子育て夫婦の永遠のテーマともいえる「夫婦の家事分担」。
先日行ったパパのホンネアンケートでは、しっかりと話し合いをしている夫婦が増えているという結果が出ました。
これを受けて、おなじみアドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんに、家事分担でもめないために話し合っておきたい3つのポイントを聞きました。
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夫婦の家事分担のコツは話し合い!?各家庭での取組みをパパにアンケート
夫婦でもめる原因は家事分担を決めること
アドラー式子育ての熊野です。
夫婦の家事分担は子育て中はもちろんのこと、子育てが終わってからも必要になるまさに夫婦にとって永遠のテーマでしょう。
先日のアンケートでは、その家事分担を決めるために話し合っている夫婦が増えていることがわかり、とてもいいことだと感じました。
今回はその話し合いをより効果的にするために、考えておきたい3つのポイントをお伝えします。
妻も自分も日々状況が変わる
夫婦の家事分担でもめてしまう理由を考えてみましょう。
その多くは、分担量や負担の偏りなどで不満を感じることが原因です。
もちろん、それを解消するために話し合いでルールを決めるわけですが、決めたら決めたでルールを守らなかったりすることでまたもめたりしがちです。
ルールがあることはとても大切なことですが、ルールがあるからこそもめてしまうという葛藤もあるわけです。
お互いに調子がいい時はルールがストレスにならずに進められるのですが、どちらかが体調が悪いとか、忙しいなどといったときにこそもめごとになりがちですよね。
人は毎日体調も精神的な状況も変わります。
さらにお天気や仕事の状況も毎日同じというわけではありません。
だけどルールだけはまったく変わらず存在する、それが苦しくなる原因になることがあるのです。
先日のアンケートでこのような結果がありました。
家事分担で最も重視したことはなんですか?
- 仕事などとのバランス:32.3%
- きっちり決めすぎないこと:22.6%
- 負担の公平感:16.1%
- ストレスの公平感:12.9%
- その他:16.1%
この中で2番目に多かった「きっちり決めすぎない」ということが1つ目のポイント。
ルールをしっかり決めないと守れない人もいると思いますし、ルールがある方が目的がはっきりしていいと考える人もいると思います。
時には、あまりにもルールに縛られすぎて窮屈に感じることも出てくると思います。
本当に大切なのはルールがなくても互いに思いやり、自主的に動けるような関係性のはずです。
変わり続ける生活の中で、柔軟に対応できる余白を持ったルール作りをオススメしたいと思います。
ルールは守れなかったときのことを想像する
続いて「きっちり決めすぎない」に付随したことで、もう一つ考えた方がいいこと。
こちらは先日のアンケートで「話し合いをスムーズにすすめるためにした工夫」に届いたコメントです。
トラブルが発生する前に話し合いをする。
トラブルが発生してからだと感情論になりやすいので他人事のうちに話し合いをしました。
「最初はYesと言ったのにできない→原因は何か?」にポイントを持っていけるからです。
これが素晴らしいと感じました。
ポイントは「トラブル」に目を向けていることです。
家事分担の話し合いというと、当然家事を並べて「どっちが、どれを、どのくらいやるか?」という物理的なところを考えますよね。
でも、実際はそれがうまく回らない時もあります。
そこに目を向けてみましょう。
2つ目のポイントは「ルールを守れなかった時はどうするか?」これも合わせて決めることです。
以前も記事の中で「ルールを作るときは、ペナルティも同時に決めることが大切」と伝えましたが、それと同じこと。
とはいっても「守れなかったらデザートなし」みたいなペナルティを決めるということではありません。
例えば「パパが夜に皿洗いをする」と決めた場合、「仕事が忙しくてできなかった」とか「体調は悪くてできなかった」というケースはよくありますよね。
その時に、「翌朝に持ち越してやればOK」とか「事前に伝えたらママが代わりにやる」といった、ある種これも余白を持たせるような感覚のフォロー体制や諦めていいポイントを決めると言うこと。
また、よりトラブルにならないために、決め事自体を「最低限これだけはしよう」くらいハードルを下げておくことも必要だと思います。
不満がたまる前に夫婦で共有する
不満がたまらない工夫を考える
先日のアンケートで聞いた「話し合いはどんなタイミング」について上位3つはこちらでした。
第1位:ライフステージが変わるタイミングで
2位:家事分担に不満があったとき
第3位:パートナーが困っていると感じた時
もちろんもめる時というのは「不満」が原因になることが多いわけなので、不満があったときに話し合うということは理解できますよね。
ただ、ここで気になるのは「不満を言わない」人がたくさんいるということです。
そもそも日本ではガマンすることや自己犠牲を伴って頑張ることが美徳だと考えられることが多く、また「自分が我慢すればうまくいく」と考える人も少なくありません。
そうすると、一生懸命ルールを決めて、それを守りながらやっているうちにいつの間にかどちらかの不満がたまっていって、突然大爆発を起こすようなことになりかねません。
では、それを防ぐためにどうすればいいか?
それが3つ目のポイント「不満がたまりにくいようなルールも考えること」です。
もっとも端的に考えると「不満はためずに言う」というルールを作ればいいでしょう。
また合わせて「相手の不満は黙って聞く」というところまで決めておけば、ひとまず「不満を共有する」という目的は達成できそうです。
ただ、思ったときにすぐ不満を口にすることが苦手な人もいます。
その場合は、例えば話し合いを定期的に行って互いに「今のままでOK?」という確認をし続けることもいいと思います。
要は不満を伝えるチャンスを頻繁に作ることで「不満がたまる」という事態を避けられるようにするのです。
不満があれば言える環境はそれだけで安心しやすいと思います。
どんなルールも“アジャスト=調整”できることが大切
パパ、ママはもちろんのこと子どもも毎日状況は違います。
さらにライフステージの変化で生活も変わります。
家事分担だってそれに伴って変化していいものですよね。
もっと言うと家族の間で決め事を作るときには、家事に限らず全てのことでこの変化が前提であることが必要だと思います。
ずっと同じでいることはできない以上、状況に応じて対応するフレキシブルさが大切であり、ルールもアジャスト、つまり調整できるように考えておく余裕が、家族にとって大切だと思います。
ぜひそんなことを踏まえて話し合ってみてください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- ポイント①きっちり決めすぎないこと
- ポイント②ルールを守れなかったときのことも考えること
- ポイント③不満をためない工夫も考えること
- 全体的に変わりゆく生活に合わせて、アジャストすればいいと余裕をもっておく
家族で暮らしていくためには最低限のルールは必要で、話し合って決めないといけないことも多いですよね。
そう考えると包み隠さず思いを伝えられる関係性が一番大切になってくるでしょう。
そのためにも普段からのコミュニケーションを大事にしていきましょう!
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