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幸せなはずなのに辛い…人と比べてしまうパパはスケボーを見習うべし!?

「人と比べるのはよくない」とは言います。

しかし、SNSや職場、友人との会話の中で、つい他人と比べて落ち込む――そんなことはありませんか?

誰にでもある自然な感情、「比較」や「嫉妬」にどう向き合えば良いのか。

今回はアドラー心理学の観点から、どうしたら人と比べずにやっていけるのか?

今すぐできる具体的な考え方と行動についてお伝えします。

ヒントはスケボー....!?どういうことでしょうか?

私たちは子供の時からずっと比べられてきた

質問者
質問者

新卒で希望した企業に就職し、5年で結婚。今は子どもも二人います。

傍から見れば順調ですし、自分でも恵まれているとは思うのですが、元同僚が転職して成功している姿や、家族でいつも楽しそうなパパ友を見ていると、なんだか辛いと感じてしまいます。

人と比べてしまうこの性格はどうにかできないでしょうか?

学生時代には、勉強の成績やテストの点数、スポーツでは記録。

会社に入っても業績など、私たちは比べられて育ち、いつの間にか比べるクセがついてしまっていると感じます。

多様性を重視することが求められ、比べるのは良くないとは言いますが、正直なところゼロにするのは難しい。

では、どうしたらいいでしょうか?

比べてもOK、でも「嫉妬」はやめよう

例えば、ビジネスで成功している人を見て「いいな」「うらやましいな」と感じることはよくありますが、その成功している人を「○○のくせに生意気だ」みたいな形で妬む、いわゆる「嫉妬」をしてしまうケースもあります。

今回も比べた結果、嫉妬に繋がっている部分があるかもしれません。

アドラー心理学ではこの「嫉妬」を「人生における無益な態度」と捉えていて、こんなことを言っています。

アドラー心理学のポイント

「嫉妬は何も生み出さない。他人を嫉妬するより、自分を高めることに力を注ごう」

他人を嫉妬することはエネルギーを使います。それはもったいない。そんなことよりも自分の成長の原動力にした方がいい、ということです。

基本的にアドラーは、比較するのは「誰か」ではなく「自分」がいいと言います。

自分が目指す「自己理想」と「現在の自分」を比べて、理想に近づくために努力すること。

そして「過去の自分」と比べて前に進んでいくといいと考えます。

確かにそれも大切な考え方でしょう。

ただ、周りに人がいると比べて嫉妬してしまうこともなかなかやめられません。

そんな時はどうしたらいいのでしょうか?

「嫉妬」を建設的にリフレーミング

同じ事実でも見方を変えると捉え方が変わるもの。

アドラー心理学ではそれを「リフレーミング」=「再構築」といいます。

例えば、「仕事の失敗」も「成長するための経験」と捉え方を変えることで建設的に使っていくことができるわけです。

「嫉妬」もまた、リフレーミングできるもの。

「うらやましい」と思う人を「なりたいと思う目標」と考えることもできます。

つまりそれはモチベーションにすることも可能なのです。

すごい記録を出したアスリートが「ライバルの存在のおかげです」と語ることがあります。

これは同じ競技で自分よりちょっと上の記録を出しているアスリートに対して、嫉妬して、相手を蹴落とそうとしたり、ズルをしたりするようなことではなく、「勝ちたい」というモチベーションに変えて、努力を重ねることができた結果ですよね。

最初は記録を「比較」するところから始めたとしても、素晴らしい結果への糧にできるのです。

スケボーの文化に見る「仲間」という考え方

対戦相手の成功を喜ぶスケボー選手たち

2021年に行われた東京オリンピックから、スケートボード=スケボーが新たな競技として採用されました。

そしてその競技の様子を今までのオリンピックとはちょっと違う、と感じた人も多いと思います。

メダルの獲得を大きな目的とするオリンピック競技はまさに「比べる」もの。

難関なトリックに成功して高得点を出した選手が喜び、うまくいかずに得点が及ばなかった選手が落ち込む様子が映し出されることがほとんどでした。

しかし、スケボーは違います。

難関なトリックを成功させた選手には、うまくいかなかった選手も含めてみんなで集まり、その成功を喜びます。

その理由は「仲間」だから。

同じ競技を愛し、同じように難関なトリックに挑む仲間。

例え競技の中で競っていても仲間は仲間。その成功がうれしいというのです。

確かに、スケボーでなくても、心から仲間だと思っていれば、その成功はうれしいものですよね。

この考え方は参考になると思います。

りんごとみかんは比べられない

あなたが比べている相手は、「仲間」とは感じていないかもしれません。

ただ、少し視座を高めて見てみましょう。

  • 職場のライバルや同僚は「同じ仕事をする仲間」
  • パパ友は「同じ父親という立場で子育てをする仲間」
  • 隣の家に住む人は「同じ地域に住む仲間」
  • 違う国に住む人は「同じ地球に住む仲間」

極端に言えば、みんなほぼ「仲間」とも捉えられます。

そして「仲間」はみなそれぞれ個性があってあなたとは違います。

なので、本当の意味で純粋な比較はできません。

これもまた極端な例えですが、「りんご」と「みかん」を比べているようなものなのです。

理屈ではわかっていてもなかなかできないものかもしれませんが、ちょっと心を切り替えて、仲間たちの成功を喜び、自分も頑張ってみようと考えられるようになれば、きっともっと幸せを感じられる毎日になると思ういます。

ぜひ挑戦してみてください!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 比べてしまうのは仕方ない。でも他人と比べるのではなく、「過去の自分」や「理想の自分」と比べればいい。
  • 「嫉妬」を建設的にリフレーミングして成長のモチベーションに変えてみる
  • スケボーのように周りの人を「仲間」と捉えて成功を喜んでみる

自分にそんなにたくさん仲間がいると感じていない人も多いと思いますが、確かに考え方によっては仲間だらけのようにも感じます。

この記事を読んでいる仲間のみなさん、参考にしてともに頑張っていきましょう!

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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