいものですね。

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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