パパしるべ編集長の杉山錠士です!
今回からパパしるべが臨んだ挑戦のレポートを、シリーズ連載としてお届けしていきます。
「ミッション子育て改革!パパしるべが地域の子育てを盛り上げるのです!」第1弾は、編集長の岡崎市初上陸から、現役子育て家庭に向けて実施したアンケートなどついてレポートします!
初上陸の愛知県岡崎市!
2021年6月20日、父の日にオープンしてから約1年。
様々なパパ向けの情報を発信してきた「パパしるべ」に白羽の矢が立ったのは、2022年3月。
母体となるNPO法人ファザーリング・ジャパンが、縁あって繋がった愛知県岡崎市と「Urban Innovation OKAZAKI」の取組の一環として、8月までの半年間にわたる協働事業をスタートさせたことに始まります。
これは岡崎市が抱える社会課題の解決を目的に、先進的なICT技術などを活用し、従来の手法にとらわれない解決策を保有するスタートアップ企業(成長型起業家)との協働実験の実施を目指す取組みです。
今回は「岡崎市の子育てを盛り上げる!」という社会課題に対して、我々「パパしるべ」とPAPATOを通じて取り組んでいこうということになったのです。
ただし、この時点で実際にどんなことをして岡崎市の子育てを盛り上げるのか?ということは決まっていませんでした。
これまで子育てに関わる様々な事業に関わり、全国各地に足を運んだことがあり、もちろん愛知県にもお邪魔していますが、岡崎市のことはよく知りません。
となれば、何をするかを考える上でまずは現地視察へ!
早速、岡崎市役所からほど近い東岡崎駅へ向かいました。
迎えてくれたのは、今回の事業を担当する岡崎市役所のパパ二人。
こども育成課の榊原さんと企画課の天野さん。
広報用のマイクが付いた車に乗って、岡崎市内の子育て世代が行く公園に案内していただきました。
街中でアクセス抜群!
コンパクトだけどタイヤのブランコなどが楽しい「籠田公園」。
市営の公園なのに、ゾウやサルがいてエサもあげられる!
動物園の要素が満載の「東公園」。
派手さはないけど、お手軽に楽しめる庶民派遊園地のような感覚の「南公園」。
開発が進む「乙川河川緑地周辺」など、聞けば公園の数は愛知県でもトップクラスという充実ぶり。
さらに、子育て中の人たちが遊びに来るだけでなく、引っ越してきた人たちに向けたサービスもある「総合子育て支援センター」。
託児所があり、子どもを預けてカフェで勉強や仕事の打ち合わせ、夫婦の話し合いもでき、さらにはジムや水泳で汗を流すことだって可能な「岡崎げんき館」といった公園以外の施設にも連れて行ってもらいました。
中でも個人的に素晴らしいと感じたのは、図書館を基調として複合的な楽しみができる大型絵本もたくさんある「りぶら」。
平日の午後に行ったのですが、小さい子を連れた親子から年配の方々、さらに勉強する地元の中高生まで、とにかくいる人の世代が幅広い。
しかもキレイ。これは近くにあったら通いますね。
「コロナ禍になる前はここで毎年子育て支援団体の人たちが中心となって親子向けのイベントを実施していたんです。今年も実施出来ればと思って6月の週末で施設をおさえているんですけど…」
こども育成課の榊原さんがポツリ。
確かにこんなところでイベントが出来たら楽しそうなのに、本当に残念でなりません。
地域外から来た身としては、いろいろな施設があることを率直にとてもうらやましいと感じました。
ただ、もしかしたら遊ぶところがたくさんあっても、何かしら課題があるのかもしれません。
この時はそんなことを漠然と考えていました。
余談ですが、岡崎市については事前にいろいろと調べてきましたが、そのひとつが娘から教えてもらった岡崎市を拠点に活動する人気YouTuber「東海オンエア」の動画で観たものでした。
実際に、街のいたるところには、彼らの写真やマンホールなどがあり、地元への思いに感心。
伺った日はちょうど春休みだったこともあり、聖地巡礼に訪れた学生で街があふれていて、その影響力の高さには本当にびっくりしました。
実際に岡崎市で暮らすパパやママの生の声を聞いてみた
一通り街を巡って夕方には市役所へ。
現地でフリースクールを運営するNPO法人サマーブルーの今井さん、そして我々NPO法人ファザーリング・ジャパンの東海支部の飛鷹さんといった子育て支援団体の運営もされているお二人、そして市役所に勤めるパパたちに集まってもらい、岡崎市の子育てについていろいろとお話しを聞く時間をいただきました。
寝かしつけの苦労話から、土日の公園での楽しい時間の話など皆さんのお話を聞く限り、とても積極的に子育てに関わっているようでしたが、気になる声もちらほら。
「公園はいろいろあるけど、どう遊んだらいいかわからない」
「気軽に相談できるパパはいない」
「育休は取ったけど、取りづらい雰囲気があったとは感じた」
「子育てに関わるパパとまったく関わらないパパの二極化を感じる」
これらは岡崎市に限らず、全国的なパパたちの悩みと共通しているものでした。
一方で、お話しを聞く限り岡崎市は専業主婦家庭や、地元出身で祖父母とも近い生活圏で暮らす人が比較的多いと感じました。
これは共働きや核家族が多いことで、子育てが大変な都市部の人たちとはちょっと違う特徴です。
これが子育てにとってはどのような影響があるのか?この時点では見えていませんでした。
約1週間後、今度は岡崎市で活動する子育て支援団体の方々と、オンラインでミーティングする機会をいただきました。
お話しを伺ったのは、子育て中のママや子育てがひと段落して地域に貢献している方々で、ほとんどが女性でした。
女性側から見た岡崎市のパパたちの子育ては、積極的な人が多いという印象ではないようですが、それでもここ数年で増えてきたようには感じるとのこと。
そして気になっていた専業主婦家庭や祖父母との近居の子育て世帯については、やはり多いとは感じていて、子育ての手が多いことについてはいいことと捉えている方が多かったです。
ただ、一方でそういう人が多い中で、増えてきている共働き家庭や、地元の繋がりが当たり前のところに市外から引っ越してきた人たちなどがマイノリティであることから、子育てのしにくさや溶け込みにくさを感じてしまっているかもしれないという話も出ました。
わかってはいたことですが、働き方や生活スタイルなどは地域によって違うもの。
それに応じた課題を知るためには、さらにたくさんの声を聞かなければいけません。
岡崎市役所の皆さんとも協議した結果、岡崎市内の現役子育て家庭の人たちに向けてオンラインアンケートを実施することが決定。
子育て支援団体の皆さんにも協力していただきつつ、市を通じて幼稚園や一部の保育園などに案内を出したのですが、これが予想以上の大反響!
わずか2週間足らずの回答受付期間だったにも関わらず、男女合わせて1,000件を超える回答が届いたのです!
アンケートの結果の詳細はまた後日お伝えしますが、予想通りだったものと予想外だったものがそれぞれありました。
まず就労状況については、「夫のみ就労」という専業主婦家庭が半数を超えていました。
全国的に見ると共働き家庭の割合が約7割、都市圏では8割を超えるので、比較すると専業主婦家庭が多い地域であることがわかりました。
しかし、言っても約半数。圧倒的に専業主婦家庭が多いわけではありませんでした。
また、祖父母の状況については「父方・母方のいずれかと市内で同居」「父方・母方のいずれかが市内で別居」「父方・母方の両方が市内で別居」という、同居と近居を合わせると約6割で、核家族の方が少数派という結果。
これもまた都市圏とは違う姿が浮き彫りになりました。
ただし、同居・近居であっても必ずしも子育てのサポートが充分とは限りません。
今回は未就学児の親が中心だったこともあり、世代的に祖父母が現役で働いていることも充分に考えられます。
ここまではある程度、予想した範囲内だったのですが、何よりもびっくりしたのは、制度が変わったばかりの「男性育休」に対してや「岡崎市にもっとこんなサービスがあったらいいのに」という項目に対してのコメントの多さと熱さ!
その中には、保育園や託児に関するものや、僕が充実していると感じた岡崎市の施設のことなど本当に様々な声が。
男性育休に関しても男性からのリアルな声や、女性たちからの男性に対する思いまで。
これだけコメントが出てくるのは、それだけ普段から感じていることがあるということ。
また、岡崎市に限らず、こういった声を直接届ける機会はそれほど多くないのではないかと感じました。
こういったアンケートに書かれた声や、出会ってきた岡崎市のパパママの声をどうやって活かせばいいのか?
結局この時点では決めきることができず、次はこの結果を踏まえて再び岡崎市の方々とミーティングを行うことにしたのですが…
そこで、まさかの展開が待っていたのです!
(次回へ続く)