子育て中に感じる体力の衰え...年齢を重ねることをどう捉えれば良い!?

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子育て中に感じる体力の衰え...年齢を重ねることをどう捉えれば良い!?

子供と遊ぶのは楽しい!

でも、体力勝負なのが悩ましいところ。

何せ子供の成長と反比例するように、親の体力は段々と衰えていくものですから。

この抗うことが出来ない「年齢を重ねる」という状況と、どう向き合っていったらいいのか?

アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、子育て中に感じる体力の衰えをどう捉えたら良いかアドバイスを聞きました。

人は常に年齢を重ねて変化するもの

人は常に年齢を重ねて変化するもの

質問者
息子が年長になり、どんどん動きが活発になっています。

親としては成長がうれしいのですが、だんだんと体力的についていけなくなっているようにも感じてツラいです。

子どもについていけるようにトレーニングに励もうと思いますが、なかなか時間も取れず。

このジレンマどうしたらいいでしょうか?

子どもがうまれるとたくさん遊んであげるぞ!と意気込むパパが多いと思いますが、いつかは体力が追いつかなくなってくるのも現実です。

でもそれだけわが子が成長してるうれしいことですから、前向きにとらえていけるように考えていきましょう!

生き物の宿命

人間だけでなく、生きているものは全て、生まれたところから毎日毎日変化をしているものです。

子どもだったらそれが成長で、一定の年齢を超えるとおとろえになっていきます。

これはもう生き物の宿命ともいえる現実です。

もしかしたら子育てをしていると、成長している姿が目の前にあるからこそ、特にそのおとろえが際立って感じてしまうかもしれませんね。

また、命についての考えも深まるでしょう。

「この子が〇歳になった時、自分は〇歳か」「何歳まで健康でいられるかな」などきっと子どもがいない時は、そこまで考えなかったことを意識するようになったと思います。

しかし、変えることができないものについて、悲しんでも仕方ないともいえます。

感覚としては、変わり続ける現状に合わせてアジャスト=調整していけばいいと考えてみてはどうでしょうか?

理屈はわかっていてもなかなかそれを実践するのは難しいものですが、状況を受け容れる必要はありそうです。

キングカズになれますか?

世の中には、年齢を感じさせない体力や筋力を保っている人がいるのもまた事実です。

50歳を超えてもいまだ現役のプロとしてプレーする、キングカズもその一人。

でも、どう考えてもそれはレアケースですよね。

トレーニングを重ねて、若い世代の選手に負けないパフォーマンスを保つという努力は、本当に頭が下がりますが、なかなかできることではありません。

できる限りのトレーニングで、パフォーマンスを保とうとすることは、キングカズと同じレベルではないとしても、やることに意味はあると思います。

もちろん、健康のためやケガをしない目的には近づくでしょう。

ただ、それもいつかは対応しきれなくなってしまうことが予想できます。

なので、いつまでも同じレベルを保つことを目的にするのは精神的にも肉体的にも厳しいことですから、やっぱりそこは年齢に合わせたレベル設定をした方がいいと思います。

体力の衰えや年齢をポジティブに捉える

体力の衰えや年齢をポジティブに捉える

年齢を重ねておいしく感じるものもある

大人になってピーマンが食べられるようになった。

40代になってから白身魚のおいしさがわかるようになった。

そんな経験はありませんか?

人は変化するからこそ、気づけるものが広がっていくこともあります。

ファッションだって、若い頃には似合わなかったものが似合ってきたりすることもあります。

若い頃は頭に血が上りやすかったけど、年を重ねてからは穏やかに過ごせる。

今まで見せられなかった弱みを見せたり、人を頼ることができる、そんな精神的な変化だってあります。

ベテランの味、いぶし銀の雰囲気、ポジティブな言葉もたくさんあります。

体力は落ちるかもしれませんが、得るものも多い。

「体力」という失うものに目を向けるのではなく、それ以外の得るものに目を向けましょう。

同じ事実の見方を変えるリフレーミング

アドラー心理学では、「リフレーミング」という手法があります。

直訳すると「枠組みの再構築」となりますが、つまりひとつの事実を、見方を変えてとらえるということ。

例えば「落ち着きがない」という表現を「行動的」、「飽きやすい」という表現を「好奇心旺盛」というように事実は変えなくても見方を変えるだけでポジティブに感じられます。

いわば「ポジティブ変換」というところでしょうか。

同じように「年齢を重ねる」という決して変えることができない事実もリフレーミングすればいいのです。

「子どもと遊ぶ」という点においては、たしかに体力がある若い人の方がダイナミックなこことができるかもしれませんが、年を重ねた人だからできるアイデア溢れる遊びや含蓄の深い言葉かけもありますよね。

子どもが「年を重ねたくない」と思わないためにも

一般的に「若さっていいよね」という言葉が聞かれるケースは多いと思います。

もちろん、変化し続けるものだからこそ「若さ」も貴重なものです。

でも同じように「年齢を重ねることもいい」。

どっちもいい部分を見れば、いいことだと考えられるはずです。

親が年を重ねることを必要以上に恐れて、「年は取りたくないな」「もうすこし若かったら」と何気なく言ってしまっていると、子どもたちもいつの間にか若さばかりが素晴らしいという価値観になっていってしまいます。

それは望ましいことでしょうか?

子どもたちだって年をとります。

その時に、ネガティブに感じてほしいですか?

こういったことを考える時に最も大切なのは「極端な二択」で考えないこと。

ゼロか100か、イエスかノーか、できるかできないか、数字で考えることなどは明確なジャッジが必要かもしれませんが、人生の中で考えると、「できるだけやる」「部分的にイエス」など、回答の幅は広いはずです。

もう少しグラデーションで考えて自分にとって心地よい落としどころを見つけることが出来るようになると、きっともう少し生きやすくなるのではないでしょうか?

年を重ねることに対して、憂うのか?抗うのか?楽しむのか?上手に付き合うのか?

その姿勢は、自分で決めることができます。

だとしたらあなたはどうするのか?ちょっと考えてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 人はずっと変化しているという事実を受け容れる
  • 年を重ねることで失うものより得るものに目を向けてみる
  • 極端な二択で考えない、グラデーションで考えて落としどころを見つける
  • 衰えとどう付き合うかは自分で決めることができる

自分より年上で楽しそうにしている人をみると、年を取るのが楽しみになることってありますよね。

子どもたちにとって自分たちがそういう存在になれたらいいなと思うので、目いっぱいおとろえを楽しんでみようと思います!

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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