子どもとの会話が苦手な親に伝えたい!傾聴のコツと3つのNG行動

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子どもとの会話が苦手な親に伝えたい!傾聴のコツと3つのNG行動

親子のコミュニケーションで、子どもの話を聞くのはとても大事だと言われます。

でも、中にはそれが苦手な人もいて、なかなか会話が続かないこともあります。

今回は子どもとの会話が弾まないことに悩むパパに、アドラー式子育ての熊野英一さんからのアドバイス。

親子でたくさん話すために知っておきたい「傾聴のコツ」とやってはいけない「3つのNG行動」を聞きました。

傾聴のコツは、“向かい合う”のではなく“隣に立つ”

傾聴のコツは、“向かい合う”のではなく“隣に立つ”

質問者
年中の息子と二人でお風呂に入るのが日課です。

体を洗ったりすることは問題ないのですが、一緒にお風呂に使っている時に、会話があまり盛り上がらないことが多く悩んでいます。

どうしたら上手に子どもと話すことができますか?

子どもって本当によくしゃべりますよね。

でも、あまり会話が得意じゃない人にとってはうまく会話が進められないこともあるでしょう。

ましてやお風呂という二人きりの逃げ場がない空間だと、辛いと感じることもあるかもしれません。

せっかくたくさん話を聞けるチャンスなので、うまく活かす方法を考えていきましょう。

スタンスはインタビュー

楽しい会話をするためには、上手に話すことも必要ですが、上手に聞くことも大切です。

こと小さい子どもとの会話となると、話すことはまだ練習中ということもありますし、親の方が上手に聞くことの方が重要だと思います。

「聞き上手は相手を話し上手にする」という言葉もあるように、お子さんがしっかりと自分の意志や思いを伝えられる話し上手になるためにも、まずは聞き手に徹する姿勢になりましょう。

楽しかったこと、うれしかったこと、嫌な気持ちになったこと、気づいたことなど、本来子どもたちは、親に聞いてほしいことがたくさんあるもの。

それを聞き出すための基本は「インタビュー」。

話しやすい質問をして、たくさん答えてもらうことができれば、きっと会話に困ることはないと思います。

立ち位置は“隣”

スポーツの試合の後で活躍した選手に行われるヒーローインタビュー。

質問をするアナウンサーはどこに立っていますか?

そう、必ず選手の隣。

決して向かい合うことはありません。

もちろんこれはカメラに映るための立ち位置でもありますが、隣というのは話を聞く上でも大切なポジションでもあるのです。

心理学的な見方をすると、同じ方向を向くということは寄り添う姿勢になります。

一方で向かい合うのは、相手を問い詰める姿勢とも考えられます。

アドラー心理学のポイント

共感の大切なポイントは「相手の関心に関心を持つ」

相手の気持ちに共感するためには、相手自身に関心を持つことよりも、相手が何が好きで、何を見ているのか?

つまり、相手と同じ目線に立ってどんなものに関心を持っているか?ということに注目することが大切です。

お風呂ということを考えると、実際は向かい合っている状況になるかもしれませんが、あくまで気持ちはわが子の隣にいるように心がけましょう。

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョン

質問には大きく分けて二つのタイプがあります。

  1. クローズドクエスチョン:「はい」と「いいえ」など明確に短く事実を答えるだけなど、回答の幅が狭い質問
  2. オープンクエスチョン:フリーアンサーのように自由に回答が出来て、その幅が広い質問

例えば、好きな色を聞くときの質問。

「何色が好き?」は「オープンクエスチョン」で「赤と青だったらどっちが好き?」が「クローズドクエスチョン」にあたります。

一般的に対話をするうえでは「クローズドクエスチョン」はあまり向かないと言われていますが、「答えやすい」といういいところもあります。

「何色が好き?」と聞いても「うーん」と考え込んで答えられないなど、あまり話が得意ではないという人にとっては、とっかかりを作ることにつながるところもあるでしょう。

最初の質問からうまく話を広げられない時は、いくつかのクローズドクエスチョンを試していって、会話の糸口を見つけながら、インタビューしていくことがオススメです。

子どもが話したくなくなる3つのNG行動

子どもが話したくなくなる3つのNG行動

せっかく子どもが話始めても、こちらの行動次第では話すのをやめてしまったり、話したくないと感じてしまったりすることがあります。

子どもの気分次第のところもありますが、聞き上手になるためにはやらない方がいいことも覚えておきましょう。

NG行動その1 話を取る

子どもの話を聞いているうちに、「そういえば自分も同じことがあった」「自分はこう思う」といった話したいことが出てくる場合があります。

そんなときはグッとこらえてください。

大人が得意げに話し始めてしまうと、当然子どもは話すチャンスを失ってしまいます。

そうなると、せっかく話したいと思っていたのに聞いてもらえないと感じて、がっかりさせてしまうことに繋がります。

最初に伝えたようにあくまで子どもの話を聞くための会話ですから、「聞き役に徹する」ことを忘れないように意識しましょう。

NG行動その2 話の間違いなどを正す

子どもですからまだまだ上手に話せないこともありますし、つじつまがあっていないこともあります。

聞いていて思わず「そうじゃないでしょ」なんて言いたくなることもありますが、これもまた話したいという気持ちを折ってしまいかねません。

そもそも雑談に正しいとか間違っているとかありません。

例えとんちんかんな話でもツッコんだり、正したりしないで、最後まで聞くことを心がけましょう。

どうしても気になるときは「それってこういうこと?」と、こちらで整理してあげるなど、あくまで会話を促す姿勢で関わってみるのはいいと思います。

NG行動その3 話を戻そうとする

カウンセラーなど話を聞く職業の人が話を聞き出すためによくすることが、「それでどうなったの?」など「合いの手」を入れることです。

合いの手を入れることによって、話がスムーズに展開していくことにつながるわけですが、話が広がる中では脱線したり、別の話にすり替わっていったりすることもあります。

そこにも付き合っていくことを忘れないでください。

最初に話し始めたことが、その人の本当に伝えたいこととは限らないからです。

話始めたときには思いついていなかったことや、心の奥にあったものが、話しているうちに出てくることもあります。

きちんとまとまる前に話が変わったとしても元に戻す必要はありません。

じっくりと付き合っていきましょう。

話さなくてはいけないわけでもない

会話が苦手という人は、「会話は盛り上げなくてはいけない」とか「黙っていてはいけない」と思いこんでいるところがあるかもしれません。

でも、別に話さなくてはいけないわけではないですし、盛り上がらなくてはいけないわけでもない。

極端に言えば、そこにいる人たちは心地よいのであれば、ずっと黙っていたっていいと思います。

無理して話すことがストレスになるくらいなら、お湯につかって親子二人で物思いにふけるのもまた、素敵な時間の共有になるかもしれません。

あまり無理をしない程度に親子のお風呂の時間を楽しんでください!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 聞き手に徹して、隣からインタビューする
  • 話を絶対にとらない
  • 話を正したりツッコミをいれたりしない
  • 話が変わっても受け入れる
  • 心地よければ黙っていてもよい

今回は親子の話でしたが、夫婦でも、仕事などでも同じことがいえると思います。

会話を盛り上げるコツ、覚えておきましょう!

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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