「わかっているけどできない」は言い訳?アドラー心理学が教える"人生の嘘"の正体

パパのこと コミュニケーション

「わかっているけどできない」は言い訳?アドラー心理学が教える"人生の嘘"の正体

仕事に家事に忙しい毎日の子育ては、「わかっているけどできない」ことの連続。

つい「忙しいから」「子どもが言うことを聞かないから」と言い訳してしまう……そんな自分にモヤモヤしているパパも多いのではないでしょうか。

でも、その「できない」は本当でしょうか? 

アドラー心理学では、自分以外のせいにしてできない理由をつくることを「人生の嘘」と呼びます。

そして、言い訳をしてしまう心理の奥には、「できない自分」を認められない気持ちが隠れていると考えます。

今回は、アドラー式子育ての第一人者・熊野英一さんの著書『育自の教科書 父母が学べば、子どもは伸びる』から、言い訳の心理と、ありのままの自分を受け容れて一歩踏み出すためのヒントをお届けします。

「わかっているけどできない」は言い訳?

「わかっているけどできない」は言い訳?

前回、前々回と「親の自立」をテーマに伝えてきました。

きっともう言われなくてもわかっているという人も多いと思いますが、実際にできるかと言うと、なかなか出来ないものです。

今回は、その「わかっているけど出来ない」という状況について掘り下げていきます。

「わかっている」はウソじゃない

仕事が忙しくて、子育てに手が回らない。

子どもが寝ている間に勉強した方がいいんだけど、疲れているのでついスマホを見ちゃう。

良くないのはわかっているけど、子どもが言うことを聞かないので感情的に叱ってしまう。

仕事と家庭に頑張る皆さんからそんな声をどれほど聞いたでしょう。

これを読んでいる人の中にも、心当たりがある人がたくさんいると思います。

情報があふれる世の中ですから、「あれはこうした方がいい」「これをやってはいけない」という情報は、探さなくても飛び込んでくると思います。

もちろんその情報については「なるほど」と納得することも多々あると思いますが、実際に出来るかどうかは別問題。行動にうつすのは本当に難しいものです。

「わかっているというのは決してウソじゃない。ただ、それが出来ないだけ」そう思っている人がたくさんいると思います。でも、実際に周りを見ると「出来ている人」もいます。

では、どこが違うんでしょうか?

できる・できないは「自分で選んでいる」というアドラーの考え方

アドラー心理学のポイント

「人は誰もが人生の主人公である」と考えるアドラー心理学では、「人は環境や過去の出来事の犠牲者ではなく、自ら運命を想像する力がある」という「自己決定性」、つまりすべては自分で選んで決めていると考えます。

その考え方をシンプルに当てはめるとするのであれば、「出来ない人」は「やらない」を選んでいて、「出来る人」は「やる」を選んでいるとも考えられます。

いやいやそんな単純なことじゃないよ、と感じる人もいるとは思いますが、よくよく考えてみてほしいのです。

「仕事が忙しくて」「疲れているので」「子どもが言うことを聞かないので」先ほど挙げた悩みにはまことしやかな理由が含まれていますが、それでもやっている人はいるわけで、それが必ずしも理由にはならないはずです。

あたかも自分ではコントロールできない、外部の環境や周囲の人に責任を転嫁して「だから出来なくても仕方ない」と言い訳することを、アドラーは「人生のウソ」と呼びました。

その方が自分的に気持ちはラクかもしれませんが、本当にその選択は合っていますか?ずっと言い訳をして、周りのせいにしていくことは、本当にいいことなのでしょうか?

しかし「人生のウソ」からはなかなか抜け出せないもの。その背景にはどんな思いがあるのでしょうか?

言い訳してしまう心理の正体は「出来ない自分」を認められないこと

言い訳してしまう心理の正体は「出来ない自分」を認められないこと

人は「ありのまま」でいられることで幸せを感じる

  • 取引先の相手に頭を下げて、本当は少しも思っていないお世辞を並べる。
  • 気難しい上司の顔色をうかがって、日々びくびくしながら過ごしている。
  • 本当は気が合わないママ友パパ友と必死に話を合わせている。

本当の自分ではない姿を演じることは日々たくさんありますが、それで幸せを感じることはほとんどないですよね。

やっぱり自分は自分らしく、のびのびと、いきいきと暮らした方が気持ちいいじゃないですか。

だからと言ってどんな状況でも自分勝手に振舞うのがいいわけではないですが、やっぱり「ありのまま」でいることは誰にでも大切です。

例え、出来ないことがあっても、それもまた自分。その「ありのまま」を認めてあげることはできているでしょうか?

世の中的には「自己肯定感」と表現されることが多いですが、アドラーはそれを「自己受容」と呼びました。

つまり「出来ても出来なくても、そのありのままの自分を受け容れる」ということです。

自分を受け容れられない人がしがちなこと

例えば「感情的に怒ってしまう」という自分を受け容れられない人は、「子どもが言うことを聞かないので」という「言い訳=人生のウソ」に逃げがちです。

気持ちとしては「感情的に怒らないようにしたい」と思っていても、それを実現するにはかなりの精神力がいるので、本心は「大変だからやりたくない」と思っているかもしれません。

自分以外のところに言い訳を作れば、出来ない自分を認めなくてもよくなります。

そこには「自分は出来ない」ということをダメだと思い込んでいるように感じます。

でも、よくよく考えてみれば、誰もが全部パーフェクトにできているわけではないので、わざわざ「自分は出来る」と、演じてアピールする必要なんてないのです。

そこまで虚勢を張るのは誰のためなんでしょうか?

まずは、「ありのままの自分」を受け容れて認めることからはじめてみてはどうでしょう?

自己受容は「出来ないままでいい」ということではない

「ありのままの自分を認める」ことを「現状維持に甘んじる」と勘違いして捉える人も少なくありません。しかし、そういうことではありません。

自分はこれが出来て、これが出来ないという現状をそのまま認識したら、そこからどうやっていくかを前向きに取り組んでいくことこそが、本当の意味でありのままの自分を受け容れることになります。

もちろん、今は実現できないから現状をしっかりとこなす、という選択肢もひとつですが、簡単には出来なくても取り組むことや、かっこ悪くても挑戦することもまた選択肢のひとつ。

自分のなりたい姿を考えて、どの選択肢を選ぶかが重要です。

どんな人にも24時間しか時間はないし、体力にも限界があるので、全部を思い通りにはできません。

その中で、しっかりと自分で考えて選び進んで行く姿こそ、子どもに見せたい姿だと思いませんか?

いちいち「言い訳=人生のウソ」を考えるのもまた時間を使ってしまうし、無駄に後ろめたい気持ちにもなりがちです。

ここはひとつ「人生のウソ」を捨てて、自分を認めてありたい未来に向けた選択肢を探してみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 来ないことに自分以外の要因を求める「言い訳」はやめよう
  • 不完全な自分を認められない人ほど「言い訳=人生のウソ」を多用しがち
  • ありのままの自分を受け容れて、そこからどうするか考えてみよう

子どもが言い訳すると怒っちゃうのに…正直親の方も、何歳になってもしちゃいますよね。

とても耳の痛い話だと感じる人もいるかもしれませんが、ひとまず今自分がしている言い訳を探して、改めて考えてみましょう!

今回ピックアップした熊野英一さんの著書

著書のご紹介

熊野さんの最新著書『1日1分アドラー 悩みがゼロになる心の処方箋 72の言葉』は絶賛発売中です。

ぜひチェックしてみてください!

-パパのこと, コミュニケーション
-, ,