わが子が自分とタイプが違う、理想していたのと違ったとなると、親心として心配になるものです。
今回はそんなパパの悩みについて、コミュニケーションの専門家でアドラー式子育ての熊野英一さんからのアドバイス。
娘の行動が理解できない時に、パパとしてどう捉えていけばいいのでしょうか?
親と子供の「普通」という感覚が同じとは限らない
今年小学校に上がった長女は、“石橋を叩いて渡らないタイプ”の超慎重派で絵本が大好き。
昔から公園に行くよりも家で絵本を読んでいました。
学校の先生によると、休み時間もずっと教室で本を読んでいて遊びに行くことはほとんどないようです。
自分としては、普通子どもは校庭に行ったりドッジボールをしたりすると思っていて、できれば、たくさんカラダを動かして強くして欲しいと思うのですが、このままでもいいのでしょうか?
質問を見る限り、本当に娘さんのことをよく見ていて、きっと特徴を捉えているのだと思います。
向き合っていることはとてもいいことだと思います。
そして、結論から言うと、このままでも何の問題もないと思います。
なので、まずはご安心ください。
その上で、一番お伝えしたいのは、パパであってもママであっても娘さんがどのように成長するかについてはコントロールできないということです。
もちろん、こうなって欲しいと願うことは一向に構いません。
しかし、そのことが娘さんにとってどんな影響を与えるかは、考えなくてはいけないところかもしれません。
質問から推測するに、きっとパパ自身は子どもの頃、ちょうど今の娘さんと同じ小学生だったときに、休み時間になるとまっさきに校庭に飛び出して、ドッジボールを楽しむタイプだったのかなと思います。
だからこそ、質問の中でも「普通」という言葉が使われているのでしょう。
ただ、それは「パパにとっての普通」であって「娘さんにとっての普通」とは違います。
もちろん、同じように「普通」という感覚を共有する親子もいると思いますが、質問を見る限りはギャップがあるように感じます。
おそらく娘さんにとっては、休み時間に本を楽しむことが「普通」なんだと思います。
改めて考えてみてください。
これって良くないことでしょうか?
休み時間の使い方として、運動を楽しむのも、本を楽しむのも、どちらもアリですよね。
そこには「普通」と「普通じゃない」という差は無いはずです。
自分、つまりパパ自身と違うからといって心配する必要はないのです。
親の期待よりも子供が一番幸せと感じるのが大事
アドラー心理学では、概ね9歳から10歳くらいまでに、自分がどのようなキャラクターで生きていくのかを決めると考えられていて、それを「ライフスタイルを決める」と表現します。
娘さんは小学校に入ったばかりということは6歳くらいだと思いますが、ある程度方向性は決まりつつも、今まさにどんなキャラで行こうかといろいろ試している最中だと考えられます。
これから出会う友達や先生。
環境など周囲の状況や出来事によって、そのライフスタイルは大きく変わるかもしれません。
もしくは、今とほとんど変わらないことだってあります。
ただ、どちらに向かったとしても、そこには善し悪しはなくて、全てはその子自身の持ち味です。
アドラーでは、一番幸せなのはその子が居心地のいいキャラで過ごし、そのキャラで活躍したり、社会に貢献したりできることだと考えます。
そして、そのことによって、自分はこのままでいい、自分には価値があると感じることがとても大切です。
それは、親の期待通りのキャラかどうかは別のことです。
質問してくれたパパは、慎重派で内向的であることを心配しているようですが、だからこそできることや、そのキャラが活きる仕事だってありますよね。
だからこそ、親が子どもの将来を決めつける必要はありません。
そして、そのことによって、自分が思っていたのと違うとストレスに感じる必要もありません。
極端に言えば、子どもが自分らしさを発揮して活躍すれば、どっちでもいいんじゃないの?というところです。
まずは、自分が「普通」だと感じる謎の思い込みをいったん手放して、改めて娘さんと向き合ってみてはいかがでしょうか?
きっと心配しないでいいと感じられると思います。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- パパが「普通」だと思っていることは、娘にとって「普通」ではないかもしれない。
- 9歳から10歳くらいまではいろいろなキャラを試している時期。これから変わるかもしれないし、変わらないかもしれない
- 一番は、子ども自身が居心地のいいキャラで活躍、貢献することを意識する
子育てをしていると「なんでこんなことするんだろう?」というシーンに出くわすことは少なくありません。
そんな時は、戸惑ってしまいがちですが、別にそのままでいいと思うと気が楽になるのではないでしょうか。
一方で「自分そっくり」と思うこともありますが、目に付くのは自分でも「イヤだな」と思うことばかりのような気がします。
アレってなぜなんですかね?
今度熊野さんに聞いてみましょう。
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