新年度がスタートして、新たに保育園生活が始まった人もたくさんいると思います。
親としてはとても大変ですが、それは子どもも同じ。
時には「保育園に行きたくない!」という、行き渋りにつながってしまうこともあるようです。
今回は、そんな行き渋りに困っているパパにどのように対応したら良いか、アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。
保育園に入れたという選択に自信を持って
最初は順調だったのですが、最近たびたび行くのを嫌がります。
保育園に行けば楽しそうなので園は嫌いではなさそうですが、やっぱりまだ離れたくないのかな?と考えてしまいます。
こんな時はどうしたらいいでしょうか?
個人差こそあるものの、環境の変化に順応するのは誰だって大変です。
それは大人も小さい子もきっと同じだと思います。
正解、不正解では考えない
ご質問のパパはきっとご家族の状況や方向性もあって、1歳から保育園に入れるという選択をしたと思います。
あくまで想像ですが、「まだ離れたくないのかな?」と思っているということは、いろいろな葛藤があったように感じます。
保育園や幼稚園に子どもを預けるにあたって、どのようなタイミングにするかは、価値観によるものだと思います。
古くからまことしやかに伝わる「三歳児神話」「三つ子の魂百まで」は、そこまで気にしなくていいとも言われますが。
そうは言ってもやっぱり小さいうちは家で育てた方がいいんじゃないか?と考える人もいれば、そもそも子どもの成長を近くで見たいので預けたくないという人もいます。
そんな自分たちと違う選択をしている人と接したり、自分たちの働きたいという思いなどを優先しているように感じていたりする場合には、決断が揺らぐこともあるかもしれません。
しかし、どっちの選択が正解とか不正解ということでもありませんし、そこを比べることは解決にもつながりません。
様々な「決めつけ」から抜け出してみる
小さいうちから保育園に行くことが悪いわけじゃない
大切なことは決めた以上、その状況を受け止めて、そこから自分たちの中で最善の方法を探すことではないかと思います。
そもそも1歳から保育園に預けることは子どもにとって良くないのでしょうか?
日本ではそんなイメージを持つ人がいるかもしれませんが、私が生まれたフランスなど海外では、生後すぐから親とは別の部屋で寝ることが当たり前で、夜泣きという言葉も存在しない国がたくさんあります。
日本では考えにくいことかもしれませんが、それでもみんな立派に育っています。
もちろん日本でも、1歳やそれよりも小さい時から保育園に通っていた子が立派に社会で活躍しているケースもたくさんあります。
そう考えると、「良くない」と決めつけてしまっているところがあるかもしれません。
子どもに一人の人間として協力してもらう
アドラー心理学では、たとえどんな年齢であっても子ども扱いせずに、一人の人間としてリスペクトすることを大事にしています。
子どもだって家族の一員であり、ハッピーに生活していくために協力するメンバーなんです。
「行きたくない」と子どもが泣くと、親としては当然「かわいそう」と感じてしまい、「保育園に預けてごめんなさい」という、まるで犠牲にしているような気持ちを持ってしまいがち。
しかし、子どももメンバーの一人と考えたら、ちょっと言い方は変わるはずです。
言うなれば「パパとママは生活するためにこういう選択をするから、保育園に行くことで協力してほしい」という感じでしょうか。
1歳では、そこまで理解できない可能性もありますが、ちゃんと話すこと、そしてそういった姿勢で接することで、思いはきっと伝わるはずです。
すぐに行き渋りだと決めつけない
また、「子どもが行き渋る」という相談はよく聞きますが、それって本当に行き渋りなのかな?ということも結構あります。
たまに行きたくないと言ったりする程度であれば、たまたまそういう気分の日だっただけかもしれないし、大人には想像できないような何かしらの理由で行きたくないと言っていて、実は保育園は大好き、なんてケースもあります。
保育園に行く途中に犬がいる家があってそこを通るのが嫌だったので、行くコースを変えたらすっかりおさまったという話も聞いたことがあります。
また、週に一回ベビーシッターに預けるようになったらおさまったという話もありました。
保育園に毎日通わせるか?それとも仕事を辞めて一緒にいるか?そんな極端な二択で考えてがちですが、実は少しだけ環境を変えただけで全然変わることだってあります。
今は保育園以外の保育サービスもかなり充実しているので、もちろん金銭的にはきついかもしれませんが、そういうものも利用するなど、視野を広げて工夫してみてはどうでしょうか?
また、一度決めたらそれを続けないといけない、というのも決めつけです。
変えても別にいいじゃないですか?
状況に応じた柔軟な対応を心がけていきましょう!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 保育園に行かせるタイミングを正解、不正解で考えない
- 小さいうちから預けるのは良くない、などの決めつけから離れてみる
- 子どもを一人の人間として尊重して協力関係を作っていく
- そもそも行き渋りと決めつけない。保育園に毎日通う以外の選択肢も考える
自分ひとりで決めつけから抜け出すことは、わかっているけど難しいこと。
そんな時こそ、夫婦で協力して互いに決めつけていないかをチェックしながら進んでみると、視野も広がりやすいのではないかと思います。
熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!