部下のハートをわしづかみにする“推しボス”は都市伝説ではないのか?

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部下のハートをわしづかみにする“推しボス”は都市伝説ではないのか?

育児や介護などに理解があり会社の成果も上げる上司、「イクボス」を生み出したNPO法人ファザーリング・ジャパンがスタートさせたのが新たな上司像を探る「推しボス★プロジェクト」。

果たしてそれはどんなプロジェクトなのか?

パパしるべ編集部はその実態を探るために、関係者を直撃しました!

幻の“推しボス”を求める人々

幻の“推しボス”を求める人々

このシリーズは、いつもの記事とはテンションがだいぶ異なることをどうかご理解いただけると助かります。

ツチノコやイエティ、ネッシーといったUMA。

最近になって、アメリカ国防省やNASAも本格的に捜査をしていることを全面に押し出すようになったUFO。

人類は「正体不明」「謎」「未確認」というものに、ある種のロマンを見出し、想像力を膨らませながら、その全貌を追い求めていきがちである。

要は、なんだかミステリアスでワクワクする存在が大好きなのだ。

もしかして、今回の案件もまたそれらと同類なのだろうか・・・。

厚生労働省より先に「イクボスプロジェクト」を立ち上げ、イクボス宣言やイクボス企業同盟などを通じて世の中に広めてきたファザーリング・ジャパンが新たに立ち上げたプロジェクト「推しボスプロジェクト」。

彼らが掲げる「推しボス」とは、文字通り部下や後輩といった立場から「推したい!」という上司のことらしいが、世の中にはパタハラをはじめ、とてもじゃないけど推せないボスたちのトピックであふれている。

果たして本当に部下たちのハートをわしづかみにし、「推したい!」と思われているボスは存在するのか?

ひょっとして幻?いやもはや都市伝説にも思えるほどである。

にわかに信じがたい(?)推しボスの存在を突き止めるために、パパしるべ編集部ではPOR(PAPASHIRUBE OSHIBOSS REPORTAGE=パパしるべ推しボス調査班)を立ち上げることにした。

さっそく向かったのは、このプロジェクトを先導するファザーリング・ジャパンの理事、塚越学氏の元。

調査班「ズバリ伺います」

塚越「・・・はい」

調査班「・・・推しボスなんてこの世にいるのでしょうか?」

塚越「もちろんです」

調査班「本当にそう思っているんですね?」

塚越「はい・・・というか、そこまで珍しくないと思うんですけど」

調査班「では、塚越さん自身も、見たことがあると」

塚越「我々ファザーリング・ジャパンはこれまで多くの企業で研修やセミナーを実施してきました。

私自身も職種も地域も様々な企業に伺ってきましたが、本当に素晴らしい上司だなと感じる人と出会ったことはたくさんあります」

調査班「では、たくさんいると」

塚越「そりゃ、全部の企業にいるとは言わないですけど、いますよたくさん」

調査班「ふー(ため息)ではなぜ、SNSやメディアには、決して推すことができないような上司の話題が多く見られるのでしょうか?」

塚越「まあ、やっぱり注目を集めたいメディアが選びやすい話題はネガティブなものですから。

そりゃ目に付きますよね。

でも、だからこそ“推しボス”のようにポジティブな存在に光りを当てる機会を作った方がいいと考えています。

ネガティブなイメージばかりでは管理職やリーダーになりたい人は減る一方ですしね、職場のイメージすらネガティブになっちゃうでしょ」

調査班「みなさん(ファザーリング・ジャパン)は、これまで育児や介護などワークライフバランスに理解があり、会社の成果も上げる『イクボス』を育成するプロジェクトをやってきましたね?」

塚越「そうですね。たくさんの企業や自治体が『イクボス宣言』をしてくれましたし、わたしたちが主催する『イクボス企業同盟』『イクボス中小企業同盟』にも300社以上が名を連ねています。

地方にもたくさんのイクボス企業同盟が立ち上がり、広がっていますね」

調査班「そこまでやってきたのに、今度は“推しボス”ですか。

・・・もうイクボスはいらないということですか?」

塚越「いや、そんなことは全然言ってないですって。

時代に合わせて視点を変えただけです」

調査班「具体的には何が違うのでしょうか?」

塚越「これまで我々が掲げてきたイクボスは、イクボスの定義や “イクボス10か条”という行動指針によって、目指すべき姿を明確に示して、1つのボスの姿をみんなで目指そうというやり方で進めてきました。

これは企業や管理職目線ですね。

一方、視点を部下や後輩に変えたときに、それぞれがいいと感じる“推したい”と思う姿は多様になるかもしれないと考えたのです。

もしかしたら、部下や後輩が推したいボスは、イクボスではない、違う形のボスかもしれない。ボスの多様性が見れたら面白いなぁと。

管理職やリーダーのイメージ、職場のイメージもポジティブになって、FJのビジョン「笑っている父親を増やす」にも近づきそうじゃないですか?」

調査班「なるほど」

塚越「様々なメンバーで協議を重ねてきた結果、10月16日の『ボスの日』を目指して、いろいろな会社で頑張っている“推しボス”を讃えるイベントを実施することにしました」

調査班「イ、イベント!?」

リアル“推しボス”を部下が推薦!推しボスイベントとは?

リアル“推しボス”を部下が推薦!推しボスイベントとは?

塚越「そんなに、驚くことですか?」

調査班「すみません。つい、反射的に。

で、具体的にどんなイベントなんでしょうか?」

塚越「はい。イクボス企業同盟に加盟する企業から部下や後輩の立場から“推したい”またはその魅力を広くみんなに伝えたいと思うようなボス=上司を推薦してもらいました。

イベントでは、そのボスに魅力をプレゼンしてもらうというものです」

調査班「部下が推薦するとなると・・・忖度があるのではないかと」

塚越「忖度?」

調査班「上司からの評価を上げるために、推薦していい気分になってもらおうとか」

塚越「断じてそのようなことはない・・・と思います」

調査班「ちょっと可能性ありそうじゃないですか」

塚越「仮にそういう人がいたとしても、そこはプレゼンできっとわかるはずですし、審査員たちがそういうボスや部下がちゃんと評価しますので」

調査班「審査するんですね」

塚越「そうです。それもこちらで用意した審査員だけではなく、これから社会に入る学生たちも審査をします。これなら忖度はないはずです」

調査班「まあ、そうも考えられますね」

塚越「なんか、疑ってませんか?」

調査班「・・・イベントはいつ行うのですか?」

塚越「10月11日です」

調査班「そこで、我々もリアルな“推しボス”に会うことができるんですね」

塚越「そういうことになりますね」

調査班「楽しみにしています」

塚越「疑ってますよね」

調査班「・・・今日はありがとうございました」

関係者たちの推しボスへの思い

関係者たちの推しボスへの思い

本当に忖度なしで上司を推薦する部下はいるのだろうか?

続いて我々は推しボスイベントで審査員長を務める、ファザーリング・ジャパンの川島理事にも話を聞いた。

調査班「元祖イクボスとも言われる川島さんですが、自身も推しボスだったと思いますか?」

川島「自分で言うことじゃないからなんとも言えないね」

調査班「でも、推しボスはいると」

川島「いるでしょ」

調査班「ご自身も見たことはありますか?」

川島「みんながみんな嫌な上司ではないって」

調査班「しかし、部下が推薦するとなると、そこには忖度がでてくるのではないかと」

川島「上司の立場で言うと、それが忖度かどうかを見抜けない上司だったらダメでしょ」

調査班「そもそも上司自身が気づくと」

川島「普段の態度とか見ていたらわかりますよ。

いつもそんなこと言ってないのに、急に自分のことを推薦したいと言われたら、あれ?ってなりません?

それに気づかないで自分は推しボスですって出てくるとしたら、それはちょっとね」

川島理事もまた推しボスの存在を自信満々に語ってくれた、また経営者の経験も長いからこそ、部下たちの忖度を見抜くことにも自信があるようだ。

これはもしかするともしかするかもしれない。

そんな素敵なボスが本当にいるのであれば、それは我々パパしるべとしても全力で応援し、賞賛していきたい!

なぜなら、そういう推しボスが増えたら子育てしやすい環境もが広がるはず!

“推しボス”が本当に存在するのであれば、世の中の部下たちにとって希望の光が差す。

我々調査班は、独自のやり方で推しボスへのアプローチを開始することにした。

パパしるべ総研のアンケートでもおなじみのGoogleフォームを使って、人々が「どんなボスなら推せる」と考えているのか?という調査を実施。

多様性がある中でも、特に部下が求めているボスの姿を浮き彫りにしたいと思う。

「こんなボスなら推せる!」推しボスの条件調査はコチラ!

こちらにもぜひ協力していただきたい。

果たして本当に、まだ見ぬ「推しボス」とやらに出会うことができるのか?

我々、調査班は引き続きこのプロジェクトを追いかけ、報告を続けることにする。

続報を待て!

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