実は多くの親がやっている!子供が嘘をつくようになる親のNG対応とは

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実は多くの親がやっている!子供が嘘をつくようになる親のNG対応とは

先日、子どもが嘘をついた時にパパたちがどんな対応をしているのか、アンケートを実施しました。

「嘘をつくなと叱る」「本当のことを言うまで問い詰める」というパパが多い結果に。

でも実際はどんな対応をするのが良いのでしょうか?

子どもが嘘を重ねるようになる、やってはいけない親のNG行動とは。

アドラー式子育ての熊野英一さんに、子供の嘘についてのアドバイスをご紹介します。

子供が嘘をついた時叱る?スルーする?パパたちの対応方法をアンケート
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子どもは大切だと思う人に嘘をつく

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子どもは何のために嘘をつくのか?

子供が嘘をつくということは、子育てをしている多くの人が経験しているあるあるではありますが、どう対応したらいいかがよくわからない難しい問題です。

まずは、アドラー心理学の「目的論」の視点で考えてみましょう。

「目的論」とはアドラー心理学の基本的な考え方で「人は必ず何か目的をもって行動する」という考え方です

先日のパパに向けたアンケートの結果を見ると、子どもが嘘をつく理由のトップ5は...

1位:怒られたくない

2位:本当のことを言うのが恥ずかしい

3位:親によく嘘をつかれているから

4位:ほめられたい

5位:失敗を見せたくない

このうち、「怒られたくない」「ほめられたい」「失敗を見せたくない」ということについて考えてみましょう。

少なくとも親に対して「認められたい」という思いが見えるように感じます。

言い方を変えれば「注目をひきたい」「自分をうけいれてもらいたい」とも言えるでしょう。

親から見放されることは、子どもが生きていくうえで死活問題です。

なので、極端な言い方をすれば、子どもにとって嘘は「サバイバル本能のひとつ」とも言えそうです。

嘘をつくようになるタイミングは?

赤ちゃんは嘘をつきません。

おなかが空いたり、おむつが汚れていたり、何か困ったことがあると、泣いて親を呼びます。

すると、親は一目散にやってきてその要求に応えてくれる。

だから嘘をつく必要はありません。

ところが、ある程度成長すると「おなかが空いた」と言っても「ちょっと待ってね」と言われるようなケースが出てきます。

そうなると「あれ?要求に応えてくれない?」と感じ始めます。

もちろん「ちょっと待ってね」ということがNGというわけではありません。

ただ、子どもからすると「これはなんとかして親に要求に応えてもらわないといけない!」と様々な作戦を考え始めるわけです。

そのひとつの方法が嘘。

言葉を始める前でも、すごく困ったふりをするという形の嘘をつくこともあります。

つまり、コミュニケーションが取れるようになってきたら、すでに嘘をつくことは始まっているのです。

どんな相手に嘘をつくのか?

最初は要求に応えてもらうための作戦にはじまった嘘。

そのうち親に認めてもらうために、要求や期待に応えた方が注目してもらえると考えるようになると、自分をよく見せたり、怒らせたりしないような嘘に変わっていくと考えられます。

子どもが嘘をつくときは、子どもにとって一番大切な「親からのOKをもらえない」時です。

ありのままの自分を受け入れてもらえないのであれば、親が受け入れやすい姿を見せようと嘘をついてしまうともいえるでしょう。

ただ、ここで大事なことは決して「どうでもいい相手に対しては嘘をつかない」ということです。

「認めてほしい」「受け入れてほしい」という目的である以上、無関係な人に対しては嘘をつく必要はありません。

親や家族、もう少し年齢が上がると先生や友達など嘘をつく相手はその子にとってとても大切な人です。

だとすれば、親としてどういう対応をすればよいのでしょうか?

子どもがより嘘つきになる親のNG行動

子どもがより嘘つきになる親のNG行動

嘘をつかざるを得ない状況にしてしまう

子どもにとって嘘は「つく必要があると感じているからつくもの」です。

であれば、「つく必要がない」と感じてもらうことができれば、きっと嘘はつかなくなるはずです。

この辺りは、先日パパしるべで書いた下記の記事にもかなり通じるところがあります。

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シンプルに言うと、「嘘をつかなくても認めてもらえる」という関係であれば、子どもは嘘をつかないはず。

もちろん、行動などによっては良くないことだと伝えなくてはいけないこともあると思います。

しかし良い悪いは別として、「嘘をつかなくてもジャッジせずに最後まで聴いてもらえる」ということが大事です。

だとすると、子どもが嘘をつかざるを得ない親のNG行動は、まず「いい子であることを強要すること」や「親の期待を押し付けること」だと考えられます。

まだ成長途中の子どもたちにとっては、うまくできないことだってあります。

また小さい子は周りの人がやっていることは自分もできるという「万能感」を持っているため、できると思って臨みますが、実際はそれができないというケースもとても多いのです。

そんな時に「親の期待に応えられないのはまずい」と思えば嘘をつきますし、反対に「できなかったけどありのままを受け入れてもらえる」と思っていれば、嘘をつかないものです。

日ごろからできてもできなくても注目し、認めていくことを心がけることで、かなり変わってくるはずです。

嘘をついた時は問い詰めない

また、もうひとつ嘘をついた時の親のNG行動があります。

それは、子どものついた嘘を「責めること」や「問い詰める」ことです。

実際にパパたちの対応の中ではこの2つが上位に入っていましたが、これは先ほど言った「嘘をつかなくてもいい関係を作る」ということには決して繋がりません。

なにせ子どもが嘘をついた気持ちには興味を持たずに「嘘をついた」という行動だけにフォーカスしているので、子どもにとってはより苦しいことになっているからです。

そうなると、子どもが取りがちなのは「もっと上手な嘘をつけばいい」という新たな、そして不適切な作戦です。

そして上手になるためにたくさん嘘をつくようにもなると思います。

つまりは「嘘を責めると嘘つきになる」とも言えるでしょう。

もしも明らかな嘘やごまかしに気づいたとしても、「もしかしてそれって…」とか「ちょっと不思議に思ったんだけど…」など、嘘だと決めつけずに余白を持った聞き方をすることをオススメします。

そうすると、時には「実は…」と話してくれることがでてくるはずです。

白状させるというスタンスではなく、少し時間をおいてから「さっきのアレなんだけど、やっぱりよくわからなくて…」くらいの感じで伝えてみましょう。

そして子どもが正直に話したら「あーやっぱりそうだったんだ。正直に話してくれてありがとう」と言ってみましょう。

親の寛容な姿勢こそ、子どもにとって言いやすい関係ではないでしょうか?

「子どもが嘘をついた」のではなく「自分が子どもに嘘をつかせてしまった」。

まずは、そんな感じで受け入れてみてはどうでしょうか?

仕事に家事に忙しくて余裕がないときはなかなかできないことだと思いますが、一度立ち止まって考えてみてください。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 子どもはどうでもいい人に対して嘘をつかない
  • いい子であることを強要したり、過剰な期待を押し付けたりすることはNG
  • 嘘を責めたり問い詰めたりすることもNG
  • 嘘を「ついた」のではなく「つかせてしまった」と考えてみよう

大人になっても嘘をつく人はたくさんいて、きっとその目的は子どもと何ら変わりないと思います。

子どもに限らず周りにいる嘘をつきがちな人がいたら、基本の関係作りに立ち返ってみる必要があるかもしれません。

また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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