怖くて家に帰りたくない!夫を「帰宅恐怖症」にさせる原因と改善法

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怖くて家に帰りたくない!夫を「帰宅恐怖症」にさせる原因と改善法

妻のワンオペ育児を軽減するためにも、ちゃんと仕事を終わらせて早く帰って家事育児をしないと!

頭ではわかっていても、帰ると妻に怒られると思うと、帰りたくなくなってしまう男性(夫)が増えていると聞きます。

そんな「帰宅恐怖症」とも考えられる夫からのご相談、どうやってこの状況を改善したら良いのでしょうか?

アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスを聞きました。

ちょっとだけ家に帰らない選択も考えてみましょう

ちょっとだけ家に帰らない選択も考えてみましょう

質問者

3歳と1歳の娘の共働きパパです。

春から責任のある仕事を任されなかなか大変な日々を送る中で、できるだけ早く帰ってはいるのですが、毎日のように妻に怒られていて、最近は帰りたくなくなってきてしましました。

もっと効率よく仕事も家事もできればいいのでしょうが、それが難しく落ち込んでいます。

どうしたらいいでしょうか?

家事や育児をやろうとするパパは増えていますが、なかなかうまくいかなくて妻とぶつかりがちになってしまうという話はよく聞きます。

それが今回のような「帰宅恐怖症」というものに繋がったり、揶揄するような「フラリーマン」なんて言われ方をしているようです。

少なからず同じ思いをしている人は結構いるのではないかと思います。

まずは寄り道でもしましょう

質問を見る限り、家事や育児がしたくないということでもなく、むしろやろうとしている姿勢が伺えます。

ところが、仕事の影響もあってそれがうまくいかない。

加えて、家でもうまく妻とコミュニケーションが取れていない状況が伺えます。

また、一方で妻からの言葉についても、決して妻を責めるような言い方をされていないことから、妻の大変さを理解をしているように感じます。

気になるのは、まるですべて自分に責任があるように感じてしまっているのではないかということ。

もしかしたら周りにうまくやっているように見える人もいるかもしれませんが、仕事も家庭もうまく回すことはそれほど簡単なことではありませんし、一概に誰かひとりが悪いということではないと思います。

家でも外でも自分がうまく発揮できていないことについて自分を責めてしまうと、知らず知らずのうちに究極のところまで自分を追い込んでしまう可能性があると思います。

だったら、ほんの少しだけでも「家に帰らない選択」も考えてみてほしいと思います。

急に家出をするということではなく、ほんの少しの寄り道であったり、休憩をはさむことも、長い目で見れば必要なことだと思います。

もちろん、その間も妻はひとりで家事と育児に追われていることや、妻だって帰りたくないのに帰っている日がきっとあるということにも思いを馳せるのも大切だと思います。

とはいっても、ガマンの限界を迎えて未来をすべて棒に振ってしまうようなことだけは考えないように、少しだけ息抜きの必要はありそうですよね。

「私だけ頑張っている!」から抜け出すためには

「私だけ頑張っている!」から抜け出すためには

荒れている妻が伝えたいことは?

あくまで推測にはなりますが、きっと妻だって穏やかに仕事、家事、育児をしたいと思っているはずです。

ただ、仕事ではそうそう荒れている姿を見せることはできず我慢し、家事や育児においては、自分だけが頑張っているように感じてしまっていて、それをうまく夫に伝えられていない。

いやむしろ伝えているつもりだけど、伝わっていないと感じることへのイライラがあるように見えます。

きっと、妻からのSOSも含まれていると思います。

「もっとやってほしい」「ちゃんとやってほしい」という言葉などは、言われている側からすると責められているように感じるかもしれません。

でも本当に伝えたいことはおそらく「助けて」なのではないでしょうか?

この時に、「私だけ頑張っている」VS「自分だって頑張っている」の「頑張っている選手権」は意味がありません。

なぜならどっちも頑張っていて、そこに審判もいない状態で優劣をつけるのは難しいからです。

でもきっと「頑張っている“共感”選手権」なら話は別です。

一緒にいない時のことを考えてみましょう

お互い目の前にいると、その状況だけを見て「やっている」or「やってない」という判断になります。

でも、目の前にいないときにどうだったのか?考えて共感すると変わってくると思います。

それぞれの行動や言動には、どんな思いがあるのか?

まずはやっぱり共感することから始めてみることをオススメします。

そうしていることで自然と労いや感謝の言葉は出てくるはず。

それを伝えていくことで、互いの鎧は脱げていくのだと思います。

共感しあう先にあるのは、互いに「私だけ頑張っている」という思いではなく、「私たち頑張ってるよね!」という戦友のような感覚なんだと思います。

ただ、互いに追い込まれていると、いきなりそこにたどり着くのは難しいもの。

何せそんなことを考える余裕もないので。

であれば、時に寄り道や遠回りをして深呼吸することでちょっとだけ冷静に、労いや感謝を思い出すための余裕を作ることは効果があるのではないでしょうか?

最終的には月並みな言い方になってしまいますが、とにかく一回、自分が深呼吸できる時間を作り、さらにパートナーが深呼吸できる時間を作る工夫をしてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • とにかく自分を追い込みすぎない。時には寄り道も必要。
  • 妻の荒れている目的にSOSがないかを考えてみる
  • 互いに共感して「どっちも大変だけど頑張っている」と認め合い同じ方向を向く

「他人のせいにするな!」と言われてきた世代の大人は、すぐに「自分のせい」だと思いがちです。

しかし考えてみれば、世の中はもっと複雑で一人だけに責任があることはほとんどないと思って、自分を大切にしてきましょう!

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また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!

熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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