共感が苦手…でも変わりたい!アドラー流共感力を高めるヒントとは

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共感が苦手…でも変わりたい!アドラー流共感力を高めるヒントとは

周りの人たちにちゃんと「共感」することが大事とか、女性は「共感」を求める生き物だ、なんてことを言いますが、「共感」って具体的にどうしたらいいのでしょうか?

「共感が苦手」「どうもピンとこない」「わかったふりになってしまう」と悩む人も少ないはず...

今回は、いまひとつ「共感」の仕方にピンと来ていないパパからの悩みに対して、「共感」をとても大事にするアドラー心理学のスペシャリストからアドバイス。

「共感」とは何か?そして「共感」することでなぜ人間関係が良くなるのでしょうか?

「共感」が苦手な人が勘違いしがちなこと

質問者
質問者

アドラー心理学を学んだことがある知り合いから「共感」をすることがコミュニケーションを円滑にして、人間関係を良くすると聞きました。

でも、私はどうも周りの人に「共感」するのが苦手だし、正直いまひとつよくわかりません。具体的にどうしたらいいか教えてください。

おっしゃる通り、アドラー心理学では「共感」をとても大事にします。

ただ、確かに「共感」がどんなものかよくわからないという声を聞くこともあります。

今回はいい機会なので「共感」について掘り下げていきましょう。

「共感」は誰に対してもできる

まずはアドラーが「共感」について言った言葉をお伝えします。

アドラー心理学のポイント

共感とは、相手の目で見て、相手の耳で聴き、相手の心で感じること

そんなの無理じゃないか!と言う人もいると思います。

確かに物理的には無理なことかもしれませんが、簡単に言うと「相手に憑依する」とか「相手になりきる」という姿勢のことと考えてください。

好きなアニメのキャラクターや映画の登場人物に感情移入するような感覚です。

同じ事実でも人によってとらえ方は違います。

例えば、電車の中で騒いでいる人がいたとしましょう。

Aさんは周りの人も困っているので騒いでいる人に注意しました。

一方Bさんは余計なことに巻き込まれないようにそのまま静観しました。

さて、あなたはどちらの人に共感できますか?

おそらく多くの人はAさんかBさんのどちらを選ぶと思いますが、それは「共感」ではありません。

なぜなら「自分ならどうするか?」と考えているからです。

先ほどのアドラーの言葉にあるように、大事なのは「相手」ならどうするか?であれば、「自分なら」ということは置いておかなければならず、周りの人のこと考えて注意したAさんの気持ちにも、巻き込まれないように静観したBさんの気持ちも、「共感」することは可能なはずです。

つまり、「共感」は原則誰に対してもできるものなんです。

「共感」と「同意」をわけて考える

AさんとBさん、どちらかを選んだ人は、それぞれのとった「注意する」「静観する」という行動に対して「自分なら」と考えたと思います。

それは「共感」ではなく「同意」なのです。

「共感」と「同意」は明確に分ける必要があります。

腹が立って友達を叩いた人がいた場合。

「怒る気持ちはわかるけど、叩いちゃダメだよ」と思ったりすることがあると思います。

これが「共感」はするけど「同意」はできないというもの。

「共感」したからといって必ずしも「同意」しなくてはいけないわけではないのです。

同じように、「同情」も「共感」と混同されがちです。

「かわいそう」といった哀れみを含んでしまうと、それは「共感」とは違うからです。

人間の感情は人それぞれなので、それ自体に優劣はありません。

相手の思っていること感じていることの善悪をジャッジすることなく「あなたはそう思うんだね」と受け止めることこそが「共感」だと言えるでしょう。

共感することでなぜ人間関係は良くなるのか?

共感することで聞き役になれる

誰だって自分の思ったことや伝えたいことを話したいものです。

そして自分の話に興味を持って聞いてくれる人のことはみんな大好きです。

安心しますし、きっと心を開いてくれる可能性が高まります。

そして、興味を持って話を聞くために大切なのが「共感」です。

例えば、野球が大好きな人がいたとしましょう。

あなた自身は興味があるかどうかは別として、「野球のどんなところが面白いんですか?」「今まで見た中で一番すごい選手は誰ですか?」など野球に関する質問をしたらどうでしょう?

きっと嬉々として語りだすでしょう。

これこそまさに「共感」です。

相手の関心を持っている野球に対して、あなたも一緒に関心を持っている状況です。

「インタビュアー」になればいいんです。

何度も言いますが、あなたが野球を好きかは関係ありません。

また、あなたが野球を好きになる、つまり「同意」する必要もありません。

反対にあなたが好きな物について、このように聞いてくれる人がいたら、喜んで話すし、その人に対していい感情を持つとは思いませんか?

自分から相手の気持ちに寄り添って共感することで、信頼を得ることができれば、やり取りはスムーズになると思いませんか?

横並びの関係は繋がりを感じられる

コミュニケーションは互いの「わかってほしい」のせめぎあいです。

ただ、向かい合って互いの言いたいことをぶつけ合うような、互いの価値観の優劣をつけるような関係ではわかりあうことは難しいと思います。

横に並んで同じものを見るようなスタンスで、それぞれの思いについて話し、例え「同意」はしなくてもジャッジし合わないでいることができれば、繋がりを感じられることでしょう。

人によってはこちらが言ったことに対して否定してくることもありますが、そこはまた否定してくる人に「共感」してみてください。

共感された相手は自分を尊重してくれたと感じます。

続けることで相手もこちらを尊重してくれるように変わってくる可能性も十分にあります。

互いに尊敬、尊重し合う関係こそ、良好な人間関係ではないでしょうか?

いきなりなんでも「共感」ができるかというとそうではないかもしれませんが、このことを意識するだけで人との接し方はだいぶ変わると思うので、まずは「共感」を意識してみてください。

ただし「同意」とは分けて考えることを忘れずに!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 「共感」は全て相手目線。「自分なら」という思いはいったん置いておく
  • 「共感」と「同意」をわけて考える
  • 相手の関心に関心を持ってインタビュアーのように話を聞いてみる

相手の言っていることをジャッジせずに聞くのは本当に難しいもの。

ついつい「それはさ…」と口をはさみたくなってしまいますが、それこそまだ「共感」できていない証拠。

ぐっとこらえて相手の関心に関心をもっていきましょう!

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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