子供を見守る親になるには?自立を支えるアドラー心理学のポイント

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子供を見守る親になるには?自立を支えるアドラー心理学のポイント

自立した子どもに育ってほしい!という思いは、きっとほとんどすべての親が持っているものですよね。

でも、いざとなるとつい手や口を出してしまい、「子供を見守る親でいたいのに、なかなかできない…」と悩んでいるパパも多いのではないでしょうか。

子どもの自立をサポートするために大切なのは、親が「守る」から「見守る」へと少しずつ立場を切り替えること。

そして、その土台になるのが子どもへの「無条件の信頼」です。

今回は、アドラー心理学にもとづく子育て講座で多くの親を支えてきた熊野英一さんの著書『育自の教科書 父母が学べば、子どもは伸びる』の続編。

前回の「親の自立」に続き、見守る親になるための考え方と、どうしても見守れない人のための具体的な方法を教えてもらいました。

親の立場は「守る」から「見守る」へ

親の立場は「守る」から「見守る」へ

前回、子どもの自立をサポートするためにはまず親が自立することをお伝えしました。

その上で、過干渉・過保護にならないために具体的に必要なことは、手出しや口出しを極力減らすこと、つまりは「見守る」ことです。

とはいえ、頭でわかっていてもなかなかできないですよね…。

では、なぜそれが難しいのか?考えていきましょう。

子育ては「守る」ことから始まる

産まれたばかりの赤ちゃんの育児は、100%「守る」ことから始まります。

話すことはもちろん、移動することもできないし、食べることも、トイレもできない。

危険から身を守ることももちろんできません。

なので、生後数か月に関して、親はとにかくわが子の命を守ることが責任となります。

その後は、もちろん徐々にですが成長していきます。

首がすわって、寝返りをうって、ハイハイをして…段々とできることが増えていきますよね。

そうなると、全てを守るだけではいけなくなります。

様々なスキルを子ども自身で体得していくためには、子ども自身が練習をする必要があります。

時には教えたり、後押しをしたりすることもあると思いますが、できるだけ「見守る」必要が出てくるわけです。

成長とともに「守る」が減り、「見守る」が増える。

この調整は、意識しないとなかなか難しいのです。

手出し・口出しが子どもの自立を妨げる理由

ずっと親が手出し、口出しをしていくと子どもはどうなるでしょうか?

「自分は何もしなくても親がやってくれる」

と考えるクセが付くことは想像しやすいでしょう。

ただ、それだけではありません。子ども自身が

「一人で生きる実感を得ることができなくなる」

ということがあります。

要は、自分で挑戦して何かを成し遂げたり、うまくいったという成功体験を得たりする経験をそいでしまうことに繋がります。

そうなると、自己肯定感はもちろんのこと「自分はこれができる」という自己効力感もまた低くなってしまうのです。

これはもはや、子ども自身が育っていく、自立していく権利を侵害しているともいえます。

小さいうちは仕方ないと考えてしかりですが、成長に応じて少しずつ適切に手放すことはそれほど重大な影響を与えるという認識は持っておいた方がよいと思います。

見守る親に欠かせない「無条件の信頼」とは

見守る親に欠かせない「無条件の信頼」とは

条件付きの「信用」と、無条件の「信頼」の違い

親が子どもに対して強い言葉を使ってしまったり、理不尽な要求をしてしまったりすることは時折あると思います。

その時、子どもはすぐに親のことを嫌いになったりするでしょうか?

きっと、皆さんの経験からわかるように、そんなことはまずありません。

それでも少し時間が経てばいつものように近づいてきて笑顔で接してくれます。

それは「親は自分のこと愛してくれるはずだ」という「無条件の信頼」がそこにあるからです。

一方で親の中には、自分の期待に沿っているときだけ、信じても良い何らかの根拠があるときだけ信じる人もいます。

例えば、「言うことを聞いたら」「お片付けができたら」「歯を磨いたら」など条件を付けてOKを出す。

このように条件付きで認めることは「信頼」ではなく「信用」です。

対して「信頼」は無条件。

子どもが期待に沿っていようがいまいが、存在や人格を否定することなく信じる。

もし不適切な行動をとった時は、あくまでその行動のみをいさめるというスタンスです。

とても我慢が必要なことですが、親の方が、ある種頑張って「無条件の信頼」を与え続けることで、子どもはそれに応えようとします。

それが見守ることでの自立に紐づいてくることです。

わが子を信頼するには、まず自分自身を信頼する

そんなこと言うけど、あれだけ毎回やらかす子のことを信頼なんてできない!

という人もたくさんいますよね。その気持ちには強く共感します。

ただ、考えてみてください。

親であるあなた自身も、かつてはきっといろいろなことをやらかし、そこからいろいろな経験を積んでできるようになったでしょう。

これは紛れもない事実です。

そして、あなたの親をはじめとする人たちがどこかで信頼して見守ってきてくれたから、できるようになったのです。

同じようにあなたもわが子に対して「どうせできない」と決めつけずに、信じてみてもいいのではないでしょうか?

また、自分自身を信頼できていないと、なかなか他の誰かを信頼することはできないものです。

あなた自身が積み重ねてきたできるようになったことに目を向けて、信頼するスタンスに立つこと。

また、全てはできなくても、それが自分であると不完全でもありのままの自分を認めることができてこそ、わが子への信頼も生まれるし、ありのままを認められるというものです。

どうしても見守れない人は「はじめてのおつかい」作戦を

頭でわかっていてもなかなかできないという気持ちもよくわかります。

そんな人には、やや力づくではありますが、こんな方法もあっていいと思います。

それは、物理的に手出し、口出しをできない状況を作る、ということです。

もちろんある程度の年齢になってからのことにはなりますし、大事になるようなおそれがあるものは別として、例えば自分の仕事を今まで以上に忙しくして、少しは子ども自身に任せないと回らない状況を作るということです。

わが子は親が片づけないと、全然片づけない場合。

今までだったら、仕事を減らして片付けをしていたかもしれませんが、それをしない。もう片付けるまで根気強く待つ。

「放っておいたら気が気じゃなくてそんなことできない!」という人は、もはや子どもの片付け状況に気が回らないほど、頭をパンパンにしてみるのもいいと思います。

もう少しポジティブな例えで言えば、「はじめてのおつかい」ですね。

どんなに心配をしても家を出て行ってしまったら、もう手出しができず、信頼するしかない。そんなところです。

こういう時に親の心配をよそに意外とちゃんとできたりするのもよくあること。

それまで親の頭の中にあった「できないはず」は、実は過度だったと気づくチャンスができれば、少しずつ手放せるようになっていくものです。

見守ることで少しずつ大きくなっていくわが子の姿を楽しんでいきましょう!


熊野さん、ありがとうございました!

子供を見守る親になるために、自立を支えるアドラー心理学のポイントをまとめると...

ポイント

  • 成長に合わせて「守る」から「見守る」へ切り替える
  • 条件付きの「信用」ではなく「無条件の信頼」を与える
  • わが子を信頼するために、まず自分自身を信頼する
  • どうしても難しければ、物理的に手出しできない状況をつくる

親になるともう泣かずには見られない「はじめてのおつかい」。

そう思うと確かに気持ち的にはできるか心配になりますが、はじめてのおつかいを終えた子どもの成長した顔を思えば、やっぱりそこはグッとこらえて頑張りましょう!

今回ピックアップした熊野英一さんの著書

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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