みんな忙しい年度末。心の余裕がなくなってしまいがちです。
今回はそんな年度末に、息子の保育園の準備を始めたら夫婦喧嘩が増えてしまい、悩んでいるパパからのご相談です。
実は、夫婦喧嘩が増えるのには心理的背景や生活環境の変化など、明確な理由があります。
本記事では、「夫婦喧嘩 増えた」と感じたときに知っておきたい原因や解決へのアプローチを解説。
アドラー心理学の専門家である熊野英一さんのアドバイスを交え、実際に役立つ具体的な方法をお伝えします。
今からできる関係改善のヒントを見つけてください。
困難な状況に直面している時こそ夫婦喧嘩が増える

今は夫婦でいろいろと準備をしていますが、その中でぶつかることが増えてしまっていて困っています。
今までそれほどぶつからなかったのですが、これはどうにもならないでしょうか?
まずは入園おめでとうございます!
息子さんも新たなステージに入りますが、それを支えるお二人もまた、今までとは少し違う生活になるでしょう。
そんな新たな出発を前に夫婦喧嘩が増えているということですが、実はとっても自然なことなんです。
今回はそのあたりをお伝えしましょう。
初めてのことに直面すると人は本性が出る
今回はまず、アドラーの言葉をお伝えしましょう。
アドラー心理学のポイント
ライフスタイルは普段は目立たないが、困難に直面した時にはっきりと表れる
人にはそれぞれ「性格」がありますが、アドラー心理学ではそれを「ライフスタイル」と表現します。
おおむね10歳くらいまでに形成されると考えられていて、それまでの経験や得た知識などが影響するものです。
あなたも妻も、もういい大人ですから、TPOをわきまえて行動したり、言葉を選んだりすることはできると思います。
でも、それは本心じゃないことだってありますよね。
普段はそれを抑えているわけです。
つまり、あなた自身が心の奥底で思っていることや本当に感じていることは、出さないでおくことがよくあると思います。
それはきっと妻も同じ。
ただ、アドラーが言うように「困難に直面した時」はどうでしょうか?
そこまで取り繕う余裕がなくなってしまうことはありませんか?
そうなると、普段であれば、ちゃんと周りを見て、気づかってできることができなくなり、自分の本来持っているライフスタイルが出てしまうということです。
今回は、息子さんが初めて保育園に入るという状況。
しかもこの忙しい年度末。
限られた時間の中で、新しいことに向けた準備をしなければいけないという「困難」にぶち当たっているわけです。
おそらくぶつかって夫婦喧嘩になってしまっている原因は、二人が困難な状況に直面しているため、互いのライフスタイルがむき出しになっているから起きているのではないかと思います。
ライフスタイルに良い悪いはない
人間みんなが持っている「ライフスタイル」は、それぞれ違いますが、そこに上下や優劣はありません。
特に夫婦においては、ライフスタイルが違うことが多く、互いの足りないところを補完しているケースが多いものです。
一つの例としては、ママはきっちりと全部しっかり準備したいタイプで、パパはざっくりでOKにしちゃうタイプ。
きっちりと準備することももちろん大切ですが、それが過ぎても大変になってしまうし、一方で全部適当なのは困るけど、あるていど楽観的に方が気持ちに余裕をもてる部分もあるという感じでしょうか?
結局のところ、どっちも一長一短なわけですが、困難に直面して視野が狭くなると、自分の主張が強くなり、相手のいいところが見えなくなってしまうのです。
では、そんな状況がわかったところでどうしていったらいいのでしょうか?
夫婦喧嘩は強いチームを作るチャンス!
夫婦で同じ目標を目指してみよう
子育てをしていくうえでは、成長とともに様々な困難が待っています。
特に第1子となると、これからやってくる全てのことが初めてのこと。
例え今回を乗り切ったとしても、また同じような状況はやってくると思います。
だったら、今のうちから練習をしていく感覚で、少しずつすり合わせていくという目標を据えてみてはどうでしょうか?
最初は難しくても繰り返しやっていくことで慣れてくることはあると思います。
こういう状況になったら相手はこうなるだろう、という予想もついてくると思います。
どんなことも最初から100%うまくいくということはないので、練習を重ねて互いにいい落としどころを見つけていけばいいと思います。
一番いけないのは、ぶつかるからといって放り出してしまうこと。
それをやってしまうと、相手に不満がたまりますし、何より進化することもなく、結局ずっと同じことを繰り返すことになります。
今は難しくても、5年後、10年後にはいろいろ変わるはず。
夫婦で話し合って同じ目標を目指してやっていくことをオススメします。
夫婦は足りない部分を補完して強くなる
先ほども
夫婦においては、ライフスタイルが違うことが多く、互いの足りないところを補完しているケースが多い
と書きましたが、要は自分に足りないところをパートナーが補完してくれるという状況は、チームとしてはメリットが多いことです。
自分では気づけないリスクを妻が気づいてくれることもあれば、その逆もしかり。
むしろあまりにライフスタイルが似ている場合は、どっちも同じリスクに気づかないというケースもあるわけです。
また、主張がAとBとまったく違った場合でも互いの主張のいいところを踏まえたCという別案を導くこともできます。
選択肢を増やせるということは成長でもあり、人生の幅を広げるチャンスでもあると思います。
この姿勢で行けばこれからやってくる困難も、あくまで家族の成長のチャンスと前向きにとらえることができるので、例えその時はぶつかったとしても、その先の明るい未来に向けて折り合いをつけやすくなると想像します。
今回は、初めて二人がこんなにぶつかったという経験に戸惑っているかもしれませんが、とてもいい機会だと思うので、改めて考えてみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 人は困難に直面すると自分本来の考え方のクセや特徴がでやすいもの
- 互いのライフスタイルに良い悪いはないので、互いに尊重し合う
- ぶつかることを繰り返し練習して、落としどころをみつければ強いチームが作れる
人に話しかけるって何歳になっても勇気がいるものですよね。
でも、年齢を重ねている方がきっと成功体験も多いはず!
きっとうまくなじめるかは自分次第だと腹をくくって臨んでみましょう!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
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