子育てでよくある困りごとについて専門家に直撃インタビューする、子育てインフルエンサー「ねんねママ」のコラボ新企画!
記念すべき初回は、永遠のテーマ「イヤイヤ期」。
上手に乗り切るために知っておきたい声かけを、これまで数多くのイヤイヤ期キッズと相対してきて元保育士のインフルエンサー「ふじこせんせい」に聞きました!
子育てインフルエンサーとタッグを組みます!

パパしるべ編集長のジョージです。
子育て業界には様々な知識や知見、経験を持つ専門家やインフルエンサーがたくさんいます。
もちろん子どももパパママもそれぞれに個性があるので、そのメソッドが百発百中で効果があるとは限りませんが、考え方や心構えを知ったり、手数が増えたりするのは大歓迎ですよね。
以前から、その様々な情報を届けたい!と思っていましたが、ついに実現しました。
先日のマタニティ&ベビーフェスタでもワークショップを担当してくれた子育てインフルエンサー「ねんねママ」さんとともに動画を作成し、その内容をこちらで紹介していきます!
初回のゲストは自称“イヤイヤ期オタク”
子育てを経験した人でこのフェーズを通らなかったという人なんているのでしょうか?
というくらいの大定番といえば「イヤイヤ期」。
主に2歳前後の子で見られるとにかく「イヤイヤ!」と反抗しまくるあの時期です。
お話を伺うのは、総フォロワー数19万人を超える子育てインフルエンサー「ふじこせんせい」。

ねんねママさん曰く、自らを“イヤイヤ期オタク”と言うふじこせんせいは、元保育士という経験で培った様々な子育てメソッドや、保育園あるあるなどを発信。
ご自身も2歳と3歳という、“ダブルイヤイヤ期”の子どもたちと日々楽しく過ごしているママでもあります。
そんなふじこせんせいが去年出版したのが『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』というまさにドンピシャなタイトルだったので直撃することにしました!
ふじこせんせい
『手洗うの嫌!』『靴履くの嫌!』って言っている子たちが、どうやったら笑顔でその行動をしてくれるのか?
声かけや遊び方で次の行動を促せるよ、というものをこの1冊にまとめました。
あのイヤイヤ言っている子どもが笑顔になる??
これはかなり期待できますよね!
そもそもイヤイヤ期とは??
子どもたちがとにかく発する「イヤイヤ」の連続。親にとっては本当に心を折られるものです。
またそれがなぜなのかがわからないのが一番辛いですよね。
まずは改めて「イヤイヤ期」がどういうものか聞いてみました。
ふじこせんせい
“魔の2歳児”と言われ2歳頃がピークと言われると思うんですけれども、子どもたちの脳の発達として、脳の機能がどんどん成長しているけど、前頭前野にある自分自身をコントロールする脳の働きというのは、まだまだ未発達なんです。
だからそもそも感情的になりやすいんですね。
なので、私は2歳と言わず、0歳、後半ぐらいからも始まっていると思っているんですけども、これしたいあれしたい、“今はおむつを替えるタイミングじゃないんだ”っていう自分の気持ちと、“でも、大人はこうしてくる”っていうところの差がすごく大きい。
そして、それを『嫌』という言葉でしか表現できないから、イヤイヤ期って呼ばれているんだろうなと思っています。
一方、モンテッソーリ教育を学んでいるねんねママさんはこう解説します。
ねんねママ
モンテッソーリ的な視点だと、イヤイヤ期は“秩序の敏感期”と言います。
敏感期というのは何かが急激にガーッと成長するタイミングで、強くそれにこだわっちゃう時期。
秩序の敏感期は、“座る席は右がパパで、左がママのはず”とか“靴を履くのは右足からのはず”とか、“この道を通って保育園に行くはずであって、こっちが青信号だからといって、そこの交差点を渡るなんて聞いてません”みたいな。
そういう世の中の秩序だったり、ルールだったりっていうものにものすごく敏感になって、ちょっと自分が知ってることと違うことが起きると“知ってることと違う!”ってなっちゃって、それがゆえにイヤイヤ期が起こるとされています。
なるほど、いずれにしても成長発達の段階ではある種仕方ないことのようです。
ただ、生活をしていく中では仕方ないでは済まないことも多いわけで、親としてはなんとかしたいわけです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
魔法の言い換えと質問の仕方

では、ふじこせんせいが教えてくれたイヤイヤ期を乗り越えるための声掛けを紹介していきましょう!
その1 子どもは楽しい方に寄ってくる
例えば、公園で遊んだ後、帰る時間になっても子どもが「帰りたくない」とごねてしまったとき、ふじこせんせいだったらこんな風にするそうです。

ふじこせんせい
『帰りたくないか・・・あっ、なんかあそこに赤い車あるから見に行こうか!あっ、なんかここアリさんがいるから、ちょっと見に行こうか!』
っていうふうに10メートルずつ歩いてきます。 帰るんじゃないです。
帰るっていう言葉を使うんじゃなくて、目的地に進んでいくっていう感じです。
「帰る」という言葉を使わず、家に向かう!まさに目からウロコですね…。
これにはねんねママも脱帽していました。

ねんねママ
切り替え方というか、捉え方がすごいですよね。
私たちってどうやったら言うことを聞くだろう?こっちに来るだろう?と考えがちだけど、ふじこせんせいは“子どもは楽しい方に寄ってくる”って言っているんですけど、例えば、靴履きたくないとか、公園から帰りたくないとか、おむつ替えたくないとかっていうのがあったとしても、なんかその行為自体が楽しいよって伝えている。
そこがなんかこうテクニックだなぁって感じます。
その2 質問は“イエスorノー”ではなく“イエスorイエス”
続いては、子どもに対する聞き方についてふじこせんせいに聞きました。
ふじこせんせい
よく言われることだとは思うんですけど、ストレートに『トイレ行く?』とか聞くと子どもが『うん、嫌だ』っていう流れがありますよね。
結構大人も嫌だって言われるだろうなぁって思いながら聞いてるような気がします。
『保育園行こうよ』とかもそうですが、こういう質問だと子どもも『嫌だ』って言いやすいんですよね。
なので、もうそこはイエスノーの質問じゃなくて、イエスイエス質問。
『アンパンマンと行く?それともお母さんがおんぶで行く?どっちにしますか?』っていう。
よく、AとBどちらがいいか、子どもに選択をさせましょうと言いますが、もう本当に常にそれですね。
これは定番だと思いますが、イエスorノーは断れるけど、イエスorイエス、ただしどっちのイエスですか?となると、いずれにしてもイエスを勝ち取ることはできるということですね。
これもなるほど、納得です。
イヤイヤ期は夫婦タッグで乗り切る!

イヤイヤ期に対峙するのはパパもママも同じ。
本来力を合わせて乗り切っていく必要がありますが、具体的にどうしたらいいのでしょうか?
ふじこせんせい
夫婦で同じ目線でやってほしいなと思いますね。
しつけという面での価値観というか、ひとつずつすり合わせていく会話を夫婦でしていくのは、結構大事なんじゃないかなと思いますね。
例えば同じ本を見て、あっこの時こういうやり方あったよねっていうのをとか情報を共有するのは大事ですよね。
最近ちょっとお風呂入るの嫌がることが多くて大変だよねっていう時に『そこちゃんとやってよ』じゃなくて『大変だよね』っていう共感から、『ちょっとお風呂入る時、これやってみる?』みたいな会話の位置づけになれたらいいなと思いますね。
情報の目線ややり方を共有して持つ。
ただそれを使うかどうかはその時々で一緒に考えていけば、かなり穏やかに臨めそうな気がします。
とここでねんねママさんからこんな声が…。
「ふじこせんせいのところは、パパもすごいんですよ」
これは気になりますね…どんなパパなんでしょうか?
ふじこせんせい
いや、もうまさに昨日家に帰ったら、子どもが手を洗いたくないって言いだして、もうちょっと私も疲れていたので『ああ、どうしようかな…』と思って全然頭回らなかったんですよね。
そしたらパパが『じゃあ誰と一緒に行く?アンパンマンと行く?それともロボットお父さんと行く?』って言ったんですよ。
で、子どもがロボットお父さんがいいって言ったから、ウイーンって言って、子どものところに行って抱っこしてウインウインって言って、一緒に手洗い場まで連れて行ってくれたんですよ。

一歩間違えるとその後、30分間泣き続けるみたいになってしまうシーンになりかねないのが、家族全員がそのロボットお父さん見て爆笑できるって素敵ですよね。
棒読みでもいい、結局その方が楽になる!
最後にふじこせんせいから、イヤイヤ期と戦っているパパママにメッセージをいただきました。

ふじこせんせい
本を書いたりしていますが、私もイライラすることもあれば、これだけは知ってるはずなのに出てこないっていう時はあって、でもそういう時に『なんて自分は母親失格なんだ!』 っていうのは思わないんですよね。
自分は疲れているな、優しくできないなんかできないなっていう時に、まず原因は何なのか、自分の体調なのか心なのか、それこそパートナーとのいざこざが、子どもとの関わりに影響しているのか、そういう原因はなんかそこをまず埋めながら、“頑張ってこういう言葉、素晴らしい言葉を使いましょう”ではなくて、“頑張らないためにこういう言い方もある”。
結局自分も子どもも楽になるから、寝っ転がりながらでもいいし、棒読みでもいいので、試してみてほしいなと思います。
イヤイヤ期、一緒に乗り越えていきましょう!
「頑張ってやる!」ではなく「頑張らないためにちょっとやりましょう」…なんて優しい言葉でしょう。
ちょっと工夫するだけでラクになるなら、棒読みでもいい!
これは勇気になりますよね!
ふじこせんせい!ありがとうございました!
今回のインタビュー、完全版はYouTubeで観ることができます!
気になった人はぜひこちらもチェックしてください!
企画協力 ねんねママ
乳幼児育児アドバイザー。小児スリープコンサルタント。0-3歳モンテッソーリ教師。
YouTube「ねんねママのもっとラクする子育て情報局」やInstagramなどで乳幼児の育児に関する発信を続け、2025年現在、SNSの総フォロワーは約20万人。
TVやラジオなどメディア出演、新聞の育児コラムや育児雑誌にも掲載実績あり。著書『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『〇✕ですぐわかる!ねんねのお悩み消えちゃう本』(ともに青春出版社)