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乗り物酔いしやすい子供のメンタルケア!親がすべき効果的な声掛けとは

夏といえば旅行!

でも、乗り物酔いしやすい子どもがいると、長距離ドライブなど親としては不安ですよね。

乗り物の酔いどめ薬を飲むなどいろいろな対策方法がありますが、メンタル面でのケアをするためには親がどんな声掛けをすればいいのか?

アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。

乗り物酔いに不安な子どもに共感ファースト!

乗り物酔いに不安な子どもに共感ファースト!

質問者
夏休みに、妻の実家まで車で帰省をする予定です。

4時間ほどかかるのですが、乗り物酔いすることが多い年長の息子は不安そうです。

もちろん我々親も不安です。

こんな時に前向きになれるような声かけの方法はありませんか?

夏休み、楽しい予定がたくさんある人も多いと思います。

特に旅行や帰省などの遠出は普段とは違う体験ができるので楽しみですよね。

ただ、一方で不安なこともあります。

子どもの乗り物酔いはその代表格かもしれません。

医学的な対策方法もいろいろあると思いますが、今回は親として気持ちの面の支え方を考えていきましょう。

子どもに「気にするな」と言うのは逆効果

乗り物酔いに限ったことではないですが、うまくいかなかった経験があるものに再びチャレンジするのは不安になるものですよね。

これは大人も子どもも同じだと思います。

そんな時、子どもから「不安なんだ、どうしよう?」と言われると、何とか乗り切ってほしい親としては「そんなの大丈夫だよ。気にしなくていい」といった言葉をかけることがあると思います。

もちろんそれが「良かれと思って」なのはわかります。

ただ、それは不安を口にした子どもからすると「わかってもらえない」と感じてしまい、よりメンタルが落ちてしまうことも考えられます。

そもそも不安や心配は、必要以上に感じることで結果的に悪い結果をうんでしまう、いわゆる引き寄せてしまうところがあります。

だからこそ、あまり深く考えないで済むようにサポートすることが必要だと思います。

子どもの乗り物酔いへの不安を受け止める

不安や心配になることは誰にだってあります。

得意なことだけではないので当たり前です。

だからこそ「気にしなくていい」という声掛けで、不安を無理やりなかったことにしようとしてもあまり意味はありません。

まずは、その不安を否定せずにしっかりと受け止めていきましょう。

具体的には「不安だよね」「吐くのは嫌だよね」という子どもが思っていることを言葉にして共感すること。

これを、不安を伝えてくれた最初にするのが大事。

つまり「共感ファースト」です。

お互いに不安であることを共有して同じ方向を向いていることを伝えてはじめて、声掛けを聞いてもらえる状態になります。

そのうえで、「不安でいいんだよ」ということを伝えてあげましょう。

決して不安になることそのものが悪いことではありません。

まずはいったんそこを認めて、そこから対策を考えていきましょう。

こういった寄り添う姿勢は、うまくいかなかった時でも大丈夫だと思えるようになり、それが自己肯定感に繋がると思います。

本当の意味での「大丈夫だよ」とは

本当の意味での「大丈夫だよ」とは

「パパも不安になることはあるよ」

先ほども言ったように不安になることは誰にでもあります。

パパもママもそうですよね。

だったらまずは不安な子どもに対して「パパやママも不安になることはあるよ」と伝えてあげましょう。

「不安になるのは自分だけじゃない」、そう思えたら不安になっている自分がおかしいわけじゃないと気付いてくれるかもしれません。

それで少しは気がラクになることもあるでしょう。

そのうえで伝えてあげたいのが「大丈夫だよ」ということ。

ただ、それは「不安にならなくて大丈夫」という不安をなかったことにする意味ではありません。

「もし車酔いをしてしまっても大丈夫」ということです。

もし子どもが車酔いしてしまっても迅速に対応できるように万全の準備をしておけば、対処できますよね。

そうすることで、気持ち悪くなってしまったら早めに言ってもらえる環境が作れますし、何より「ひとりじゃないよ」と伝えることができます。

「一緒にやってみよう」

車酔いは、出発前に体調を整えることなど事前にできる対策があります。

それこそネットで調べたら、医師など専門家によるいろいろな対策が出てくるはずです。

まずはそれを子どもと一緒に調べてみましょう。

これもまた「ひとりじゃないよ」と伝えられる行動です。

不安や心配をひとりで抱え込ませない行動は、乗り物酔い以外でも大切だと思います。

対策方法を調べたら「一緒にやってみよう」と声をかけ、実際に一緒に取り組んでみてください。

例えば、まずは近い距離の車移動をして車酔いしない成功体験を重ねてイメージを回復する。

もし酔ったとしても「たまたまこの車との相性が悪かっただけで、すべての車で絶対に酔うというわけじゃない」という視点を伝えてあげることもいいでしょう。

大切なのは「あなただけじゃない。不安なのも、対策するのも。」ということを伝えること。

一緒に取り組んで、全力で夏を楽しんでください!


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 子どもの不安に共感し「不安だよね」「嫌だよね」と寄り添う
  • 車酔いに対して万全の対策をして「酔ってしまっても大丈夫」と伝える
  • 事前にできる対策を「一緒にやってみよう」と伝え、ともに対策に取り組む

我々親でも、職場などで一番つらいのは孤立無援な状況で何かに取り組むことですよね。

家に帰れば一緒に考えてくれる人がいるということは、家が安心安全な空間であると感じてもらうためにも大切だと思うので、これを機に向き合う姿勢について考えてみてください。

また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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