子どもがいて共働きの場合、特に問題になりやすいのが、家事分担においての夫婦での不満。
妻が「今日くらい休みたい!」と言うけど、自分だって疲れてる。
そんなちょっとモヤモヤしがちなとき、夫はどのように折り合いをつければいいでしょうか?
アドラー心理学に基づくコミュニケーションの専門家で、アドラー式子育ての熊野英一さんに教えてもらいました。
まずは自分の中のモヤモヤの正体を分析
共働き夫婦です。
年明け最初の週末。
妻に「年末年始も子どもの世話とかあなたの実家に行ったりして、全然ゆっくりできなかった。今日くらいゆっくりさせて」と言われました。
私だって同じように忙しい年末年始を過ごし、その後、子育ても仕事もフル回転の日々が始まっているのに、とモヤモヤしました。
こういう妻とどのように折り合いをつけたらいいでしょうか?
「折り合いをつけたい」と言うことは、「なんとか、うまくやっていきたい」という前向きな気持ちがある、ということですね!
夫婦の関係改善には、こうした前向きな姿勢が不可欠です。
ここは本当に素晴らしいと思います。
一方で「モヤモヤする」ということは、どこか、自分が余計に負担に感じていることがあるとか、自分だって休みたいのにズルい!というような「不公平感」を感じていると言うことでしょうか?
何か、「わかってほしいのに、妻にわかってもらえていない気持ち」があるということですね。
それは具体的にどんな気持ちなのか、まずは自分で整理してみてください。
これは、あとでケンカせずに夫婦で話し合うために必要な作業です。
良好なコミュニケーションはシンプルな鉄則に従うことで、意外なほど簡単に確保できます。
そのためにも、私が繰り返し提案している、相手の気持ちに自分から共感する「共感ファースト」を実践してみましょう。
「休みの日くらい、ゆっくりしたい」と言う妻に憑依してみましょう。
妻の気持ちを心の底から感じることで、見えてくるもの
年明け早々、クタクタになるまで仕事と家事・育児をやりきって、ボロボロの心身になっている妻になりきりましょう。
そして、とっちらかっているリビング・ルーム、山盛りの洗濯物、シンクの中の洗い物、子どもの学校のプリント、ソファーにだらしなく脱ぎ捨てられた、夫の脱ぎっぱなしの靴下とシャツを目にしている状況を、脳内でイメトレしてみてください。
うるさいテレビの音、子どもの泣き声、スマホを見ながら爆笑しているダンナ夫の笑い声が、否応なしに鼓膜を刺激する不快な音を感じてみてください。
そして、「休みの日くらい、ゆっくりしたい」と思っている自分の気持ちにお構いなしで、休日を心待ちにしている子どもの笑顔に罪悪感を持ち、「疲れているから、休みたい」と言う希望を聞きいれないどころか、明らかにモヤモヤして、ダメ出しまでしかねない表情でこちらを見ている夫に対して、心のそこから湧き上がる気持ちを、感じてみてください。
もちろん、あなたもこの1週間、クタクタになるまで働き、家事や育児にも懸命に取り組んできたことは想像に難くありません。
でも、ここは、一旦ご自身の事情や気持ちはさておいて、あなたが先に妻に「共感ファースト」するのです。
なぜなら、あとで十分に妻から労いの言葉は返ってくるからです。
「そうだよね〜。平日働きまくりで、疲れてるよね?お疲れ様!いつも、ありがとう!」
「久しぶりの休みだから、そりゃ、ゆっくりしたいよね!」
「例えば、どんな感じでゆっくりしたいの?イメージ教えて〜。」
こんな言葉が、自然に出てくるように、リハーサルしてみませんか?
そう、プレゼンや営業訪問の前に、イメージトレーニングしながら、どんな発言が相手の心に響くか、相手のニーズや課題を想像しながら、どんぴしゃのキラーワードを探すように。
夫婦は、「相互尊敬、相互信頼に基づく対等なパートナーシップでありたい」とアドラー心理学では考えますが、皆さんはいかがでしょうか?
「先義後利」(せんぎこうり)と言う言葉があるように、まずは、見返りを期待せずに相手のためにアクションを起こすと、結果的には後になって自分のところにも、ちゃんと利が返ってくると言うことです。
騙されたと思って、お試しあれ。
もちろん、家庭だけではなく、職場でも実践していると、きっと良いことがたくさん起こりますよ!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- まずは自分のモヤモヤの気持ちを整理
- 妻に共感ファースト
- 先に自分から妻を労う言葉が出るようにリハーサル
「先義後利」とは、利益を後回しにして、人として大事な同義を優先させるという意味ですが、わかっていてもなかなかできないですよね。
本当に耳が痛い。
ただ、その先にある円満が待っているのであれば、練習してきましょう!
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