「言いたいことが言えない夫婦関係って、自分だけ…?」
家庭内で本音を伝えられず、モヤモヤしたまま日々が過ぎることに悩んでいませんか?
今回は、その傾向がとりわけ強く、妻に対しても言いたいことが言えず、夫婦関係に悩むパパからの相談。
言いたいことが言えない夫婦には、多くの共通する背景や心理があります。
本記事では、そんな葛藤を抱える方に向けて、無理なく本音を伝えるための心構えや実践のヒントをアドラー心理学の観点から解説。
「夫婦はチーム」――そんな思いを込めて、関係を一歩深めるための第一歩を一緒に考えていきましょう。
言いたいことが言えない夫。悪くは無いけれど...


結婚10年目。8歳の娘を共働きで育てています。
妻はハキハキしていて意見をはっきりと言ってくるタイプなんですが、自分はそれが苦手。
結局言いたいことを言えずに家のことはいつも妻主導で進んでいきます。
こんな夫婦関係でいいのかなと悩んでいるのですが、問題ないでしょうか?
かつては「遠慮が美徳」とされ、「自己主張が強い」人は好まれないような風潮もありましたよね。
世界的に見ても日本人は主張が苦手とは言われますが、全部我慢するような形ではストレスもたまりますし、なんとかしたいですよね。
少しでも言いたいことを言えるようになるにはどうしたらいいか、考えていきましょう。
とても気遣いが出来る人が陥りがち
言いたいことを言うことは大事ですが、常に自分の言いたいことを言い、相手に押し付けるようでは、いい関係性を築くことは難しいもの。
「相手の思いを慮り、気遣い、配慮して自分の意見を押し通さずに譲ることができる」そう考えれば、意見を言わずにいることも、物事をスムーズに進める上では大切なことだと思います。
「意見を言わない」のであれば、それはあなたが選んでいることだから問題ないと思いますが「意見を言えない」つまり納得していない状態であれば、改善する必要が感じられます。
配慮はしても、遠慮はし過ぎない方がいい
チームで何かを考える時。
メンバーそれぞれが持つ知識や経験を元に異なる意見を出し合い、建設的に探求していくことでより良いアイデアにつながると、ビジネスではよく言われます。
これを夫婦で考えてみるとどうでしょう?
そもそも夫婦で意見や価値観が違うのは当たり前のことです。
家族というチームがいい運営をしていくためには、妻一人の考えで進んでいく方がいいのか?それともあなたの考えも踏まえて進んでいくことがいいのか?
一人の考えで進んでいくと、その人が見えていないリスクなどで失敗することも考えられますよね。
また、より良い選択を知らずに進んでしまう可能性だってあります。
つまり、あなたが言いたいことを言わないことは、家族というチームにとってマイナスに働いてしまう可能性をはらんでいるとも言えます。
相手に配慮をすることはとても大事なことですが、過度な遠慮はしない方がいいとも考えられます
だからこそ「言えない」と、シャットアウトしないで、節度ある主張ができるようになった方が、家族にとってよいと言えると思います。
では、どうしたら言えるようになれるでしょうか?
意見を言うことで、妻と良い関係を築く一歩にもなる

人は“支え合う”ことで生きていける
自分の考えや本心を言えずに悩む人に向けて、アドラーはこんな言葉を残しています。
アドラー心理学のポイント
人は一人では生きられない。誰かとつながり、支え合うことで、生きていける。
私たちの周りには必ず他者が存在し、そのつながりの中で私たちは生きています。
「つながり」を大切に思っているからこそ、自分の意見を言うことで「つながり」が壊れてしまうことを恐れてはいませんか?
確かに何も言わなければラクなところもあります。
責任も取らずに済むし、反対されたり、バカにされたりするようなこともありません。
でも、それではチームに貢献することもできなければ、いい関係を築くこともできません。
であれば「間違っているかもしれないけれど」「これは個人的な考えなんだけど」といった枕詞を置きつつ、勇気をもって意見を言ってみてはどうかと思います。
妻と本心を言い合える関係を目指すのであれば、なおさらです。
相手を信じてみよう
もそもあなたの意見は、必ず反対されたり、バカにされたりするのでしょうか?
もしかしたらそれはあなたが決めつけていることかもしれません。
もしかつて反対された経験があったとしても、必ずそうなるとは限らないのです。
言い方を変えると「あなたは妻に対して、必ず反対してくる存在」と決めつけ、“信頼していない”とも言えます。
小さなことでもいいので、試しに言いたいことを言ってみないと、結果はわかりません。
ここはひとつ、もう一度妻を信じてみませんか?
もちろん、また反対されることも考えられます。
でも、それは最初から反対するつもりだったのではなく、単純に伝えたことが違うと感じただけかもしれません。
伝え続けていると、それが練習になり、いい案のいい伝え方もつかめてくる可能性も十分にあります。
また、ひとつの案が反対されても、その思いや考えは伝わります。
意見を共有していくことで、相手との理解が深まり、信頼関係がうまれるのだと思います。
「転職」「引っ越し」「家を買う」といった、ものすごい大きなことではなく、「今日、何を食べる」「週末どこへ行く」など、反対されたところで大したことはない日常的な小さなことから、あなたの言いたいことを言ってみたらいいと思います。
今は言うことにとても勇気が必要かもしれませんが、一歩踏み出してみたら意外とスムーズに進む可能性を信じて、ぜひやってみてください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 主張をせずに譲ることも悪くない。ただ過度な遠慮はチームにマイナスかもしれない
- 支え合う関係になるためには、枕詞を置きつつ節度ある主張をしてみる
- 相手を必ず反対する人だと決めつけずに信じてみる
言いたいことを言うのは本当に勇気がいることです。
でも、言えないままにいる家庭の居心地は決して良くないと思います。
未来のいい関係を築くためにも、ちょっとだけ頑張ってみてください!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!