兄弟姉妹を育てている人たちにとっては、もはやおなじみの悩みでもある兄弟喧嘩の対応法。
仲裁したほうがいいのか?
それともあまり口を出さない方がいいのか?
アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから 、アドバイスを聞きました。
兄弟喧嘩の数だけ仲直りもしている
お互いにケガをするようなことにはなっていませんが、とにかく喧嘩が起こるたび仲裁に時間を取られて、ツラいです。
二人の関係は今後大丈夫でしょうか?
また喧嘩を減らすことってできるんでしょうか?
兄弟姉妹は遠慮がないからこそ喧嘩になりやすいもの。
考えようによっては、それだけ言いたいことをぶつけ合える仲だとも言えます。
が、やっぱりいつもギスギスしているのは嫌なモノですよね。
さあ、どうしたらいいのでしょうか?
兄弟喧嘩は子どもの課題
これまでの記事でもたびたび伝えてきた「課題の分離」。
その課題は誰の課題であるかをしっかりと切り分けて考えた時に、兄弟喧嘩は間違いなく「兄弟二人」の課題です。
他の人の課題には不用意に手や口を出さないことが原則だと考えると、兄弟喧嘩には基本的にあまり親が立ち入らない方がいいと考えられます。
質問を見る限り、ケガを負わせるようなことにはなっていないとのことですが、時にはケガや大きな問題につながるようなことにもなりかねません。
その時はもちろんしっかりと間に入って仲裁するなど、止めることが必要であることは忘れないでください。
まったく放っておいていいということではありません。
ずっと喧嘩をしているわけではない
心配されている兄弟ですが、寝ている時間以外ずっと喧嘩をしているというわけではないですよね?
あくまで想像ですが、きっと仲良く笑い合っている時間もあるはずです。
親としては喧嘩の回数が多いと気になってしまうところですが、同じ数だけ仲直りをしているのです。
その方法は日によって違うとは思います。
結論を出さずに距離を取ったり、どちらかが泣いて反抗しなくなるまでの時もあるかもしれません。
でも結果的に喧嘩は収まっています。
そうやって、喧嘩の数だけ仲直りの練習をしていると思えば、もしかしたらいつの間にか仲直り上手になって、家の外では喧嘩をあまりしないで済んでいるかもしれません。
そう考えると、やっぱり心配しすぎなくてもいいと思います。
時間はかかるかもしれませんが。
兄弟喧嘩を減らすのに必要な2つのこと
喧嘩の最中は何を言ってもダメ
喧嘩を減らす方法についても考えていきましょう。
口を出さない方がいい、とは言いましたが少なくとも一緒に暮らすメンバーとして子どもたちの喧嘩が原因で不快な思いもしていますし、時間を取られているわけなので、それを軽減するために交渉をすることはあってもいいと思います。
大事なのはタイミングです。
子どもに限らず、喧嘩をしている最中の人は冷静とは言えません。
だからこそ、喧嘩をしている当事者に向けて、どんなアドバイスをしても冷静に聞くことは難しいでしょう。
もし子どもたちの喧嘩を減らすことをお願いするのであれば、まずは「子どもたちが話を聞ける状態の時」に話すことが必要です。
もちろんこの時、まずは二人それぞれの気持ちに共感することからスタート。
その上で自分たちがどのように困っているかを伝えます。
「パパは君たちの喧嘩を止める行司ではないこと」もしっかりと伝えるといいと思います。
そして、「君たち二人で解決できると信じていること」を伝えてみてください。
実際に、仲裁をしないでも仲直りをしているケースはあるはずです。
毎回親が入ってこないことを理解したら、最終的に親に頼らずに喧嘩を収める方法を考えるようになるはずです。
「心配」かもしれませんが「信頼」して見守ってみてはどうでしょうか?
喧嘩が注目を引く作戦になっているかも
兄弟喧嘩の多くは、お互いの主張ややりたいことなどをぶつけ合って、その権利を勝ち取ることなのではないかと思います。
でも、それだけではありません。
激しい喧嘩をすると、親が飛んできて関わってくれると感じている子どももいます。
あくまでそういうケースがあるということですが、普段なかなか関わってくれない親に対して寂しく感じていて、なんとか注目を集めたいということです。
つまり、喧嘩自体が親の注目を引くための作戦なのです。
その作戦に乗ってしまってはいないでしょうか?
子育てをしていると、使ったものを片づけたり、上手に食べたり、言うことをしっかり守ったりという適切な行動をとった時には、それを認める言葉をかけずに、出来なかった時だけ叱ってしまうということがよくあります。
そうなると、「いいことをしても見てもらえないから悪いことをする」という行動を選びがちです。
だったら、喧嘩をした時にだけ登場することをやめて、適切なことをした時にもしっかりと注目をすることが必要です。
きっと悪いことをしても注目を浴びることができないと気づけば、だんだんと行動は変わってくるはずです。
いずれにしても、すぐ劇的に変わることはないかもしれませんが、粘り強く続けてみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- そもそも兄弟喧嘩は子どもの課題なので出来るだけ口を出さないのが原則
- 喧嘩の数だけ仲直りをしているので、心配しなくても大丈夫
- 減らすための話し合いは、落ち着いている時にすること
- 注目を引くための喧嘩にならないように適切な行動にもちゃんと注目する
喧嘩ってシンプルにうるさくて嫌ですよね。
本当に一回でも減らしたい。
こちらが意識を変えたら減るかもしれないと思ったら、ひとまずやってみてはどうでしょうか?
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