一般的に、女性は丁寧で男性は大雑把な人が多いイメージを持つ人が多いと思います。
今回は大雑把な性格で、分担した家事についても妻に文句を言われたり、怒られたりと、悩むパパからのご相談。
アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんから、妻へ歩み寄るための「大切な2つのこと」をアドバイスします。
ガサツと言われる人でも結構生きていけるもの
現在2歳の息子を共働きで育てていて、家事を分担していますが、自分では丁寧にやっているつもりなのにことごとく「ガサツ過ぎる!」と妻に怒られます。
自分でも直したいと思ってはいるのですが、なかなかうまくいかずに悩んでいます。
どうしたらいいでしょうか?
アドラー心理学では、相手のことを変えることはできないので、まずは自分から見直すことをすすめることが多いです。
が、そうはいってもいい年になってから変わるのは簡単ではありませんよね。
じゃあどうするか?今回も一緒に考えていきましょう。
意外と困っていないかも
アドラー心理学では、その人の性格=ライフスタイルは概ね10歳くらいで決まると考えられています。
昔から大雑把ということなので、きっと20年以上はそんなライフスタイルで生きてきたと思います。
想像にはなりますが、そんな状況でも仕事もしていて、結婚もして、子どももいて、それなりに生活を送れているのだろうと思います。
もちろんその中では、今回のようにそのガサツさがゆえにぶつかったり、困らせてしまったこともあると思いますが、なんとかなってきたでしょう。
そう、実際は大雑把でもなんとかなってしまうことがほとんどです。
要は、本当に心から困っているか?というと、そうでもなかったりするのです。
これはガサツだけでなく、時間を守れない、暴飲暴食してしまう、などいろいろなことに共通していますが、無理に変えなくても今まで困らなかったので、本心では変えなくてもなんとかなると思っている人は多いのです。
というか、そもそもガマンしたり、今までと違うことをするのはストレスなので、できればそのままいた方が楽でしょう。
自分の行動は全て自分で決めていると考えるアドラー心理学においては、「〇〇できない」ということは「○○しない」と同じことだと考えます。
ただ、今回のようにともに生活する妻が本当に困っているとしたら、それはやはり何かしらの行動をとった方が今後のためにもいいと思います。
家事の基準や分担などもう一度妻と話し合ってみる
家事における丁寧の基準を自分で決めない
じゃあ、今すぐに「もう大雑把にはやらない!」と自分で決定して、全てを丁寧にやろう!と言っても、そう簡単には変わることはできないもの。
質問で「自分なりに丁寧にやっているつもり」とありますが、おそらくパパの考える「丁寧」と妻が考えている「丁寧」にギャップがある可能性はとても高いと感じます。
想像するに、大雑把なパパの考える「丁寧」はきっと妻から見たら「全然丁寧じゃない」と言われるクオリティのような気がします。
妻にガサツと言われなくなる方法の一つ目として提案したいのは、まずその「丁寧」の基準を自分で考えることからまずは手放してみることです。
家事についてもめることが多いようなので、まずは家事について「やる・やらない」という分担ではなく「どうやってやるか?」という方法やクオリティなどのゴールまでをしっかりと話し合って決めるということ。
この時、いきなり全部を妻基準のクオリティに到達させるのはさすがに難しいと思うので、そこは調整が必要だと思います。
ただし、最初から「そんなクオリティは無理!」と決めつけるのではなく、1年後にはここまでできるように、など練習期間を考えつつ少し長いスパンでギャップを埋めていくということを夫婦で話し合っていくことは必要だと思います。
時には何かクオリティをあげることに繋がる便利なツールなどを使う、といった工夫をしてもいいでしょう。
大雑把でもできる家事の分担に見直してみる
ひとつの事実に対して見方を変えることで、長所にも短所にも捉えられることがあります。
例えば「落ち着きがない」ということも、見方を変えれば「フットワークが軽い」と捉えられるといった具合です。
アドラー心理学ではそれを「リフレーミング」(枠組みの再構築)という言い方をしますが、「大雑把・ガサツ」についてもリフレーミングしてみましょう。
「大雑把・ガサツ」⇒「大胆」「おおらか」「スピードは速い」などなど
結構ポジティブな要素もあると思います。
であればそれをどう生かすか?
妻にガサツと言われなくなる方法の2つ目として提案したいのは、夫婦で分担する家事のうち「大胆さ」や「スピード」が求められることを担当することにしてみてはどうでしょう。
要は、苦手を克服するのではなくて、互いに力を発揮しやすいものに注力するということです。
そもそも同じものを同じクオリティでやっていくことはなかなか難しいものですから、こういう分担の仕方をしている夫婦は他にもいると思います。
この時のポイントは、負担感が少しでも軽くなったと感じられる分担を探すことです。
例えば「洗濯」をひとつとっても、畳むクオリティは妻だけが担保できるからといって「洗濯全部」を妻にまかせるのではなく「洗濯物を運ぶ」とか「洗剤などの買物」など、できる工程を探してみることで少しは変わると思います。
きっと大雑把な人でもできることはまだまだあるはずです。
妻に「貢献したい」と思いを伝えることが大事
いずれにしても、今の状況を脱するために最も必要なことは、当事者である妻にも協力してもらうことです。
とはいっても「オレはこうしたいんだ!どうにかしてくれ!」なんてスタンスはご法度。
まずは「一緒に機嫌よく家事を進めるために貢献したい」という思いを伝えること。
そして同じゴールを見据えた上で、大雑把を克服する方法を取るか、それとも大雑把でもできることを担当する方法を取るか、ということを決めて進めていくといいでしょう。
クオリティというポイントでぶつかった時に、二人で協力してうまくいくように工夫している姿を見ていれば、子どももきっと誰かとぶつかった時にどのように進めていけばいいかという参考になるはずです。
どんな方法を取るかはあなた、そして妻次第。
まずは腹を割って話をしてみましょう!
検討を祈ります!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 自分で変えられないと感じていることは、本心から困っていないことかもしれない
- 家事のクオリティの基準を妻と話し合って決めて、少しずつギャップを埋めていく
- お互いにできることをもう一度考えてみて、分担をやり直してみる
- まずは、妻に「貢献したい」という思いを伝えて同じゴールを見て話し合う
今回は夫にとって苦手なことの話でしたが、きっと妻にとって苦手なこともあるはずです。
どちらかが苦手なことだけに目を向けずに、もっと広い視野で見て夫婦の協力体制を取っていくことが出来たら、いろいろなことがスムーズに進むのではないかと思います。
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