育児と介護のダブルケアで限界…「全部やらなきゃ」を手放すためのアドラーの教え

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育児と介護のダブルケアで限界…「全部やらなきゃ」を手放すためのアドラーの教え

高齢化が進む日本で、育児と介護が同時にのしかかる「ダブルケア」に疲れたと感じる人は少なくありません。

今回は、まさにその渦中で共働き・子育て・親の介護を抱え、限界を感じているパパからの相談に、アドラー式子育ての熊野英一さんがアドバイス。

「自分がやらなきゃ」という思い込みを手放し、周囲に頼りながら乗り越えるための考え方や向き合い方をお伝えします。

ダブルケアに疲れたと感じるのはなぜ?限界を感じる理由とは

ダブルケアに疲れたと感じるのはなぜ?限界を感じる理由とは
質問者
質問者

5歳と3歳の男の子を共働きで育てています。

ただでさえ毎日カオスな状況なのに、年末、父が倒れて介護が必要になりました。

兄弟もいなくて頼ることができないため、物理的にかなり辛い状況なのですが、どうやって乗り越えていけばいいでしょうか?

まずは、毎日とても頑張っていることと思います。本当にお疲れ様です。

育児と介護、いわゆる「ダブルケア」という状況。

これから直面する人も多いと思うので、向き合い方について一緒に考えていきましょう。

誰しも降りかかる可能性がある困難

高齢化社会が深刻な日本では、介護は避けることがなかなか難しい状況が続いていると思います。

かつては、ちょうど子どもが独り立ちするくらいのタイミングで介護が訪れることが多かったものの、近年晩婚化しているため、結果的に育児中に介護が始まるケースが増え、「ダブルケア」という社会問題になりました。

「もっと早く結婚して、子どもを作っておけばよかった」という声を聞くことも多いですが、親子の年齢が近いと、のちのち「老老介護」になる可能性もあるわけで、結局のところどっちがいいということでもなく、いずれにしても困難は起こりえるともいえます。

考えてみれば、そもそも人生は困難の連続です。

後悔しても人生は巻き戻すことができない以上、そこからどのように乗り越えていくかを考えるしかありません。

ここはひとつ「よし!」と前向きに腹を括るところからはじめてみましょう。

辛い状況に陥りがちな人の傾向

かねてから日本は「文句を言わず、黙々と頑張っている人」を称賛する風潮があり、それを美徳とするところがあります。

だからこそ介護や育児についても「自分がやらなきゃいけない」と思いがちです。

また、もしもできなかったときに周りから「弱い」と見られてしまうことを恐れて、どんなに辛くても「できる」と言い張ってしまい無理をしてしまうことも多いと思います。

しかし、現実的に考えると、それで乗り越えられなかった人も大勢います。

であれば、「自分は全部できる」「自分でやらなくてはいけない」という思い込みは、本当に必要でしょうか?

様々な困難に直面した時に辛い状況に陥りがちな人はこの思い込みが強い傾向がありますが、無理を重ねた結果、自分が壊れてしまったり、家族によくない影響が出てしまったら本末転倒ですよね。

まずは思い込みを手放して、一人で抱え込まない方法を考えていきましょう。

ダブルケアの負担を軽くするために必要な「勇気」とは?

ダブルケアの負担を軽くするために必要な「勇気」とは?

人は不完全である

アドラー心理学では「共同体感覚」といって、仲間同士で貢献し合い、協力していくことを大切にしていますが、その背景にあるのは

「そもそも人はみんな不完全で、一人では困難を乗り越えられない」

という前提があります。

どれだけ「やらなきゃいけない」と思っていることがあっても、物理的に、能力的にできないことはあります。

それを認めるのはなかなか難しいものですが、まずはその「不完全な自分」を素直に受け容れることが大切です。

周りからなんと思われようと、ありのままの自分を認めること。

とても勇気がいることですが、それができたら、ようやく問題にしっかり向き合えるようになるはずです。

「助けてください」と言うこと

アドラーはこんな言葉を残しています。

アドラー心理学のポイント

「勇気がある人は、困難を克服できると信じ、問題に立ち向かう」

アドラーが言う「勇気」は「困難を克服する力」ですが、もう少し平たく言うと「自分にできないことを認めて、周囲に協力やサポートを求めること」つまり「助けてください」といえる力です。

質問には頼る人がいないと書かれていて、きっと今はご自身とパートナーですべてをやろうとしているように感じます。

しかし、兄弟や親戚以外にも自治体やNPOなど、相談できる相手はゼロではないはずです。

もっと外に目を向けて、視野を広げることが必要だと感じます。

もしかしたら「いろいろなところに相談しても、どうせ助けてくれない」と思っているかもしれませんが、それも思い込みのひとつ。

やってもいないのに決めつけるのはもったいないですよね。

いったん、他者を信頼する姿勢も持ってみましょう。

アドラーの弟子であるドライカースはこんな言葉を残しています。

「勇気はみんながもっているもの。ただそれを閉じ込めてしまっているだけ」

最初は歩くことはできない赤ちゃんも、何度も倒れて練習を重ねていくうちに歩けるようになります。

きっと、あなたもこれまで新しいことにチャレンジして困難を乗り越えてきたはずです。

「人生は困難の連続」と書きましたが、一方で「チャレンジの連続」でもあるわけです。

勇気をもってチャレンジを繰り返せば、きっと道は開けるはずです。

もしかしたら想像していた道とは違うかもしれませんが、それでOKです。

今は厳しい状況かもしれませんが、勇気をもって前向きに進んでいきましょう!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 「できる」「やらなきゃいけない」という思い込みは手放す
  • 不完全な自分を受け入れてみる
  • 他者を信頼して助けを求める勇気を持つ

苦しい状況で「もう詰んだ」と思うことはたくさんあると思いますが、そういう時こそ思い込みで視野が狭くなっているときなんだと思います。

助けを求めることは決して恥ずかしいことではないと思うので、どんどん周りを頼っていきましょう!

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