家族で生活する上では欠かせない家事。
たびたび「夫婦での家事分担問題」が話題になりますが、平和な家庭生活を送るためにはその分担を二人で決める話し合いが重要と言われます。
これまでも「夫婦の家事分担」については、パパしるべでたびたび取り上げてきました。
今回はその中でも、家事分担を決める「話し合い」にフォーカスを当てて、「パパしるべ」のLINE公式アカウントに登録している1,400人以上のメンバーにアンケートを実施。
どのように話し合いをしているのか、家事分担をスムーズに進めるためにどのような工夫をしているのか。
パパ目線で聞いたアンケート結果をお伝えします!
家事分担の話し合いをしている夫婦はどのくらい?
- 夫婦で話し合って:12.5%
- なんとなく:72.5%
- その他:15.0%
今回のアンケートのきっかけとなったのが、昨年5月に実施した家事分担に関するパパのホンネアンケート。
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この時、家事分担率で最も多いのが夫婦「5:5」(25.6%)がトップとなりました。
世の中にある様々なアンケートとはだいぶ違う衝撃的な結果とともに、パパしるべユーザーのパパたちの積極ぶりが浮き彫りに。
一方で、その分担があくまで「なんとなく」決まっているという結果にも驚いたのです。
あれから1年ちょっとが経過し、改めてこの「話し合い」にフォーカスしてみたらどういう結果になるか?
夫婦での家事分担の方法について気になっている人たちの参考になればと思い、実施してみました。
その結果が、またまた驚きだったのです。
家事分担の話し合いを夫婦でしたことがありますか?
- ある:62.2%
- ない:37.8%
え?話し合いをしている人が6割を超えています!
この春、LINE公式アカウントをリニューアルしたこともありユーザー層がかなり変わったとはいえ、なんでしょう?
この変化は!
いやいやきっと男性育休の話題が増えるなど、男性の家事育児参加を推進する動きの中で、きっとパートナーから持ち掛けられる機会が増えたのだろう…と思って聞いてみました。
どちらから話し合いを持ちかけていますか?
- 自分(夫):76.7%
- 妻・パートナー:23.3%
なんと!7割以上は自分から持ち掛けているではありませんか!
またも衝撃的な結果です。
では、その話し合いの頻度はどうでしょうか?
話し合いはどのくらいの頻度ですか?
- ほぼ毎日:10.0%
- 月に数回:16.7%
- 年に数回:26.7%
- 何年かに数回:30.0%
- その他:16.7%
1割が「ほぼ毎日」!? もはや日課ですね。
少なくとも半数以上の人が「年に数回」以上話し合っているという結果。
いかに微調整に重きを置いているかがわかります。
もしかしたらコミュニケーションへの意識がかなり高まっているのかもしれません。
それは話し合いのタイミングに関する質問でもわかります。
話し合いはどんなタイミングしていますか?
第1位:ライフステージが変わるタイミングで
第2位:家事分担に不満があったとき
第3位:パートナーが困っていると感じた時
トップだった「ライフステージの変化」はさすがにそこまで頻繁なものではありませんが、僅差で2位につけた「不満だったとき」3位の「困っていると感じた時」は、それこそ毎日起こってもおかしくないこと。
そのたびに話し合っていたら、そりゃ頻度は増えますよね。
ちなみにその他の回答には「月初め」という定期的な実施を意識されたものから、「妻が不機嫌の時」というこれまたフレキシブル対応が求められる感情面で対応するケースも見られました。
一方で話し合いをしていない人たちも一定数いることも事実。
その背景にはどんな思いがあるのでしょうか?
話し合いをしない理由はなんですか?
「話し合いたいと言い出せない」
「話し合いした方がいいとは思うけどなんとなく」
「うまくいかないと思うから」
この辺りがそれぞれほぼ均等に分かれる結果。
きっと世の中の多くに人たちはこんな理由に集約されるでしょう。
一方で「する必要がないと思うから」という人も多く、他にも
「自然に分担できている」
「2人とも、出来る方がやるというスタンスだったから」
「妻の対応を見ながら、自然な流れで分担ができているから」
という声もありました。
コメントだけ見る限り「夫自身はそう思っているかもしれないけど・・・」という気持ちが芽生えますが、それはきっと老婆心だと思っておきましょう。
「仕事柄、臨機応変にやったほうがいいから」
「お互いに家事に関して適材適所を把握して実行でき、不具合があるときは都度コミュニケーションを取り解決しているから」
というフレキシブル対応ぶりも。
結局「話し合い」というほどでもないけど、コミュニケーションは取っている様子が感じられます。
一方でこんな声も。
- 夫婦ともに家事をしている。時間がある方の家事負担が多くなり、日によって、その負担も変わるというスタンスなので、そもそも家事分担はしていない。
「分担しない」という潔い言葉。
これもまた夫婦のひとつの形だと思います。
というか、きっと「分担しない」ということを決めるためには、ちゃんと話し合いがあったと想像できます。
話し合いをスムーズにするためには“話し合う前”が重要!?
さて、いよいよ話し合いの詳細について。
まずは何をポイントに分担するでしょうか?
家事分担で最も重視したことはなんですか?
- 仕事などとのバランス:32.3%
- きっちり決めすぎないこと:22.6%
- 負担の公平感:16.1%
- ストレスの公平感:12.9%
- その他:16.1%
この辺りは共働きであることも重要になってきているんだと感じます。
またストレスや負担の公平感も重視。
ここは男女にとらわれない風潮の現れでしょう。
一方で「決めすぎない」が2割を超えたことはちょっと意外な感じがしますが、これもまた完璧を求めないことを重んじていて、かつてとは変化してきているポイントではないでしょうか?
ちなみに「その他」の回答にはこんな声がありました。
- 本当にやるべきことかどうか、考える。
- 互いの状況。
- 量ではなく、日々変化する心のバランス。
- 効率よく進めるために、その時々で「〇〇しておいて」と声をかける
- 相手を責めるような形の分担にならないこと
ここでもフレキシブルさを求める流れが見えつつ、「本当にやるべきかどうか、考える」という家事そのものへの見直し、という根本的なところまで踏み込んでいます。
しかし、そんな話し合いでもぶつかることもあるようです。
話し合いでぶつかったポイントはどんなところですか?
- パートナーが「私がやらないと」という意識を持ちがちな点。
- 互いに自分が大変だと思っている時。
- 家事のコストの客観化(自分のやっていることはコストを重く捉えがち)。
- 僕が言われたことができてない。(ぶつかった、というか叱られただけw)
- 時間的融通が出来ない時の対応について。
- お金との兼ね合い。お金をかけたいポイントの違い。物が多すぎると言った時など。
- ぶつかったポイントというよりは、その時のご機嫌による
- 便利な家電を買うかどうか。
- 負担の見える化が難しい。事前に話し合っていても暗黙の了解と思ってる(が実際は認識がくい違ってる)ことが結構ある。
- 何もしていないと言われた際に、そうではないと伝えること。
- スキルの差があり、妻が卑屈になってしまう(私ができないから悪いんだ云々)
そもそも互いに主張して調整するモノですから、ぶつかることもあります。
やはり公平感に気を付けたとしても、話し合いの段階ではまだぶつかるポイントですよね。
では、そんな話し合いをスムーズに進めるために皆さんはどんな工夫をしているのでしょうか?
話し合いをスムーズに進めるためにした工夫は何ですか
タイミングや話し合い以前のこと
- お互いに気持ちに余裕があるタイミングを選んで話す。
- 相手が話を聞く雰囲気がある時に、会話する。
- なるべく事前に時間を確保した。
- 日々の心の状態に耳を傾けること
- お互いに機嫌のいいタイミング、感情的にならない、不満・怒りをぶつけない、ディスらない、任せたら口出さない。
- 僕が今、何かできることある?と普段から訊いていく。家庭が最もうまくいくことが最重要であり、自分のベースとして決めておく。
これはすごく重要ですよね!
感情が整ってない状況だと決まるものも決まらないですよね。
話し合いの仕方、向き合い方
- 当事者感覚を持って話しをすること。
- トラブルが発生する前に話し合いをする。トラブルが発生してからだと感情論になりやすいので他人事のうちに話し合いをしました。「最初はYesと言ったのにできない→原因は何か」にポイントを持っていけるからです。
- 相手の不満要素をはっきりさせたこと(朝の時間の洗濯は特にありがたくない、子どもの弁当作って欲しいなど、相手がして欲しいがわかっていなかった)。
- して欲しいことして欲しくないことははっきり言う。
わかってはいるけど、なかなかできないことですよね…。皆さんすごい。
ツールについて
- エクセルで分担を一覧にした。
- ネットにある家事分担シートを利用した。
- ホワイトボードやメモ帳に書き出す。お互いの言いたいことをひたすら聴いた後に話し合う。
- メモをしながらタスクとTODOの洗い出しと取捨選択を行いました。
- システムコーチングの知恵を使いました
- 口頭で話し合い書き残さないようにしています。
これも現代っぽい考え!デジタル、アナログを問わず可視化する人は非常に多い様子。
もはや、かなり仕事っぽいモードですが、これも共働きが増えたからこそでしょう。
一方で「書き残さないようにする」という真逆な人もいますが、もしかしたらこの方はかえって仕事っぽくしたくないのかもしれません。
パパたちの家事分担の不満と悩み総ざらい!
最後は思いの丈を吐き出していただきましょう。
パパたちの家事分担の不満と悩みです、どうぞ!
今の家事分担の不満はなんですか?
- 割合が多いには不満ですが、こっちの領域に入ってきて自分とやり方が違うと文句を言われること。
- 家事は半分だけど、仕事の量を考えると負担が大きい。
- ほぼ家事を担っていること(食事、洗濯、掃除)、家事をやって欲しいのを伝えると子ども(1歳児)が一人になってかわいそうとか、子どもをたてに言い訳ばかりしてやらないこと。
- 自分の負担が増えてきている。
- お互いの忙しい時に、無理矢理公平感に家事と育児をしようとするため、ぶつかる
- 相手の分担になっている部分に不十分さを感じて、自分の分担になっているところの量を過大に感じること
- 食器洗いを毎日しています。する事自体は嫌いではないですが、例えば自分が食器洗いをしている時に妻が洗濯をするとかなら納得しますが、寛ぎながら韓国ドラマのビデオ消化するのが習慣なのがイラっとします。
- 朝は洗濯、ゴミ出し、朝食、子どもの学校送り出し、その後仕事で、帰宅して晩御飯、宿題を見る、風呂、寝かしつけで、ワンオペですが、「あれさせた?」「これできてる?」と聞かれること。
- 食洗機を買いたい。家事を代行したい。
- もう既にやった家事をやって二重の手間になっていること。
- スキルの差があり、妻より自分がやることが多くなってしまう点。
- 満足度の違い。やり直しされるといろんな感情が生まれる。
家事分担の困りごとや悩みを教えてください
- どの位が標準か知りたい。
- 家事のことを言っても言い訳ばかりして、育児と家事の両立をどのようにさせたらいいか悩んでいる。
- 合意的ないこともありだと思っているが、相手がその不満を処理できているのか、気になる。
- どんどん妻のハードルが上がっていくこと。
- 子どもが大きくなってきたので、どの辺りから頼っていくか。
- 妻は片付けと掃除するのが苦手で「無理」と決めつけてほとんどやらない。自分もやるので少しは挑戦か努力して欲しい。でも他人を変える事は出来ないので、自分も進んで夕食作りをするとかすべきとも分かっている。やっぱりコミュニケーションが足りないせいで「ああすればこう言われる」が先にきてしまい葛藤から抜け出せない。
- 自助努力だけで難しい側面の打開。地方だと託児や家事代行などのサービスも少なく、それ以上に「そんなものに頼るのは親としてどうか」的なカルチャーが蔓延している事が、育てにくさや関わりにくさを助長している面がある。
- 一般的な父母の家事育児分担が逆になっています。同じようなパパさんと会話したいのですが中々会えず…。
- パートナーは「気にならないからしなくていい」と思っているのでやってくれないが、自分は気になるけどチリツモで負担の大きくなる家事をどう分担するか。
- 家事分担をしていないので、わざわざ分担のような決まり事を作らなければ動かない関係性のメリットを知りたい。
皆さん、ご苦労様です。
ただ、ちなみに最も多かったのはこんな声でした。
- イラッとすることやぶつかることもあるが、不満はない。
いろいろありましたが、不満はないという人が多くて本当によかったです。
子育ては、子どもの成長でひと段落しますが、家事はさらに先まで続くもの。
末永く付き合っていきましょう!
ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました!
そして!今回もこの結果を受けてアドラー式子育ての熊野英一さんにご意見を伺いました!
あさって公開の記事では、アドラー的な視点から家事分担の話し合いで重要なことについてお伝えします!お楽しみに!
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