その瞬間は突然やってきます。
突然身動きが取れなくなるほどの激痛が走るギックリ腰。
仕事はもちろん家事も子育てもできない状態になってしまうので自分も家族も困ってしまいますよね。
今回はそんなギックリ腰について、数々のトップアスリートのコンディショニングをしてきたフィジカルトレーナーの櫻井優司さんに伺いました!
運動不足は関係ない
腰椎の間にある椎間板という軟骨が、前後もしくは左右にずれてしまうことによって神経が傷つき痛みを感じる状態のことをギックリ腰といいます。
運動不足の大人がなりやすいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはないんです。
定期的に運動やトレーニングをしていても、トレーニングをしている最中でもなることがあります。
原因は姿勢を変える時など、動き出した拍子に変な方向に力が加わってしまうことで起きるので運動不足かどうかはあまり関係ないのです。
また、大人だけのものでもありません。
小学校高学年くらいの子どもでもなることはあるのです。
ただし、子どもは回復が早いのでほとんどのケースでは1日もあれば回復するのでギックリ腰だとは思わないでしょう。
一般的になりやすいと言われるのは、長時間同じ姿勢でいる人。
例えば車の運転やデスクワークをしている人などが挙げられます。
仕事中などは、集中して忘れがちかもしれませんが、時折ストレッチをして姿勢を変えるようにしてください。
ちなみに、普段から落ち着きがない人や貧乏揺すりをする人はなりにくいです。
また、モノを持ち上げようとしたときにもなりやすいです。
最近は、階段を登ることが少ないため、腹筋が弱い人が多いです。
モノを持ち上げる時にギックリ腰になるケースは、だいたい、腹筋と背筋のバランスが悪い人が、腕力と背筋に頼って持ち上げようとしてしまうために、腰に負担がかかってなりやすいのです。
そう考えると普段から階段を使ったり、腹筋トレーニングをしておくことは予防に繋がると考えられます。
オススメは赤ちゃんのポーズ!
もしもギックリ腰になってしまったらどうすればいいでしょうか?
まずは痛みをおさえるために冷たいモノで腰を冷やしてください。
ただし、長くても20分まで。
冷やしすぎてしまうと筋肉が固まってしまうので回復が遅れます。
ですから冷やしたあとは温めます。
お風呂に入るのもいいでしょう。
少なくとも2日は痛みがあると思うので無理な運動はしないでください。
そもそも痛くてできないとは思いますが、ジャンプや前屈、後屈は悪化させる恐れがあるので絶対にやめてください。
また、経験がある人はわかると思いますが、普通に前に歩くのは痛くて辛いと思うのでカニ歩きで移動してください。
一番楽な姿勢はヨガで言う「赤ちゃんのポーズ」。
仰向けに寝てから両膝を抱え込み背中を丸める格好です。
この姿勢をとると、痛みがだいぶおさまると思います。
また、イスに座って腰をツイストするストレッチもオススメです。
腰椎をねじって動かすことで、ずれていた腰椎が元に戻っていくからです。
最初は45度くらいから左右にできるだけゆっくりひねって10カウント。
ひねっているときは多少痛いと感じる場合もありますが、ギックリ腰の痛みは徐々におさまってくると思います。
楽になってきたらひねる角度を少しずつ大きくしていってください。
ギックリ腰はなったら本当にツラいですが、不意に起こるので気をつけるのは難しいところ。
普段から姿勢に気をつけることや、こまめにストレッチをすることが予防に繋がるので心がけてください。