叱るのは逆効果!?子供の悪さや困った行動へのアドラー式対応法

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叱るのは逆効果!?子供の悪さや困った行動へのアドラー式対応法

思い通りに行かないことが多い子育て。

特に子どもたちの中には“なぜそんなことをして怒らせるんだ!”と叱りたくなるような、悪さや困った行動を繰り返す子もいますよね。

こんな時、親はどうしたらいいのでしょうか?

また、子どもたちはどんなことを考えているのでしょうか?

今回は、アドラー心理学を基にした子育てメソッドを広めているアドラー式子育ての熊野英一さんに、反抗的な子どもに困っている方からの質問に回答していただきました!

つい子どもの”悪さ”ばかりに目が行ってしまう

つい子どもの”悪さ”ばかりに目が行ってしまう

質問者
小学校1年生男子のことで相談です。

3歳下の妹が口も達者で、甘え上手。

こちらも、えこひいきをしているつもりはないのですが、つい、末っ子の女の子には優しく接してしまい、長男には強くたくましく生きて欲しい、という「謎の昭和的価値観」で会話することが多くなっているようです。

それを察してか、最近長男が、私に対して反抗的な態度をとってきたり、時に「パパなんかいなくなれ!」と叫んだり、逆に「僕なんか死んだほうがましだ!」などと気になる言動をするようになりました。

どうしたらいいでしょうか?

子どもは、一人前の自立した大人になることを目指した成長の過程にある、不完全な部分を多く持った人間です。

その成長の過程において子どもがとる様々な行動を、ここでは「適切な行動」と「不適切な行動」にわけて、私たち親がどのような反応をすべきか、考えていきます。

まずは、子どもの行動を適切・不適切と二分する明確な基準を持ち、それを軸にして子どもと対峙していくことが大切です。

ここでは、家族や友達同士、学校や地域コミュニティなど、所属する共同体全体の利益や幸福にとって、その行動がプラスなのかマイナスなのか、つまり、“その子の成長・自立にとってプラスかマイナスか”という基準を用います。 

子どもは不完全ながらも、本来であれば「生きてそこにいるだけで価値がある存在」であるはずです。

無邪気に、何が適切か不適切かを知らずに色々と親を困らせること、親の期待に背くことをしでかすかもしれませんが、それでもやはり、愛すべき存在のはずです。

しかし、私たち親は、どうやらそんな当たり前のことに「正の注目」を与えることを忘れがちなようです。

ここで言う「正の注目」とは、“感謝を伝える” “存在を認め注目していることを伝える” “励ます”などの「勇気づけ」を与えることです。

さらに、私たちは、ついつい子どもの「子どもらしさゆえの未熟な行動」を認められずに、親の期待に達しない部分に「負の注目」を与え、“ダメ出し”をしたり“叱ったり”してしまうことがあるようです。

それこそが親のつとめ、愛情だと言わんばかりに。

残念ながら、これは子どもの自信とやる気を失くさせる「勇気をくじき」の典型的な親の反応です。

今回、ご相談を寄せてくれたパパも、「男はこうあるべき」という「しつけ」を押しつけようとしているご自身の振る舞いを「謎の昭和的価値観」と認識はされているようです。

一生懸命「しつけ」をしようとするが、子どもが反抗的な態度をとってきたり、子どもから無気力発言が出てきたりするようなら、ぜひ、この点をよく考えてみて下さい。

アドラーの“目的論”で考える、子どもの反抗的な行動

子どもの反抗的な行動

アドラー心理学では、行動の原因ではなく目的に注目する「目的論:人間の行動には、その人の意思を伴う目的がある」という考え方があります。

子どもが親に対してする行動のほとんどは、それが適切なものであれ不適切なものであれ、親からの「注目」を得ることを目的としているのです。

そもそも、子どもがそのありのままの存在を認めてくれているかどうかを確認するために、親からの注目を求めるのは「適切な行動」です。

親からの愛を確認したいだけなのですから不適切なはずがありません。

これに対して「いつまでも甘えないの!」とダメ出ししたり「しつこい!」と拒否をしたりすると、子どもの勇気はくじかれます。

これは、子どもの適切な行動に対して、負の注目(ダメ出しや、叱ること)を与えていることになります。

このように適切な行動をしても目的とする「正の注目」を得られないと判断した子どもは、次にどのような行動に出るでしょうか?

そう簡単には親からの注目を得ることを諦められない子どもは、次に「怒られてでも良いから、なんとかして親の注目を得よう」と考え、わざと親を困らせるような「不適切な行動」をするようになります。

特に、これまで一人っ子で親を独り占めしていた子が、下の子が産まれたとたんに「赤ちゃんがえり」するのは、典型的な「親の注目を得るための不適切な行動」です。

ご質問のパパも、妹が産まれた後に長男が赤ちゃん返りを選択して甘えてきた時に、それを叱ってやめさせようとしていませんでしたか?

このように、子どもの「不適切な行動」に対して、多くの親は「負の注目」を与えます。

「赤ちゃんみたいに泣かないの!」「どうしてあなたはいつも変なことばかりするの!」「やめなさいって、何度も言ってるでしょ!」といった反応ですね。

実は、このように子どもの「不適切な行動」に「負の注目」を与え続けることは大変危険です。

子どもは

「なるほど。叱られることはベストではないけれど、注目されなかったり、無視されたりするよりは、まだマシか!しかも毎回、ちゃんと叱ってくれる(注目してくれる)!これから注目を得たいときは、わざと怒られるような不適切なことをしよう!」

という誤った決心に加担しているということになるからです。

悪さをする子供には「注目」ではなく教え諭す

悪さをする子供には「注目」ではなく教え諭す

では、怒らせるような行動をした子どもたちに親はどう対応すればいいのでしょうか?

子どもが親の注目を得ることを「目的」に、「不適切な行動」を選択した場合には、親はそうした行動に「注目をしない」ことが一番です。

ただし、無視するのではありません。

「私の注目を得るために、わざとおかしなことをするその作戦は通用しないんだよ。私はそんなことで怒りません(負の注目を与えません)よ。もし注目してほしいなら、ちゃんと適切な行動で伝えてね。」

と、冷静に教え諭すのです。

もちろん、「適切な行動」に対してこれまで充分に注目しなかったことを認め、これからは「正の注目」を増やすことを子どもに約束し、実行してください。

不適切な行動をもってしても、充分に心を満たされるだけの親からの注目を得られないと判断した子どもは、やがて、「反抗→復讐→無気力」と不適切な行動をエスカレートさせていきます。

ご質問に出てきた長男くんは、まさにこのルートを辿っているように思えますが、いかがでしょうか?

当然のことですが、そのような不適切な行動を野放しにすることなく、私たち親は子どもをそうした不適切な行動に駆り立てる「勇気くじき」をいち早くやめて、子どもを「勇気づける」反応に切り替えるべきです。

子どもが「わざと、変なこと(赤ちゃん返り、反抗・復讐的な態度、無気力発言など)をしてくる」時、私たち親は、決してそれを叱ってはいけません。

そんな時こそ、まずは共感【子どもの目で見て、耳で聴いて、心で感じてみること】を示し、子どもが何を求めているのか【注目=ありのままの自分を認めてもらうこと】を受け止めてください。

その上で「そんな不適切な行動でアピールしなくても大丈夫だよ」と伝え続けましょう。

子どもは、適切な行動をすれば、親がちゃんと注目してくれることを確認できたら、わざわざ「変なこと(不適切な行動)」を選択する必要はなくなるのです。

こうした関わり方をアドラー心理学では「勇気づけ」と言います。

ぜひ、このコラムを通して「勇気づけ」を学んでいっていただければと思います。


熊野さん、ありがとうございました!

ポイント

  • 子どものしていることが、成長・自立にプラスかマイナスかを考える
  • 注目をしてほしいという子どもの目的を理解。「正の注目」を心がけ「負の注目」をしない。
  • 不適切な行動に対して「注目」はしないけど「無視」もしない。そんなことをしなくても注目することを伝え続ける。

参考になりましたでしょうか?

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気になった方はぜひチェックしてみてください!

また、このように調べてほしい!聞いてほしい!という質問や悩みがある方は、パパしるべの問い合わせフォームからメッセージを送ってください。

熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
小中高生のくつろぎスペース(フリースクール)ビリーバーズ広尾 リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える勇気づけのプロフェッショナル。

代表取締役を務める株式会社子育て支援では企業主導型保育所、児童館、子育て支援センターなどの受託運営、アドラー心理学に基づく企業向け研修など法人向けサービスを展開。

個人向けサービスは「ボン・ヴォヤージュ有栖川」ブランドで、ベビーシッター・サービス提供やアドラー式カウンセリング、アドラー心理学に基づくセミナー・講座などを実施。

個人としてこれまで6冊の本を上梓。著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。
2021年は、小中高生の不登校支援の新サービス「ビリーバーズ広尾」を立ち上げ、コロナで不安定さを増す世の中でも、子どもたちが希望を持って、主体的に幸せを見つけられるような環境づくりに奔走。

 

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