7月31日に厚生労働省で行われた記者会見で、令和7年度の男性の育休取得率が50.9%となったことが発表されました。
その会見にYouTubeチャンネル「3匹のおじパパ」から、元NHKアナウンサーの登坂淳一さんとともに直接潜入。
おじパパとして思うことを担当者にぶつけてきました。
そしてこの結果を受けて、20年にわたって父親支援をやってきたNPO法人ファザーリング・ジャパンが、8/3に緊急フォーラムを開催。
育休取得率が1%に満たない時代から活動してきた、父親支援団体の思いとは?
【男性育休取得率50%】記者会見に潜入!本来の"登坂キャスター"の姿

パパしるべ編集長のジョージです。
毎年この時期に発表されるのが前年度の男性の育休取得率。
すでにニュースなどで見た人も多いと思いますが、そんな状況も僕が所属するファザーリング・ジャパンが動き出した20年前では想像もできなかったことです。
今回は「令和7年度育児休業取得率の調査結果」および「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査の結果(速報)」を公表する記者会見にお邪魔して、直接最新の結果を聞くことができました。
一緒に行ったのはYouTubeチャンネル「3匹のおじパパ」でおなじみ、55歳にして5歳と4歳の姉妹を育てている元NHKアナウンサーの登坂淳一さん。
これまで「3匹のおじパパ」では、コミカルな姿を見せてきた登坂さんですが、これが本来(?)の姿!培った実力に期待が高まります!
ついに悲願達成!
会見に登壇したのは、「共育(トモイク)プロジェクト」推進委員の羽生祥子さんと平野翔大さん、厚生労働省雇用環境・均等局職業生活両立課長の上田真由美さんの3人。
「共育(トモイク)プロジェクト」とは
昨年7月、それまでの「イクメンプロジェクト」の後継事業としてスタートした共働き・共育ての推進のため、「職場」や「家庭」におけるいわゆる“ワンオペ”の実態を変え、男女ともに誰もが希望に応じて仕事と家事・育児を両立し、「共に育てる」に取り組める社会を目指す事業です。
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会見の冒頭はやはり注目度が高い、昨年度の男性の育休取得率の発表から。
厚生労働省の上田課長から驚きの数字が飛び出しました。

50.9%!!
去年発表された令和6年度が40.5%だったので、10ポイント以上もアップして悲願の50%突破!
また、取得期間についても伸びている傾向があり、割合が最も多いのが「1か月~3か月未満」で30.3%でした。
今回の会見では、「共育(トモイク)プロジェクト」が調査した「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」の結果も公表されました。
「若年層」ということで、調査対象は17歳から39歳の男女。その中には高校生や大学生も含まれます。
その中でも驚きの結果は多かったです。
この「約6割」は男女の平均ですが、驚きなのは男女それぞれの結果。
女性は「54.1%」に対して、男性は「61.4%」つまり同じくらい主体的に育てたいのは男性の方が多いのです!
時代は変わりましたね...
男性育休をさらに伸ばすには?元NHK登坂が育児参画の課題を直撃

会見は進み、質疑応答タイムへ。もちろん、ここから登坂キャスターの出番です!

しれっと「3匹のおじパパ」をアピールしながら質問です。

登坂:上田課長にお尋ねさせていただきます。
男性の育休の取得率が50%を超えた中、期間は1か月ぐらいが多いということでしたが、さらにこの辺りを伸ばしていくために、具体的にどういうことがあればもっと伸ばしていけると、考えているか教えてください。

上田:ご質問いただきましてありがとうございます。
先ほど申し上げた男性の約半数は一ヶ月以上取れるようになってきていますが、やはり女性とはまだまだ差があるというところがございます。
別の調査で育休をもっと取りたかったのに取れなかった方に、要因を聞いたところ、例えば収入面もあるのですが、それだけではなくて、やはり今回の調査にもありましたように、職場の雰囲気が取りにくい雰囲気であったというところですとか、それから上司や周囲の理解がなかったというところ、それからやはりその仕事のやり方が進め方というのが、やはりその自分がいなくなってしまうと、その仕事に支障を来してしまうような、なってしまっているというような、そういう回答が一定程度あるというふうになっております。
やはりそういったところをいかに解消していくのが非常に大事だと思っております。
この辺りの課題は今までと変わらないところもあるかと思います。
ただそういう中で、今回、半数を超えたということに何より意味があると思います。
かつては「男性で育休をとる人はマイノリティ」と言われてきましたが、それが変わり「マジョリティになった」ということです。
これは「マジョリティが正しい」ということではなく、「世の中の風潮が変わった」という観点でのポジティブな影響が期待できるもので、「職場の雰囲気」や「上司や周囲の理解」も変わってくる可能性を感じます。
続いては、共育(トモイク)プロジェクト推進委員の座長、羽生祥子さんへ質問。
登坂:今回の若年層の意識調査がありましたけれども、育休を取得た後、戻ってきて復職した時にどうやって両立できるか、その環境がより整えなくちゃいけないという、そういう話がありました。
男女を問わずキャリアを形成するにあたっては、頑張り時になってくる若年層の世代が育休取得とキャリアアップもしていくこと、そしてトモイクしていくためにどんなことがあるといいと考えていますか?

羽生:本当に重要なこれからの課題そのものだと思いますが、アフター育休ですね。
子どもが成人するまでの20年は、キャリアにとっても重要な20年だと思います。
まだトモイクをしながらキャリアアップをしていった男性のリーダーは少なく、ロールモデルが可視化されていない時代なので、やはり夫婦の中でうまく分担するといった、今までロールモデルの働き方とちょっと違うものも必要になると思います。
ある程度キャリアがひと段落したおじパパとは違う若年層の悩みがちなポイントですが、これからのことを考えるとやはりここは大きなポイントです。
羽生さんによると、共育(トモイク)プロジェクトでは、いろいろなサポートをできるツールの開発や制作も行っていて、会見ではそのひとつとして、子育ての分担などを可視化できる「トモイクシート」が紹介されました。

トモイクシートはこちらからダウンロードできます。
延長戦!さらに突っ込んだお話を!

会見終了後、登壇された共育(トモイク)プロジェクト推進委員の羽生さんと「子どものころから登坂さんをテレビで見ていた」という平野さんを捕まえて、さらにお話を伺いました。
その中では、やはり今回の調査結果にもあるように、若年層の男性が子育てに対して主体的に関わりたいという流れを感じていることや、後押しするような取り組みをしている企業も増えていることなどを伺いました。
そして、おじパパについても質問。
登坂:50代とか、今ってシニアのパパが結構増えていて、私もそうですけど、その世代とかはもう100%ぐらいで子育てしてる人が多いですが、そのあたりはどうでしょうか?
これに対して、産婦人科医でもある平野さんからはこんな回答がありました。

平野:実は産後のメンタルヘルスのリスクに“父親の高齢”は入っているんですよね。
例えば自身の体力の低下であるとか、介護であるとか、いろいろな問題との両立っていったものは、年齢が上がってくればくるほど遭遇しやすい問題なので、選択肢も増える分リスクも増えているみたいなところにどう向き合うかが重要です。
若い世代だと逆に選択の余地が少ないかもしれないけども、まだまだ体力とかもある中でどうやっていくかなど、それぞれの世代にいろいろな課題はあると思うので、いろんな世代でやり方のロールモデルがあり、多分それぞれの年代ごとにやり方があると思うので、そこをどう示していけるか?は結構大事じゃないかと思っています。ここからは多様化が大事。
育児もこうじゃなくて、いろいろな形があっていいんだよっていうのを出せるかどうかは、いろいろな活動に求められてるのかなと私は思います。
確かに!
育休とキャリアの狭間で悩む働き盛りの世代もいれば、おじパパもいる中で、何が正解かなんてわからないし、それぞれの形が広がっていくことはとても大事だということを改めて感じさせられました。
登坂さんのジャーナリストぶりが光る記者会見の全編は、YouTubeチャンネル「3匹のおじパパ」で公開中!
こちらもぜひチェックしてください!
男性育休取得率0.57%→50%へ|20年見てきたファザーリング・ジャパンの思い

この会見から3日後、8/3(月)にNPO法人ファザーリング・ジャパンは文京区男女平等センターエガリテで、緊急フォーラム「『隠れ育休調査』から15年 〜男性の育休取得率向上を超えた『真に共に育てる社会』への次なる提言〜」を開催しました。

全国の首長として初めて育休を取得したことでも知られる成澤文京区長をはじめ、オンライン視聴も含めると130人以上が参加したイベントの前半は、今年新たに代表に就任した池田浩久さんから、結成20年を迎え刷新されたビジョンやミッションが語られました。

そして後半はパネルディスカッション。15年前、同じ文京区で行われた「さんきゅーパパプロジェクト」による隠れ育休調査の報告や提言を発表したフォーラムにも登壇した東京科学大学の治部れんげ准教授、またファザーリング・ジャパンも調査研究で協業している東京大学大学院の山口慎太郎教授も登壇。
この15年のファザーリング・ジャパンの取り組みと社会に与えた影響、そして育休取得率のその先の社会で果たしていく役割について語られました。
ファザーリング・ジャパンが設⽴された2006年、男性の育休取得率は 0.57%でした。
そこから20年にわたり、「さんきゅーパパプロジェクト」「イクボスプロジェクト」、政策提⾔などを通じ、⽗親・職場・社会の三⽅向から育休取得率の向上に向けて働きかけてきました。
そして、このたび取得率はついに50%を突破。
それは悲願でもありますが、ひとつの通過点でもあるのです。
ファザーリング・ジャパンはこのイベントを受けて、提言書を発表しました。
タイトルは「男性育休取得率 50%の先へ―“取れる社会”から“共に育てる社会”へ―⽗親⽀援を通じた社会変⾰に向けた 5 つの提⾔」。
こちらで全文読むことができますので、ぜひチェックしてみてください!
3匹のおじパパにやってみてほしい!聞いてほしい!来てみてほしい!という企業や団体の方はぜひご連絡ください!