もうなんでこんなに女同士ってぶつかるんだ!
妻と娘の母娘ケンカに巻き込まれ、「パパもなんか言ってよ!」と振られたとき、何を言えばいいのか悩みますよね。
正直、何を言っても炎上する気がして気が引けます…。
実は、母娘ケンカの仲裁でパパがやりがちな“正論アドバイス”こそ、火に油を注ぐNGワード。
ここで大事なのは「味方」ではなく「仲間」になることです。
この記事では、母娘ケンカへのパパの関わり方を、アドラー式子育ての第一人者・熊野英一さんが解説。
仲裁する?無視する?こじらせてしまうNGワードと、パパが言うべき“正解の一言”までお伝えします。
母娘ケンカはまず「課題の分離」から

妻に似て負けん気が強い娘。小さいころからことあるごとに妻に言い返してはケンカを繰り返してきました。
最近娘が小学校高学年に差し掛かり、より激化している気がしている中、相変わらず僕にも「パパもなんか言ってよ!」と言ってきます。
これ、なんて言ったらいいのでしょうか?
まずは、心中お察しします。
パパの本音としては、当然「仲良くやってよー」というところだとは思いますが、きっと二人が求めているのはそんな言葉ではなさそうです。
どんな言葉がいいか考えていきましょう。
パパが仲裁に入るほどケンカが増える理由
アドラー心理学では起きた問題について、「それは誰の課題か?」を整理する「課題の分離」という考え方があります。
例えば、子どもの宿題で考えてみると…
「宿題をやる」⇒これは子どもの課題
宿題をしないことで困るのは子ども自身。
なので、親としてはそこに干渉する必要はない、という考え方です。
でも、多くの親は「ちゃんと宿題しなさい!」など、結局口出しをしてしまいます。
確かに「やるべきことをちゃんとやる」ということを伝えるために、親としてサポートする必要はあると思います。
しかし、「親に言われなくてもできるようになる」ということを目的とするのであれば、子どもの課題に勝手に踏み込んでしまっている状態ともいえます。
今回のケースで言えば、課題はケンカをしている当事者同士にあるので、パパの課題ではありません。
なので、何も言われる前に仲裁に入って、行事的な役割を担うのは越権行為とも考えられます。
また、介入を繰り返しているうちに、「パパが何とかしてくれる」という前提ができてしまい、遠慮なくケンカをするようになってしまい、かえってケンカが増える可能性も大いにはらんでいます。
そうなると、「パパがいるときはケンカするけど、二人の時はあんまりしない」という不思議な状況がうまれてしまうこともよく聞きます。
「パパもなんか言ってよ」で“共同の課題”に変わる
ただ、今回の場合。どちらからかは別として「パパもなんか言ってよ」と、協力を求められています。
ここで初めて母娘ケンカは、母と娘という当事者だけでなくパパも含んだ「共同の課題」となります。
とはいえ、なんと言ったらいいのかは難しいところ。
まずは、言ってはいけないNGワードから整理していきましょう。
NGワード1
「そんなの自分たちでなんとかしてよ」
課題を分離したらそうなるのもわかります。ただ、これはだいたい母からも娘からも責められるやつです。
というのも「パパもなんか言ってよ」という助けを真っ向から拒否してしまっているのと、一番言われたくない大正論なので、「そんなことはわかってるよ!」という反発を受けるでしょう。
NGワード2
「なんか」
これはとあるパパの実話。「パパも“なんか”言ってよ」と言われたので、「なんか」と答えたらしいですが、その受け流し方は当然火に油を注ぐ結果になったとか。
言うまでもないですが、放り投げられたらそりゃ怒ります。でも、むしろパパとしては「巻き込むなよ」というメッセージだったような気もします。
結果的に二人の矛先がパパに向いたおかげでケンカが収まることもあるかもしれませんが、根本解決とは言えないですよね。
NGワード3
「まあ、いったん落ち着きなよ」
一見、正解のようにも見えますが、そんなこと二人ともわかっているわけで、そのうえでヒートアップしている人からすると上から目線の言葉。
こんなことでケンカするなよ、というのは本音かもしれませんが、そんな正論をぶつけてもいいことは起きませんよね。
結局のところ、何を言っても正解はなくて、ほぼほぼNGワードである可能性の方が高い状況なのです。
とはいえ、何もできないわけではないと思います。
母と娘が本当に求めているのは“味方”ではない

どっちが正しい?ジャッジは逆効果
ほとんどのケンカには双方の言い分があって、それぞれの視点から見れば自分が正しいと思っています。
大きく見れば戦争と同じ。
では、ここで第3者に求めるのは何か?
自分が正しいと思っていることを後押ししてくれる味方です。
とはいえ、一方が正しいとしたら、もう一方を否定することになります。
でも、正直なところ、客観的に見ればほとんどはどっちもどっち。
しかも、どちらかの味方をしたところで母と娘が仲良くすることにはつながりません。
なので、本人たちが求めていたとしても、どちらかの味方をする必要はありません。
味方より仲間になろう
ものすごいケンカをしていたかと思えば、まるで姉妹のように仲が良い時もあります。
おそらくお互いに根底には「仲良くする方がいい」ということは理解しているし、なんなら「ケンカがしたい」とは思っていないものです。
そのうえで、パパに助けを求めてきた時。
表面上は味方を求めていたとしても、本当に必要なのは、自分たちと一緒にこの問題を解決してくれる仲間のはずです。
だからこそパパは、正論でジャッジするのではなく、カウンセラー的な役割になるといいと思います。
ヒートアップしてしっかりと伝えられないお互いの主張や感情までを、できるだけ穏やかに翻訳するという仲介方法。
戦争で第3国が出てくるのと同じ感覚です。
そう考えると、パパが言うべき言葉はきっと・・・
「わかった。とりあえず両方の話を聞くね」
こんな感じじゃないでしょうか。
どちらかの味方をするわけでもなく、双方の話を聞いて整理をする。
きっと、それぞれは言いたいことを聞いてもらっているうちに少しずつクールダウンしていくと思います。
もちろん、これをするためにはパパ自身に余裕がないと難しいですよね。
忙しい時にはなかなかできません。
パパはまず、自分で自分の機嫌を取って日々穏やかに準備しないといけないかもしれません。
ケンカが起きる前の“事前準備”がカギ
また、基本的にヒートアップした人は男女年齢を問わず話を受け容れることができません。
今回ここで説明したような「課題の分離」など、ケンカの最中に話しても無駄です。
だからこそ、落ち着いているときに「まずは自分たちでなんとかしてほしい」ということ、「困ったら声をかけてくれたら整理する」ということは伝えておいた方がいいと思います。
ちなみに、今回は娘さんが小学校高学年ということでした。
おそらく、もっと小さい時には「子どもがもう少し大きくなったらおさまるのでは?」なんて予想をしていたかもしれませんが、むしろ理論的になるほどケンカが激しくなるケースもよくあります。
「時間が解決してくれる」とは思わずに、「毎回丁寧にやっていかないといけないことが割と長く続く」と、パパは心の事前準備をしておくことも必要だと思います。
いずれにしても、お互いに言いたいことが言えない、言わない、というむか新状態と比べればまだマシなほうだとは思いますので、ゆっくりと対応していってください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- まずは「課題の分離」基本的には自分たちでなんとかしてもらうことだと割り切る
- 助けを求められたら「共同の課題」として関わる
- 味方ではなく仲間になることを意識。ジャッジせずに整理
- ヒートアップしていないときに話しておく事前準備も忘れずに
まあ言葉で言うのは簡単ですが、実際はそんなに理想的な展開にはならないことも多いと思います。
とはいえ、何もしないわけにはいかないのでみんなでそれぞれの課題を練習していきましょう!
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