マイスターの熱い思いは高校生に届くのか!? ~岡崎市子育て支援事業レポート~

特集

マイスターの熱い思いは高校生に届くのか!? ~岡崎市子育て支援事業レポート~

愛知県岡崎市とNPO法人ファザーリング・ジャパンが協働で行う子育て支援事業。

2年目となった今年度は新たな取り組みもスタートしました。

それはより幅広いフェーズの人たちに、子育てに関心を持ってもらうための企画。

今回はその新たな取り組みの様子をレポート。

パパマイスターが向かったのはまさかの高校??お楽しみください!

あなたの要望にマイスターが応えます!!

あなたの要望にマイスターが応えます!!

アンケートの結果を見るのが大好きな、パパしるべ編集長のジョージです。

パパしるべでも毎週パパ向けのアンケートを取っていますが、この回答を読むのは至福の時間です。

自分とは違ういろいろな考えを知ることができるということもありますし、今どきのパパたちの傾向をうかがい知ることができるのも素敵なインプットになります。

岡崎市でも2022年から、子育て世帯向けのアンケートを実施してきました。

その結果や抜粋したコメントは秋に実施している「おかざきこそだて会議」の中でも掲示して、遊びに来た皆さんに共感シールや率直な感想を貼ってもらっています。

最新のおかざきこそだて会議のレポートはコチラ!

紙コップの可能性が広がる!? 「おかざきこそだて会議2024」は今年も大盛況!~岡崎市子育て支援事業レポート~
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圧倒的に多い「育休」を望む声

このアンケートには本当にいろいろな声が届きます。

前回、2023年11月に実施した際に、とてもインパクトがあった”声”がこちらです。

圧倒的に多い「育休」を望む声

ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析( https://textmining.userlocal.jp/ )

より多くの男性が家事や育児に関わるためにどんなことが必要だと思いますか?

という質問に対して男性から届いたコメントに含まれたワードをAI分析した「ワードクラウド」を見ると、「育休」というワードがひときわ大きな存在感を放っています。

一方、女性からのコメントを見てみると…

女性からのコメント

やはりこちらでも「育休」が最も大きい状況。

男女ともに男性の家事育児参画には、「育休」が大きなカギを握っていると感じていることはわかりました。

最新の厚生労働省のデータを見ると、2023年度の男性の育休取得率は30.1%

コロナ禍になってから急速に伸びた取得率はついに3割を超えました。

とはいえ、逆視点で見れば、いまだ7割の人は育休を取っていません。

より多くの人が育休を取り、家事や育児にコミットすることを求める中で、取得率が限定的である状況を変えるには、パパ自身の意識を変えることも大切ですが、企業にも働きかけていく必要があると感じます。

そこで、今年度の岡崎市の子育て支援事業ではそこにも乗り出しました。

社労士マイスターが活躍!

社労士マイスターが活躍!

今回は、全国で中小企業のバックオフィスのサポートをしている株式会社エフアンドエムのお力を借りて、岡崎市主催の企業向けセミナーを実施しました。

タイトル

採用難の現代で選ばれる会社に!~人材確保と定着率向上を実現させる3つの方法~

少子化が進む中、人手不足は多くの業界で懸念が広がっていますが、そんな中で選ばれる会社になるためにどうしたらいいか?

そして、そのひとつの要素として、ワークライフバランスを取り、仕事とプライベートをともに充実させることにつながる「育休」についてもお伝えする機会を作ったのです。

エフアンドエム 加藤丈侍さん

当日は、岡崎市内の中小企業の方を中心に10名が出席。

エフアンドエムの営業推進本部の本部長、加藤丈侍さんが第1部の講師を担当し、まさにすぐに役に立つ、人材確保と定着率向上を実現させるために必要な情報をレクチャーしてくれました。

そして、第2部にはおかざきパパマイスターの1期生が登場!

社会保険労務士 岩田尊之さん

おかざきパパマイスターの1期生であり、社会保険労務士として愛知県労働局にも勤務している岩田尊之さん、通称“がんちゃん”です。

がんちゃん自身ももちろんパパで、かつ育休を取得した経験があります。

また、その育休取得の際に当時所属していた企業との調整に苦労したことから、社会保険労務士へ転身。

岡崎市内に限らず、様々な規模の企業に対して働き方や育休取得をサポートしているのです。

経験と知識をフル活用したがんちゃんの育休セミナーは、下記のお話を伝えさせていただきました。

ポイント

  • 頻繁な法改正もあり理解されにくいことも多い育休制度の詳細
  • 中小企業でどのようにすれば男性が育休取得をスムーズに進めることができるのか

参加した皆さんにとっては、かなり役に立つ情報が詰まったセミナーになったのではないでしょうか?

これで岡崎市の育休取得状況がさらに良くなることを期待しましょう!

「パパになってからじゃ遅い」?

「パパになってからじゃ遅い」?

続いての舞台は学校です!

同じく昨年の子育てアンケートにはこんな声がありました。

質問者
パパになってから、家事や育児のことを勉強しても遅いと思います。

もっと早い段階で結婚や出産、育児のことを学ぶ機会があった方がいいと思います。

高校でも男女が両方「家庭科」の授業を受けるようになって30年が経ちましたが、それでもこの部分を学ぶのは限定的。

ましてや当事者意識を持つのが難しい年代でもあるので、なかなか実感がわかないところでしょう。

そこで「愛知産業大学三河高等学校」が、結婚、出産、育児について授業をすることを快諾してくれました。

対象となったのは情報処理科の3年生148名です。

ここでもおかざきパパマイスターが活躍!

ここでもおかざきパパマイスターが活躍!

「将来家族RPG」と題した今回の特別授業は、結婚・出産・育児という3つのテーマについて、ロールプレイングゲーム=RPGのように自分がどう進んでいくかを想像してもらうことが目的でした。

まず結婚については、僭越ながら僕が講師を担当。

古くは奈良時代から日本における結婚がどのように変わってきたか、また、現代やこれからの結婚事情の見通しについて話しました。

特に、男性で3割・女性で2割に近づいていくと言われる生涯未婚率について、逆に考えると、男性は7割・女性は8割が結婚できるという見方もできると伝えると、高校生たちはざわざわしていました。

続いて、出産について。

ここで新たなおかざきパパマイスター講師が登場です!

理学療法士 佐藤光虹さん

第1期おかざきパパマイスターの佐藤光虹さん、通称“さんちゃん”!

さんちゃんは、理学療法士であり、岡崎市内で産前産後ケア専門整体サロン 「MamaLavie」をやっています。

産前から産後にかけて、女性の体がどのように変化するのか?

そして男性はどうサポートすることが必要なのか?ということについてのスペシャリストなのです。

さんちゃん自身が、妻の産後ケアに苦労した経験から学んだという経験も含め、きっと高校生にとっては聞いたことがない話が満載だったと思います。

そして、最後はラスボスが登場です。

社会保険労務士 岩田尊之さん

企業向けセミナーでも講師を務めてくれた“がんちゃん”こと社会保険労務士の岩田尊之さん!

下記の内容で話してもらいました。

ポイント

  • 現代の育児を語る上で欠かせない育休の話
  • 共働き家庭が中心の現代において仕事と家庭を両立させるために必要な心構え

まだ就職もしていない高校生にとっては、これもまた未知の世界だったとは思いますが、働く前だからこそ、固定的な価値観もなく、素直に聞いてくれたと思います。

高校生の反応は??

高校生の反応は??

講師をしている方から見れば、終始真剣に聞いているように感じましたが、果たして我々の思いはどのくらい伝わったのでしょうか?

今回は授業前と授業後にアンケートを実施したのですが、そこまで劇的ではなかったものの、結婚、出産、育児について前向きに考える高校生は増加する結果となりました。

そして何よりうれしかったのがこちら。

「すごく変わった」という生徒は15.2%にとどまりましたが、「ちょっと変わった」を含めると約6割。

少なくとも半分以上は何かしらの新しい発見や気づきがあったようです。

今の高校生が子育てをする頃には世の中がどう変わっているかわかりません。

もしかしたら今とは違う課題があるかもしれませんし、ものすごく子育てしやすい環境が整っているかもしれません。

それでも、早い段階でリアルな実態に少しでも触れることは、きっとどこかで役立っていくことと思います。

これからもぜひ機会を作って、高校生や若い世代に向けた発信は続けていきたいものです。

そして、何より多才なおかざきパパマイスターたちが素晴らしい!

こうして活躍の場が広がることで、より岡崎市で男性が育児をしやすい空気感が広がっていくことを願います。

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