子どもと話し合ったはずのルールが守れない!理由と解決策を教えて

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子どもと話し合ったはずのルールが守れない!理由と解決策を教えて

家族が一緒に楽しく過ごしていくためには、ルールが必要になります。

きちんと子どもと話し合ってルールを決めてペナルティも決めたのに、子供が守れない時には親としてどうしたらいいでしょうか?

今回もアドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんに、ルールを守れない理由やルール作りをする上で注意したいポイントについてアドバイスを聞きました。

子どもとのルール作り、2つの基本

子どもとのルール作り、2つの基本

質問者
6歳、8歳の2人の息子を育てています。

長男は比較的聞き分けがいいタイプなのですが、次男が自由すぎてで困っています。

特に寝る時間や家を出る時はどこに行くか連絡する、などいろいろなルールを守れない。

以前、熊野さんの記事を読んで、何度も本人と話し合ってルールを決めて、またペナルティも同時に決めているのですが、うまくいかないのですが、これはなぜなんでしょうか?

小さいうちは生活習慣的なものですが、やがてお出かけや友達を遊ぶときなどや社会的なルールになるという具合に、家族にはどんな年代でもルールは必要。

もちろん夫婦でもルールはありますよね。

今回はそのルールを作る時に気を付けた方がいいことについて、考えていきましょう。

ルール作りの基本1:一方的に決めない

特に子どもが小さい時には、親がしつけを目的としたルールを作ることが多いと思います。

その時に気をつけないといけないのが、親が良かれと思って一方的にルールを決めてしまうこと。

子ども自身がそのルールを理解しないままに決めている場合は、守ることがとても難しいでしょう。

そのため、ルールを作るときは子どもの意見も聞きながら話し合って、お互いが納得したルールにすることが重要です。

いわば「独裁」ではなく「民主的」な対応。

これから多くの人と関わっていく子どもにとっては、社会生活を送るうえでの練習にもつながると思います。

質問のパパは話し合っているということなので、この部分では問題ないと思います。

ルール作りの基本2:ペナルティを同時に決める

スポーツのルールをイメージしてくれるといいと思います。

どんなスポーツでもしてはいけないことがあり、また同時にそれをするとどういうペナルティが課されるかが決まっています。

家庭でのルールも同じようにすることが望ましいです。

もしもルールを破ったらどんな罰を与えられるかわからない、という恐怖で支配する関係は健全とは言えません。

反対に、ルールを破ったのに親の機嫌がいいから許される、となるとルールとして機能していません。

サッカーでハンドをした時に、ある日はレッドカードで一発退場、ある日はおとがめなしだったとしたら選手、観客から総ツッコミ間違いなし。

とはいえ結構親の言うことが毎回違うみたいなことはよくあるので、ジャッジをする立場として親も気をつけないといけません。

質問のパパはここもクリアしています。

ここまで丁寧にやってもルールが守れないとはどういうことなのでしょうか?

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ルールを守れない理由を理解した上での解決策

ルールを守れない理由を理解した上での解決策

守れない理由1:ルールを覚えていない

ルールを守れない理由の一つに、子どもがそもそもルールを覚えていないということが考えられます。

親としてはちゃんと話し合って決めたつもりかもしれませんが、実際のところは「なんだかうるさいからわかったと言っておこう」くらいの認識の場合も結構ありますよね。

そうなると、ルールをちゃんと認識していないため破るつもりもなく破ってしまうという事態になります。

これを防ぐための方法としてはいろいろあると思いますが、例えば決めたルールを子どもに書いてもらい、リビングなど目につくところに貼っておくというのもひとつの方法だと思います。

とにかく子ども自身がルールを繰り返し認識する工夫は必要そうです。

守れない理由2:ルールに納得していない

これも「親が言うから仕方なく」というパターンのひとつですが、こちらの場合は子どもの方は、ルール自体は認識しているけど心底納得に至っていないというケースです。

例えば、友だちと遊びに行くルールを例に考えてみます。

親子では「夕方5時までに帰る」「遊びに行くのは歩いて帰れる範囲」などのルールを決めたとしましょう。

子どもとしては「楽しいんだから6時でも7時でもいいじゃん」「きっと○○くらいなら歩いて帰れるはず」と思っていたとしたらなかなか納得できませんよね。

そもそも自分が安全に過ごせる時間や範囲を、正しく理解することはとても難しいものです。

「暗くなっても大丈夫!」「どこまでだって歩ける!」と思っていることもありますよね。

これを納得するための方法として、まずは言葉で子どもが想定していない危険や影響を伝えることが必要。

さらに場合によっては身をもって体験することがあってもいいと思います。

それは危険な目に遭うということではなく、どこまで歩けるか?子どもが限界を迎えるまで一緒に歩いてみたりすることです。

時間はかかりますが、安全を担保した上で一緒に挑戦することは子ども自身が現状を知ることにもなりますし、親にしてみれば「ここまでできるのか!」という発見にもなるかもしれません。

こうして一緒に経験をした上で決めたルールであれば納得していないということは起こりにくいと考えられます。

理由3:親子の信頼関係ができていない

もしあなたが、仕事の契約をするときに相手が、何度も同じことを聞いてきたり、こちらの質問にちゃんと返してくれなかったりしたら、その相手との契約は躊躇して当たり前ですよね。

同じように、子どもも相手のスタンスには敏感です。

一見民主的な話し合いに見えても親が「どうせ守れないだろうけど」と思っていたとしたら、態度や言葉に現れてしまうもの。

これはルールだけに限ったことではなく、一緒に生活をしていく上で何よりも重要なことです。

どんなに、やり方を工夫してもこの信頼関係が揺らいでいると、実を結びません。

もしかしたらこれが一番難しいことかもしれませんが、何度ルールを破ったとしても「どうせ守れないだろう」というスタンスで臨まないこと。

ぜひ一度そこを徹底して、子どもとの話し合いに臨んでみてはどうでしょうか?


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • ルール作りは「民主的に」「ペナルティも同時に決める」
  • 決めたルールを書いて貼るなど子どもが認識する工夫をするのもおすすめ
  • 納得してもらうために一緒に体験を交えて決めるのもおすすめ
  • 何よりも「守れないだろう」というスタンスを子どもに対してとらない

子どもを信頼することが大事というのは、頭では理解していても、たびたびルールを破られると、なかなかできないですよね。

それでも全力で信頼するためには…心の鍛錬も必要なのかもしれませんね。

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熊野英一

株式会社子育て支援 代表取締役 / ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
子どもたちの居場所づくりプロジェクト「ビリーバーズ」統括リーダー
アドラー心理学会 正会員 / 個人心理学会 正会員

著書は『アドラー式 老いた親とのつきあい方』(海竜社)『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館クリエイティブ)ほか。編著は『急に「変われ」と言われても』(小学館クリエイティブ)。

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