もし子供が先生と合わないと言ったら?親がしてはいけない対処法

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もし子供が先生と合わないと言ったら?親がしてはいけない対処法

子どもたちが通う学校や保育園、幼稚園には先生がいますが、相性が良くなかったり先生と合わないということもあります。

親としては悩ましいところですが、そんなときはどうしたらいいのでしょうか?

今回はコミュニケーションの専門家でアドラー式子育ての熊野英一さんに、アドラー心理学の視点から見て親がしてはいけないこと、先生と子どもそれぞれにどのように歩み寄るべきか、アドバイスを聞きました。

まずは先生と戦闘モードにならない

まずは先生と戦闘モードにならない

質問者
春から小学校に通い始めた娘が、学校に行きたくないと言うことがあります。

話を聞くと「先生がイヤだ」と言っていて、どうしたらいいものかと悩んでいます。

何かいいアドバイスはありますか?

私は不登校支援の活動もしていますが、子どもたちが学校に行かない、行けない理由は様々です。

お友達との関係や勉強に関するもの、そして、先生との関わりがうまくいかないという話も聞きます。

実際、これはとても難しい問題だと思います。

人生に多くある出会いのひとつではありますが、確率的に考えれば、どうしても相性が合わない先生に出会うことも少なくないはずです。

常に未来志向で、どうすれば幸せに過ごせるかを考えるアドラー心理学の観点で見ると、まずはその現状を憂い、そのままにしておくことは得策ではないでしょう。

その状況を受け容れ、建設的に未来を見据えた時にどうするかを考える必要はありそうです。

もちろん、別の学校に行くということも選択肢のひとつだと思います。

しかし、周りにいる友達との関係など、いろいろなことを踏まえる必要もあるので、まずは、できることを考えてみてはどうでしょうか?

この時、決してしてはいけないと思うのは、「相手=この場合は先生」を不審な目で見ることや、敵としてとらえて戦闘モードに入ってしまうことです。

先生とはいえ人間ですから完璧ではない部分もあるでしょう。

また、時には親である自分たちより年下で未熟に見えてしまうこともあるかもしれません。

そういうときにあら探しをするように見てしまうと、ネガティブな要素ばかりが見つかって、関係はより悪くなってしまうケースがほとんどだと思います。

また、アドラー心理学では「世界像」といって、人は誰しも自分なりのメガネをかけていて周りの見方に、それまでの価値観や経験が影響すると考えます。

もしかしたら、そのメガネで見た先生には、親自身の正義を押しつけていて、客観的に見ることが出来ていないケースも考えられます。

果たして、その状況で解決に進むことはできるでしょうか?

きっと、お互いが傷つけ合って、いい形に向かうことは難しいと思います。

また、子どもは親の影響を受けるので、いつも否定的に見ている親の姿を見て、子どもも否定的なものの見方をするようになってしまうことも考えられます。

では、どうすればいいのでしょうか?

子どもだけでなく先生にも共感を

子どもだけでなく先生にも共感を

アドラー心理学の原則で考えると最初にすることは「共感」です。

先生がイヤで学校に行きたくないという子どもに共感。

そして、忘れてはいけないのが、そんな我が子を受け持っている先生にも共感することです。

全てのケースでそうではないかもしれませんが、多くの場合、教え子といい関係が作れていないのであれば、先生も困っていたり、悩んでいたりするのではないでしょうか?

また、この状況をどうにか良くして、子どもの成長のプラスにしていくことができるか?という、親と同じゴールを目指しているとも考えられます。

であれば、ストレートに先生と対話をすることからはじめてみることが必要だと思います。

繰り返し言いますが、敵対心をもって先生に何かを「改善して欲しい」という要求をするのではなく、感謝とねぎらいの気持ちをもって「自分はもっと仲良くしたい」という姿勢で、そのためにはお互い何ができるか?ということを話し合うのです。

そもそも先生という仕事は、多種多様な多くの子どもたちと向き合うことを考えればとても大変であることは想像できます。

そんな中で、先生がいい仕事をするために親として協力出来ることはあるか?と聞いてみてもいいかもしれません。

いずれにしても、我が子がイヤだ、行きたくないというのは先生が悪いと決めつけることなく、客観的に状況を見て、向き合ってみてはどうでしょうか?

もちろん、話し合いで必ず解決するとは言えないので、転校することも含めて選択肢をいくつか考えておくことも大切だと思います。

また、その時に「先生と合わないから転校するなんて良くない」など、自分の中にある“こうあるべき”というものにもこだわりすぎずに選択肢を広げることも必要だと思います。

なかなか正解に辿り着くのは難しいことだと思うので、どのように折り合いをつけるかを先生と一緒に探ってみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 子どもがイヤだと言っても先生と敵対して戦闘モードになることは避ける。
  • 子どもだけでなく先生にも共感。前向きに対話してみる。
  • 話し合いで解決しないことも視野に入れて選択肢は多く持つ。

クラスの友達はたくさんいるので、一部合わなくてもなんとかなりそうなところですが、先生となると考えてしまうという人は多いと思います。

ただ、友達と違うのは、親と同じく成長を願っていること。

同じゴールを目指しているもの同士で一緒に考えてみましょう。

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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